少年事件と勾留に代わる観護措置

勾留に代わる観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県本巣郡北方町に住むAくん(17歳)は、スマートフォンのゲームへの課金について母親と口論になりました。
Aくんは、隙をみて台所に行き、包丁を取り出し、「殺すぞ。」と言って母親に迫りました。
母親は、自分ひとりでは処理できないと思い、警察に通報しました。
通報を受けて駆け付けた岐阜県北方警察署の警察官は、Aくんを警察署に連れて行き事情を聴くことになりました。
その後、警察からAくんを逮捕したとの連絡を受けたAくんの両親は、すぐに釈放されるだろうと思っていたのですが、翌日、少年鑑別所に収容されることになったとの連絡を受け不安になり、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

勾留に代わる観護措置とは

成人の刑事事件において、犯人と疑われる者(刑事手続上、「被疑者」と呼ばれます。)が、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがあると認められる場合には、被疑者に対して、「逮捕」という強制的な処分が執行されます。
そして、逮捕に引き続き、被疑者は、比較的長期間の身体拘束を伴う強制処分である「勾留」に付されることがあります。
「勾留」とするには、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、かつ、住居不定・罪証隠滅のおそれ・逃亡のおそれの少なくとも1つに該当すること、そして、勾留することの必要性があることが必要です。
検察官が勾留請求をすると、裁判官が勾留の判断をします。
勾留の期間は、検察官が勾留請求をした日から原則10日、延長が認められると、最大で20日間となります。

少年の場合においても、14歳以上であれば、捜査段階では、成人の場合と同様の手続に付されます。
ただし、少年の場合には、検察官は、勾留ではなく「勾留に代わる観護措置」を請求することができます。
勾留に代わる観護措置」とは、身柄拘束の必要がある場合には、勾留に代えて、少年の身柄の取り扱いについて専門性のある少年鑑別所等を利用する措置です。
勾留に代わる観護措置の期間は、10日であり、延長は認められません。

勾留に代わる観護措置がとられたら

逮捕後、勾留に代わる観護措置がとられると、少年の身柄は少年鑑別所に移送されます。
少年鑑別所は、鑑別対象者の鑑別、観護措置等によって収容される者らに対する必要な観護処遇、非行および犯罪の防止に関する援助を行う機関です。
勾留とは異なり、勾留に代わる観護措置の期間は10日で延長はされませんので、収容が短期間ですむことがありますが、勾留に代わる観護措置により収容措置がとられていた少年が家庭裁判所に送致される場合、自動的に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされ、引き続き少年鑑別所に収容されることになります。
このように、捜査段階で勾留に代わる観護措置がとられた場合には、家庭裁判所送致後の観護措置を含めて1か月以上少年の身柄が拘束されることがあります。
その間、少年は落ち着いて自身を見つけなおす機会を持つことができますが、他方で、長期間学校や仕事を休まなければならず、事件終了後の少年の更生に影響を及ぼしかねない事態を招いてしまうおそれもあります。
そのような事態が考えられるときには、不当・不要な少年の身柄拘束を回避し、早期に釈放となるよう動く必要があります。
勾留に代わる観護措置がとられてしまったら、当該措置に対する不服申し立てを行い、措置の取り消しを求めます。
申し立てが認められれば、少年は釈放され、通常の生活に身を置きながら、取り調べを受けることになります。

お子様が勾留に代わる観護措置に付され対応にお困りであれば、少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずは、お気軽にお電話ください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー