暴行罪

1 暴行罪はどんな罪か

暴行罪とは、「暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかった」ものをいいます(刑法208条)。

この「暴行」とは、人の体に対して不法な有形力、例えば、殴る、蹴る、突く等といった力で働きかける行為をいいます。また、相手の体に直接触れていなくても暴行罪は成立します。例えば、相手の首や胸元に刃物を突きつける行為も暴行になり得ますし、耳元で拡声器などを使用して大きな音をたてる行為も暴行罪になり得ます。

暴行と傷害罪の違いは?

そして、この暴行の結果、相手に傷害結果が生じなければ暴行罪となりますが、傷害結果が生じた場合には「傷害罪」(刑法204条)という別に罪に当たります。

「傷害」とは判例上、人の生理的機能に障害を与える、または人の健康状態を不良に変更することをいうとされています。平たく言うと、医者が診断書を書く程の怪我であることをいいます(例:頸椎挫傷、全治2週間)。

暴行と傷害は主に生じた結果から区別されています。そして、「結果」として重く見られているのが、医師による診断書があるかどうかという点と、その内容です。

気を付けなければいけないのは、診断書があること場合が必ず傷害罪になるわけではないという事です。人に叩いたり蹴ったりして怪我をさせてしまった、というときには、素人判断をしてしまうのではなく、まずは弁護士にご相談ください。

診断書は医師が診断したうえで作成されるものですが、見た目の腫れや痣などはなくても患者の方の「痛い」という訴えだけでも診断書が作成される場合もあります。結果のみならず、加えた暴力がどの程度なのかという点も加味しなければなりません。相手に暴力を振るってしまったとしてもその程度が「暴行罪」に留まるのか「傷害罪」になるのかは、法律家の判断も必要になります。暴行罪、傷害罪を疑われている場合にも、岐阜県の暴力事件にも強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

また、暴行をすることの認識がなければ暴行罪は成立しません。そのため、石に引っ掛かって転んで人を押してしまった場合には暴行罪は成立しないことになります。しかし、①不注意で(過失により)、②人にある程度の怪我をさせてしまった場合(人を傷害した)には、「過失傷害罪」という別の犯罪が成立してしまう場合があります。

人に怪我をさせてしまった、あるいは、人に「怪我をさせられた」と言われた場合にも犯罪となるかどうかは微妙な判断が必要となるため、一度弁護士にご相談ください。

 

2 暴行罪はどんな刑が科されるのか

暴行罪は2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料の刑が定められており、比較的軽い刑罰が定められています。実際に起訴された場合でも略式命令で罰金刑を言い渡されることが多く、懲役刑が選択された場合でも執行猶予が付くことが大半です。

なお、傷害罪となった場合には15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となり、刑が一段と重くなります。

暴行罪の嫌疑が掛かってしまった場合でも、起訴処分を回避することは十分に可能で
す。早期に弁護士が活動することによってその可能性は高まります。

起訴処分を避けたい、罰金刑になるようにしたい、という方も、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。逮捕されてしまった場合に、弁護士が最短当日に接見に赴く「初回接見」も行っております。

 

3 暴行罪での弁護活動

暴行罪は被害者の方がいる犯罪ですので、示談することが重要な弁護活動になります。

暴行罪、ないし傷害罪の場合においても、被害者の方と示談することで、刑事処分を回避したり、懲役刑を避けられたりする場合が多くあります。相手方が被害届を出さなかったり、刑事事件となる前に事件を解決できたりする場合もあります。刑事事件とならなければ、前科や前歴が付いてしまうことなく事件を終えることができます。

暴行事件の場合、示談金としては10万円から30万円程度が目安となります。暴行が激しく、大きな怪我につながるようなものであった場合や、被害者の方が運よく大きな怪我をしないで済んだというような場合には、示談金が更に高額になる場合があります。

示談交渉において、示談金は一概に決まるものではありません。当人同士での話し合いではうまくまとまらない場合も往々にしてありますので、示談の場では弁護士にも立ち会ってもらうのがいいでしょう。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では示談の経験も豊富な弁護士が事件解決に向けて活動いたします。初回相談は無料で行っておりますので、相手と示談交渉をしたいという場合にも一度ご相談ください。

 

4 どんな刑事手続きがなされるのか

⑴ 逮捕や勾留について

暴行罪の場合、逮捕・勾留されることはありますが、10日以上の勾留延長請求がされることは多くありません。弁護士の活動によって身体拘束が回避できる可能性も十分にあります。しかし、暴行の相手が家族や同居人である場合には逮捕・勾留などの身体拘束を受ける場合があります。

 

⑵ 起訴されるかどうか、された後はどうなるのか

その後の検察官による処分ですが、事実を認めている場合で被害者との示談もうまくいっている場合には起訴猶予となる場合があります。起訴されてしまった場合でも略式命令がなされ罰金刑となることも多く、比較的軽微な処分が見込まれます。ですが、前科がある場合には起訴され、懲役刑が言い渡される可能性があります。

また、起訴されてしまった後でも、無罪を主張することはできます。当事者同士の言い争いの中で「先に手を出した」と言われてしまった場合や、殴られそうになったので相手を押してしまったなどという場合が考えられます。

実際に手を出していないという場合には、両者の言い分が食い違っている可能性がありますので、こちらの言い分が正しいということを説得する必要があります。また、殴られそうになったので反撃したという場合には正当防衛であるとの主張がありえます。実際、正当防衛は認められにくいですが、こちらの言い分が正しいと主張するためにも、捜査の初期段階からの対応が重要になります。

暴行罪は刑法の中では軽微な犯罪ではありますが、懲役刑の可能性もある罪です。刑事事件となった場合には弁護士に依頼したうえで弁護活動を行うことが必要になります。また、無罪を主張する場合には相手の言い分を踏まえた主張が必要になります。

岐阜県の刑事事件・少年事件も専門的に取り扱うあいち刑事事件総合法律事務所では、暴行事件についても、事件化を避け、より軽い処分となるよう弁護活動を行います。

 

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