【事例】
岐阜県大垣市に住むAさんは、SNSを通じて知り合った15歳の少女と自宅近所のカフェで待ち合わせた後、ホテルに連れ込んで性交渉を行いお金を渡しました。
いわゆる援助交際です。
少女の母親が援助交際に気付き、岐阜県大垣警察署に相談したことから事件が発覚し、Aさんは逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
【援助交際】
18歳未満の者と性交渉をした場合には、淫行条例違反に問われる可能性がありますが、さらに金銭を対価として渡した場合には、児童買春として児童買春・児童ポルノ禁止法違反に問われます。
また、児童に対する影響力を行使して淫行をさせたという評価がなされた場合では、児童福祉法違反に問われることも考えられます。
この児童福祉法違反は、児童買春罪よりも重い罪となっています。
今回の事件のように、15歳という若年の女子と性交渉したような場合では、事実上の影響力を与えて行為に及んだという判断がされやすくなるため、注意が必要です。
もっとも、児童買春の罪は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金の範囲で刑罰が科せられる可能性が高いのですが、初犯であれば、簡易な手続きによる罰金処分(略式罰金)で終結することが大半です。
【年齢の不知】
児童買春を規制している児童買春・児童ポルノ処罰法では「児童の年齢を知らないことを理由として児童買春行為の処罰を免れることはできないが、過失がない時は、この限りではない。」ことが明記されています。
これは、年齢の不知の過失を処罰する趣旨を規定したものです。
つまり、買春行為に際して、相手方の年齢を可能な限り調査して年齢を確認する義務を尽くしたにもかかわらず、児童であることを知り得なかったことを立証しない限り、処罰を免れない旨を規定しているのです。
買春行為の相手方の、具体的な年齢調査の程度や方法については、事件ごとに検討されるでしょうが、一般的には児童に年齢を確認したり、身体の外形的な発育状態によって18歳以上であると信じたとしても調査義務を尽くしたとはいえないでしょう。
例えば運転免許証など、年齢が確認できる身分証で年齢を確認するまでしていれば、例え相手が18歳未満であっても、年齢の不知で児童買春罪の適用を免れる可能性があります。
【弁護活動】
児童買春事件は児童の補導や、児童に対する別件捜査によって発覚する事が多く、警察に捜査されている事に全く気付かないまま、ある日突然逮捕されるといったケースが多々あります。
児童買春の罪は決して軽いものではなく、初犯であっても、逮捕された場合は勾留されて罰金刑となる可能性が高く、場合によっては起訴されてしまう事もあります。
また、児童買春で捕まった場合、「青少年健全育成条例」や「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為等の規制等に関する法律」など別の罪にも問われる可能性があります。
しかし、児童買春に強い弁護士を早期に選任することによって、児童、児童家族に対する謝罪の他、逮捕されて警察の取調べを受けている方へのアドバイス、更生に向けた取り組み等の弁護活動をする事ができ、少しでもよい結果が生まれます。
【保釈による釈放の可能性】
児童買春の疑いで逮捕されると、その後48時間以内に事件が検察庁に送致され、24時間以内に検察官が勾留請求をすべきか決めることになります。
検察官による勾留請求を受けて、裁判官が勾留を妥当だと判断すると、被疑者は勾留請求の日から最長20日間身柄が拘束されることになります。
そして、検察官が勾留中に起訴をすると、裁判が行われることになるとともに、被疑者は被告人となって勾留の期間が最低2か月延長されることになります。
被告人勾留は最初の2か月を経過後1か月ごとに更新することとなっており、何もしなければ身体拘束が相当程度長期に及んでしまいます。
そこで、一日でも早く被告人の身柄を解放するには、保釈という手続が重要になってきます。
保釈とは、裁判所に対して指定された金銭を預けることで、一時的に身柄を解放してもらう手続のことです。
保釈の際に預けた金銭は、被告人が逃亡や証拠隠滅などを図った場合に没収されるおそれのあるものです。
そのため、金銭を無駄にしてまで逃亡などを図る可能性は低いだろうと考えられる結果、比較的容易に釈放が認められるのです。
また、起訴前に釈放を目指すのと異なり、保釈請求には回数制限がない点も魅力的です。
これにより、たとえば起訴直後に保釈請求が却下された場合において、裁判の終了間際に証拠隠滅のおそれがないとして再び保釈請求をするのが可能となっています。
児童買春は重大な事件ですが、保釈による釈放が認められるケースはよく見られます。
一日でも早い釈放を実現するなら、ぜひ弁護士に保釈請求を依頼してください。
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