Archive for the ‘未分類’ Category

略式手続で公判回避

2021-05-13

略式手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、児童買春、青少年健全育成条例違反の容疑で岐阜県恵那警察署に逮捕されました。
他にも同種の余罪があることから、警察から正式な裁判を受ける可能性について指摘されたAさんは、なんとか公判回避することはできないかと、接見に訪れた弁護士に相談しました。
相談を受けた弁護士は、Aさんに略式手続について説明しています。
(フィクションです。)

略式手続について

原則、すべての事件が検察官に送られ、検察官は送られてきた事件を処理します。
検察官により処理には、最終的な処理である終局処分と、中間処分とがあります。
終局処分には、起訴処分、不起訴処分、少年の場合には家庭裁判所送致があります。

起訴(公訴の提起)には、①公判請求、②即決裁判手続の申立て、③略式命令の請求とがあります。
起訴の大部分を③略式命令請求が占めています。

検察官が略式命令の請求をすると、簡易裁判所は、公判手続を経ることなく検察官が提出した証拠のみに基づいて、100万円以下の罰金または科料を科す裁判(これを「略式命令」といいます。)を言い渡します。
この手続を「略式手続」と呼びます。
略式手続は、公判を開かずに、非公開の簡易な手続で迅速に処理される点が特徴です。

◇略式手続の要件◇

略式手続に付する要件は、次の3つです。

①簡易裁判所の管轄に属する事件であること。

②100万円以下の罰金または科料を科し得る事件であること。

③検察官による説明、正式な裁判を受ける権利の告知、略式手続に異議がない旨の書面による確認が済んでいること。
検察官は、あらかじめ被疑者に対して略式手続について理解をするのに必要な事項を説明し、通常の審判を受けることができると告げた上で、略式手続によることに異議がないかどうかを確認し、異議がないことを書面で明らかにしなければなりません。

略式命令を受けた者または検察官は、略式命令の告知を受けた日から14日以内に、正式裁判を請求することができます。

◇略式手続のメリット◇

①早期の事件の終結

略式命令は、検察官が略式命令を申し立てた当日のうちに、公判を開くことなく罰金または科料の略式命令がなされます。
一方、公判請求された場合には、公開の裁判を通常少なくとも2回開くことになり、起訴から判決言い渡しまで約2~3か月かかります。
略式手続は、公判請求された場合と比べると、事件の終結までにかかる時間が格段に短縮され
ますので、被疑者にかかる負担も少なくて済むというメリットがあります。

②身体拘束からの解放

また、逮捕・勾留されている場合には、略式手続に付されることで、略式命令謄本の送達と同時に釈放されることになります。
そのため、起訴後勾留で引き続き身体拘束を強いられることがなくなり、早期に身体拘束から解放されることになります。

このように、被疑者にとっては早期の事件の終結や身体拘束からの解放というメリットがありますので、事実関係に争いがない事件であり、法定刑に罰金・科料がある罪で、起訴猶予が見込めない場合には、弁護士は、略式命令手続とするよう検察官と交渉するとことを検討することがあります。

もちろん、略式命令であっても、有罪判決であることには変わりはないので、前科が付くというデメリットはあります。
しかし、起訴後の身体拘束や、被告人が公開の法廷で審理されることのリスクを回避することができるため、例えば、被害感情が強く、被害者との示談成立ができない場合、前回起訴猶予で処理されている場合などは、略式手続を目指す弁護活動が有効な手段と言えることがあります。

略式手続には、メリット・デメリットがありますので、最終的な決断の前に、弁護士に相談されることをお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

職務質問・所持品検査の適法性を争う

2021-05-10

職務質問所持品検査適法性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県岐阜市の繁華街で警ら中の岐阜県岐阜南警察署の警察官に職務質問を受けたAさん。
警察官は、Aさんに所持品検査に応じるよう求めましたが、Aさんは一貫して拒否しました。
すると、警察官数人はAさんを取り囲み所持品検査に応じるよう説得を続けました。
後に応援で駆け付けた警察官も加わり、5~6人の警察官に取り囲まれる形で約4時間の拘束を受け、警察官はAさんの隙をつく形でAさんの持っていたカバンの中を調べはじめました。
その結果、Aさんの持っていたカバンから乾燥大麻が見つかり、Aさんは大麻取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんは、警察による職務質問所持品検査は違法ではないかと接見に来た弁護士に相談しています。
(フィクションです)

公訴の提起・追行・維持のために被疑者の身柄を確保し、証拠を収集する捜査機関による活動を「捜査」といいます。
この捜査は、任意捜査と強制捜査とに分けられます。
前者は、任意処分による捜査のことで、参考人取調べ、鑑定嘱託、実況見分等が挙げられます。
一方、強制捜査とは、強制処分による捜査のことをいいます。
例えば、逮捕、捜索・差押え、検証等があります。

捜査の端緒(きっかけ)は、「犯罪があると思慮する」に至った場合であり、捜査機関自らが犯罪を感知する場合と、捜査機関以外の者が犯罪を感知して捜査機関に申告する場合とがあります。
前者には、職務質問や検視等、後者には、告訴、告発、請求、被害届、自首等があります。

職務質問

捜査の端緒ともなる「職務質問」ですが、「何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者」等を、「停止させて質問すること」をいいます。
この職務質問は、あくまでも捜査の端緒として、犯罪が認知される前に行われる行政警察活動です。
行政警察活動というのは、警察活動のうち個人の権利や自由の保護を含む公共の安全及び秩序の維持回復を内容とする活動のことです。
行政警察活動に対するものとして、司法警察活動があり、これは司法権の作用に基づいて、犯罪事実を捜査し、犯人を逮捕し、証拠を収集することを目的とするものです。
司法警察活動は、犯罪の訴追や処罰に向けた活動が中心となるところ、行政警察活動は犯罪の予防と鎮圧が主となります。
行政警察活動においても、犯罪予防や秩序維持の目的のため有形力の行使は認められます。
けれども、行政警察活動においても、将来捜査に発展する可能性があり、市民の側が受ける不利益は、司法警察活動の場合とそう変わりないことから、適正手続の保障は求められ、有形力の行使は、必要性、緊急性、相当性の要件を満たす限度でのみ認められます。

適法とされた行為では、
職務質問中に逃亡した者を130メートル追いかけ、背後から腕に手をかけて停止させた行為。(最決昭29・7・15)
・酒気帯び運転の疑いがある者の逃走を防止するために、窓から手を入れてエンジンキーを回してスイッチを切った行為。(最決昭53・9・22)
・ホテルの宿泊客に対する職務質問を継続するために、ドアを押し開け、ドアが閉められるのを防止した行為。(最決平15・5・26)

他方、違法とされた行為では、
職務質問に続いて、現場に6時間以上留め置いた行為。(最決平6・9・16)

職務質問における実行力の行使の限界については、職務質問の必要性の高さ、対象者の対応、対象者の状況、実力行使の態様・程度、自由制限の程度などについて、個々の事案に即して、総合的に判断して、決められることになります。

職務質問に付随する所持品検査

職務質問に伴って行われる所持品検査は、職務質問の効果を上げる上で必要かつ有効である行為です。
しかし、その方法によっては、対象者の権利を害する行為となるおそれもあります。
職務質問に付随する所持品検査に関する直接の規定はありません。
所持品検査でも、所持品の外部を観察して質問する行為や、承諾を得て中身を検査する行為には問題はありません。
しかしながら、承諾なく中身を検査する行為についてはどう判断されるのでしょうか。

判例は、所持品検査職務質問に付随する行為として、強制によらず、検査の必要性、緊急性、相当性が認められる限度で許されるとしています。(最判昭53・6・20)
所持品検査は、任意手段である職務質問に付随する行為として許容されるため、原則として、所持人の承諾を得た上で、その限度において行われなければなりません。
しかしながら、所持人の承諾のない限り所持品検査を一切許可しないとするのではなく、捜索に至らない程度の行為については、強制にわたらない限り、所持品検査においても許容される場合があります。

職務質問やそれに付随する所持品検査適法性を判断する一律の基準はありませんが、個々の事案に照らし合わせて、総合的に判断されることになります。

職務質問所持品検査適法性について争いたいとお考えであれば、一度刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

児童買春事件で取調べ

2021-05-06

児童買春事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、岐阜県中津川警察署から、児童買春事件の件で話を聞きたいから出頭するようにとの連絡を受けました。
Aさんは、半年ほど前、ネットで知り合った女の子に1万円を渡して性交しましたが、18歳未満であるとは思っていなかったので、取調べに対してどう対応すればよいのか、今後の流れがどのようになるのか心配になってきました。
警察への出頭前に、弁護士に相談するのがよいのではないかと思ったAさんは、すぐにネットで刑事事件専門弁護士を検索することにしました。
(フィクションです。)

児童買春は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春・児童ポルノ処罰法」といいます。)で以下のように規定されます。

次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者

◇行為◇
児童買春は、「児童」に対し、「性交等」を行うものと定義されます。
ここでいう「児童」というのは、18歳に満たない者であり、性別は問いません。
「性交等」とは、
・性交
・性交類似行為(手淫、口淫などであり、キスや抱擁は該当しません。)
・自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触る若しくは児童に自己の性器等を触らせる
行為が含まれます。

◇対償の供与等◇
児童に対する性交等は、児童に対し、児童に対する性交等の周旋をした者に対し、あるいは児童の保護者や児童を支配下に置いている者に対して、「対償の供与」または「対償の供与の約束」をした上で行われなければなりません。
「対償」の供与・供与の約束とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益を供与する、又はその約束をすることです。
対償には、現金を渡すほかにも、食事をご馳走すること、プレゼントを渡すこと、親の雇用を約束することなども含まれるとされます。
児童が合意して性交等が行われた後に、児童側から対償を請求してきた場合は、児童買春には当たりません。
ただ、対償の供与等がなく児童と性交等を行った場合、児童買春罪は成立しませんが、青少年健全育成条例に違反する可能性はあります。

◇故意◇
犯罪が成立するためには、客観的に犯罪の事実が存在すること、そして被疑者・被告人がその客観的犯罪事実を認識していることが必要となります。
児童買春罪の場合、故意が問題となるのは、相手方を18歳未満の者であるとの認識がなかったかどうか、という点です。
児童買春罪に問われる際に、よく被疑者・被告人が「相手を18以上だと思っていた。」と主張しますが、その主張が認められた場合には児童買春の故意はないため犯罪が成立しないことになります。
しかしながら、故意には、「18歳未満かもしれない…、だけどまあいいや。」という認識も含まれるため、そのような認識があったと判断された場合には、故意が認められます。
相手から偽造した身分証明書を提示されたようなケースであれば、被疑者・被告人が相手を18歳以上の者だと信じた相当な理由があったとして故意がなかったことが認められるでしょう。
しかし、相手の容姿や話し方、会話の内容から一般的に18歳未満であることが疑われるような場合には、故意を否認する主張が認められることは難しいことがあります。

故意を争う場合には、取調べで故意を認めるような供述や調書がとられることのないよう、慎重に対応する必要があるでしょう。
そのため、早期に弁護士に相談し、取調べ対応についての助言をもらうことが重要でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件を起こし対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年事件で不処分

2021-05-03

少年事件不処分となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県揖斐郡大野町に住む高校生のAさんは、生活態度について父親から説教をされたことに腹を立て、口論の末、台所に置いてあった包丁を持ち出して、「ふざけんな。殺すぞ。」と叫び、包丁を父親に向けました。
それを見た母親は、怖くなり、喧嘩を止めるために110番しました。
通報を受けて自宅に駆け付けた岐阜県揖斐警察署の警察官は、Aさんを警察署に連れていきました。
Aさんの両親は、事態が大ごとになり、今後Aさんに対してどんな処分が下されるのか心配になってきました。
(フィクションです。)

少年事件の処分

家庭裁判所は、事件を受理すると、調査官に調査を命じ、審判を開始する、或いは開始しない旨の決定をします。
少年が非行事実を行った蓋然性があり、調査官による教育的措置を経た上でなお少年に要保護性が認められる場合に、審判開始決定がなされ、審判手続が開始されます。

審判が開始された場合、裁判官は以下のような処分を決定します。

【終局決定】
少年の最終的な処分を決する決定には、次の4種類があります。
不処分
②保護処分(保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設送致、少年院送致)
③都道府県知事または児童相談所長送致
④検察官送致

【中間決定】
終局決定の前の中間的な措置としてなされる決定で、試験観察と呼ばれます。

以上の処分は、審判が開かれ、審判期日に言い渡されるものです。

不処分とは

審判期日に言い渡される決定のひとつである「不処分」について説明します。

家庭裁判所は、審判の結果に基づいて、保護処分に付することができないとき、及び、保護処分に付する必要がないと認められるときに、少年を保護処分に付さない旨の決定を行います。
この決定を不処分決定と言います。
不処分決定には、①家庭裁判所が保護処分に付することができないと認めた場合になされるもの、と、②家庭裁判所が保護処分に付する必要がないと認めたもの、との2種類があります。
以下、順に説明します。

①保護処分に付することができない場合の不処分

これは、法律上または事実上、保護処分に付することができない場合にされる不処分決定です。
例えば、非行事実の存在が認められない場合、少年に心神喪失・死亡・所在不明・疾病・海外居住といった事情が生じた場合、審判条件を欠く場合に、この決定がなされます。

②保護処分に付する必要がない場合の不処分

事件について、要保護性が存在しない、あるいは小さくなっているため、保護処分に付する必要がなく、児童福祉法上の措置や刑事処分の必要もない場合になされる不処分決定です。
例えば、調査や審判の過程で、関係者による働きかけが行われたことにより、要保護性が解消し、再非行のおそれがなくなった場合が挙げられます。
また、別件で保護処分に付されており、本件で特に処分をする必要が認められない場合にも不処分とされることがあります。

前者の場合における、関係者による働きかけには、裁判所の調査官や裁判官による働きかけや、審判手続を経ること自体や、観護措置による少年鑑別所での処遇も含まれます。
そして、付添人である弁護士による少年に対する働きかけ、特に環境調整活動は要保護性解消において最も重要なものと言えるでしょう。
弁護士は、少年本人やその保護者、学校の先生や職場の上司などといった少年の関係者と連携し、少年の更生に適した環境を整えるよう尽力します。

家庭は少年にとって一番身近な環境です。
家庭の問題が背景にない少年事件はそう多くはありません。
一見仲良く問題なく見える家庭であっても、一当事者が気付いていない小さな溝ができてしまっていることもありますし、明らかに少年と家族との間に深い亀裂が生じていることもあります。
事案によって家庭の問題は異なりますが、弁護士は少年と家族との間に入り、少年と家族とのコミュニケーションを活発にし、家庭にしっかりとした少年の居場所を作る、事件の原因や少年が抱える問題を家族で一緒に考え解決策を模索する手助けをする、などといった活動を行います。
上の事例でも、Aさんと父親との喧嘩から事件に発展しており、少なくともAさんと家族との問題が事件の背景にあるものと考えられますので、弁護士は、Aさんの家庭環境の改善に力を入れることになります。

要保護性解消に向けた環境調整活動は、付添人である弁護士が行う最も重要な活動のひとつです。
このような活動は、少年事件に精通する弁護士にお任せください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こして対応にお困りであれば、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

 

18歳未満の者との性交で逮捕

2021-04-29

18歳未満の者との性交逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
SNSで知り合ったVさん(16歳)とみだりに性交したとして、岐阜県加茂警察署は会社員のAさんを逮捕しました。
Vさんの母親がVさんのスマートフォンをチェックした際にAさんとのやり取りを見つけVさんに問いただしたところ、VさんがAさんとの関係を告白したため、Aさんの母親が岐阜県加茂警察署に相談したことで今回の事件が発覚しました。
Vさんの両親はAさんに対して怒っているようで、相談後に警察に被害届を出しました。
(フィクションです。)

18歳未満の者と性交(性交類似行為を含む)した場合、例え相手の同意を得ていたとしても、次のような罪が成立する可能性があります。

1.条例違反

各都道府県では、おおむね18歳未満の者とのみだりに性交や性交類似行為を行うことを禁止する内容の条例が制定されています。
岐阜県は、「青少年健全育成条例」が制定されており、その23条は、「青少年に対して、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。」と規定しています。
「青少年」とは、18歳未満の者をいいます。
ここでいう「みだらな」性交・性交類似行為とは、18歳未満の者を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未熟に乗じた不正な手段により行うものであり、単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしかいえないようなものをいいます。
どのような場合に、この「みだらな」性交・性交類似行為に当たると言えるのかは、性交・性交類似行為に至るまでの経緯や期間、当事者の関係性などを検討した上で判断されます。
18歳未満の者との性交・性交類似行為すべてが禁止されているわけではなく、結婚を前提にした真剣交際であった場合には、「みだらな」性交・性交類似行為には当たりません。
しかし、知り合ってからすぐに性交・性交類似行為に及んでいるといった場合には、真剣交際にあったと認められるのは難しいでしょう。

2.児童買春法違反

18歳未満の者との性交・性交類似行為が、金銭の対価として行われた場合などは、「児童買春」に当たる可能性があります。
「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春法」といいます。)は、児童買春を禁止しており、違反者には罰則を科すことを定めています。
ここでいう「児童買春」というのは、①児童、②児童に対する性交伊東の周旋をした者、③児童の保護者又は児童をその支配下に置いている者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます。
18歳未満の者と性交・性交類似行為をする点では、先の条例違反と同じですが、児童買春の場合には、対償の供与等が必要です。
対償には、金銭だけではなく、性交・性交類似行為の対価として自宅に宿泊させる約束をする、就職を約束する、児童の欲しがる物を買い与えることも含まれます。

3.児童福祉法違反

また、18歳未満の者との関係性によっては、児童福祉法違反(児童に淫行をさせる罪)に当たる可能性があります。
児童福祉法は、「児童に淫行をさせる行為」を禁止しています。
「淫行をさせる」とは、児童に働きかけて淫行をするように仕向ける行為をいい、直接・間接を問わず、児童に対して事実上の影響力を行使して、児童が淫行をなすことを助長し促進する行為も含まれます。
児童に第三者と性交等するように働きかけるのみならず、児童との関係性を利用して自身が当該児童と性交等を行う場合にも適用されるのです。

逮捕される場合とは

18歳未満性交をした場合、上の罪が成立する可能性があります。
捜査機関が事件を把握し犯罪があると考えるときに、事件について捜査が開始されます。
必要があれば、犯人と思われる者(「被疑者」といいます。)を逮捕する場合もあります。
上に挙げた犯罪においては、児童が警察に補導された際に発覚したり、児童の保護者が児童のスマートフォンを確認した際に知り警察に相談することによって捜査が開始されるケースが多くなっています。
児童や保護者から被害届が提出された場合、余罪が複数ある場合、同種の前科前歴がある場合などは、被疑者を逮捕する可能性は高くなるでしょう。
逮捕後に勾留となり、最大で逮捕から23日間の身体拘束を余儀なくされる場合もあるため、逮捕された場合には早期に弁護士に相談・依頼し、身柄解放に向けて動くことが重要です。

また、被害者がいる事件では、被害者との示談が成立しているか否かで最終的な処分に大きく影響することになるのですが、被害者が未成年者である場合には、示談交渉の相手は児童の保護者となります。
児童の保護者が被疑者に対して厳しい感情を抱いていることも多いため、身柄が拘束されている場合には物理的に交渉することが不可能であることに加えて、示談交渉は第三者である弁護士を介して行うのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件を起こし逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

強盗致傷で裁判員裁判

2021-04-26

強盗致傷裁判員裁判となるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
Aは、万引きの常習者でした。
ある日、Aは岐阜県本巣郡北方町の商店で瓶ビールと食品を万引きし、小走りでそこから立ち去ろうとしました。
しかし、店主VはAの万引きに気が付き、Aを追跡しAの肩を掴んだため、Aは捕まってはならないと思い、とっさに持っていた瓶ビールでVの腕を思いっきり殴打しました。
Vは腕を抑えてその場にしゃがみ込みましたが、Aは通行人に取り押さえられました。
その後、Aは強盗致傷岐阜地方検察庁で起訴されました。
弁護人から、強盗死傷の場合には裁判員裁判対象だと聞き、Aは、通常の裁判との違いについて質問しています。
(フィクションです。)

万引きが強盗致傷に?

万引きは、通常、窃盗罪に当たります。
しかし、万引きをした人が、「捕まるまい。」と思って警備員や店員に対して暴力を振るった場合には、「事後強盗罪」が成立する可能性があります。

事後強盗罪は、刑法第238条に次のように規定されています。

窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

ここでいう「窃盗」とは、窃盗犯人のことです。
そして、窃盗犯人が、
(a)財物を得て、これを取り返されることを防ぐ目的:他人の占有を侵奪して事実上自己の占有下にある財物を被害者側に取り返されるのを防止しようとする意図、
(b)逮捕を免れる目的:窃盗未遂又は既遂の行為者が、被害者などから取り押さえられて身柄を拘束されるのを防止しようとする意図、
(c)罪跡を隠滅する目的:窃盗犯人が後日窃盗犯人として捜査官に検挙され処罰されることとなると認められる罪跡を無にしようとする意図、
いずれかの目的を持って、
暴行又は脅迫をした場合に、事後強盗罪の構成要件に該当することとなります。
ここでの「暴行・脅迫」は、相手方に対する有形力の不法な行使、害悪の告知のことであり、その程度は、相手方の反抗を抑圧するに足りるものでなければなりません。

Aは、万引きを行った上、店主に捕まえられまいと思い、盗んだビール瓶で店主の腕を殴打するといった暴行を加えていますので、事後強盗罪の構成要件に該当するものと考えられます。
その上、Vに怪我を負わせてしまった場合には、強盗致傷罪となります。

強盗致傷罪の構成要件は、強盗が人を負傷させたことです。
「強盗」とは、強盗犯人のことで、「強盗」と論じられる昏酔強盗、事後強盗の犯人もこれに含まれます。
強盗致傷罪の法定刑は、無期又は6年以上の懲役です。

裁判員裁判について

裁判員裁判は、選挙権をもつ国民の中から抽選で選ばれた裁判員6人が、裁判官3人とともに死刑を含む一定の重罪事件を審理し、事実認定と量刑判断を行う制度です。
裁判員裁判の対象となる事件は、死刑又は無期懲役・禁錮刑を含む重罪事件の他、法定合議事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係る事件です。

裁判員裁判では、通常の刑事裁判とは異なり、公判期日前に公判前整理手続が行われます。
これは、公判が始まる前に、裁判官、検察官、弁護人の3者で事件の争点及び証拠を整理する手続です。
この手続では、検察官に対して証拠開示請求を行い、被告人に有利な証拠を収集・整理した上で、適切な主張と立証の綿密な準備を行う必要があります。

また、裁判員は一般市民から選ばれた人たちですので、彼らがこちらの主張をしっかりと理解してくれるように分かりやすい言葉で証拠や事実を説明し、通常の刑事裁判よりもより丁寧に検察官への反論を行っていかなければなりません。

このような活動は、刑事裁判に豊富な知識や経験、高度な弁護技術が求められます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が刑事事件を起こし対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

家庭内トラブルで刑事事件に

2021-04-22

家庭内トラブル刑事事件に発展した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県安八郡神戸町に住む会社員のAさんは、妻のVさんと口論となり、かっとなってVさんの顔面を拳で殴ってしまいました。
AさんがVさんに暴力を振るったのはこれが初めてではなく、VさんはAさんの暴力に耐えかね、警察に通報しました。
現場に駆け付けた岐阜県大垣警察署の警察官は、Aさんを警察署に連行し話を聞くことにしました。
(フィクションです。)

ひと昔前は、家庭内トラブルは、民事不介入ということから捜査機関が積極的に取り扱うものではありませんでした。
しかし、民事不介入を理由に捜査機関が積極的に動かなかったために、家庭内トラブルから殺人事件に発展するケースが発生したため、最近では家庭内トラブルであっても捜査機関が介入し、刑事事件として取り扱われることも増えてきています。

捜査機関が「犯罪がある」と考えるとき、「捜査」が開始されます。
「捜査」というのは、警察をはじめとする捜査機関が、犯罪があると考えるときに、犯人と思われる者(「被疑者」といいます。)を特定、発見し、必要な場合には被疑者の身柄を確保し、証拠を収集、保全する、一連の手続のことをいいます。
捜査を開始するきっかけを「捜査の端緒」と呼んでいます。
捜査の端緒には、被害者やその関係者からの被害届の提出、告訴や告発、警察官が現に犯罪を行っていることを認知する場合、職務質問や取調べ、犯人の自首など様々なものがあります。

家庭内トラブルは、外部に明るみになり難いものですが、被害者からの通報や相談を受けて事件が捜査機関に発覚するケースが多くなっています。
それにより、捜査機関が「犯罪がある」と考えた場合に、捜査が開始され、最終的には検察官が起訴・不起訴を決定することになります。

家庭内トラブルで刑事事件に発展した場合

(1)身体拘束

必要な場合には被疑者の身柄を確保して捜査が進められます。
捜査段階での身体拘束には、「逮捕」及び「勾留」という身体拘束を伴う強制処分があります。
「逮捕」は、被疑者の身柄を拘束し、引き続き短時間その拘束を続ける処分です。
逮捕は、原則として、裁判官が発布する逮捕状に基づいて執行されなければなりません。
(例外として、「現行犯逮捕」及び「緊急逮捕」が認められます。)
逮捕の要件としては、①逮捕の理由、そして②逮捕の必要の2つがあります。
①は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」のことです。
②は、被疑者に逃亡するおそれや、罪証を隠滅するおそれがあること、です。
これらの2つの要件を満たしていると裁判官が認めた場合に、逮捕状が発布されます。
家庭内トラブルに起因する刑事事件においては、加害者と被害者の関係性から、加害者が被害者に供述を変えるよう迫ったりするおそれがあると認められる傾向にあり、罪証隠滅のおそれから逮捕の必要性が認められる可能性が高いでしょう。
また、通報を受けて警察官が現場(多くの場合は、家)に駆け付けた際に、被疑者を現行犯逮捕することが多いです。

逮捕後引き続き比較的長期間被疑者の身柄を拘束する裁判とその執行を「勾留」といいます。
被疑者を勾留するには、①勾留の理由、及び②交流の必要性という満たすべき要件が2つあります。
①は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、かつ、住所不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡の恐れの少なくとも1つに該当すること、です。
②は、被疑者を勾留することにより得られる利益と、勾留により被疑者が被る不利益を比較衡量した結果、被疑者を勾留する必要があるかどうか、という点です。
勾留期間は、原則として、検察官が勾留を請求した日から10日間です。
勾留期間の延長が認められれば、さらに最大で10日間となります。

(2)被害者対応

被害者がいる事件では、被害者への対応、被害者への謝罪、被害弁償、示談の締結いかんが、最終的な処分にも大きく影響することになります。
被害者との間で示談が成立している場合には、検察官が起訴しないとする処分(不起訴処分)とする可能性を高まります。
また、起訴された場合であっても、示談が成立している場合には、執行猶予となる可能性があります。

家庭内トラブルにおいては、被害者が配偶者や子供であることが多く、場合によっては、頻繁に被害にあっており、当事者間には埋めることのできない大きな溝ができていることもあります。
そのようなケースでは、当事者間での和解は困難であり、代理人を介しての交渉となることが多いでしょう。

一方、ささいな夫婦喧嘩が原因で当事者一方が通報したことから刑事事件となったケースも少なくありません。
そのような場合には、被害者が加害者が刑事罰を受けることを望んでおらず、被害者が被疑者の早期釈放、寛大な処分を希望することがあります。
このような場合には、その旨を捜査機関に充分に説明し、事件を穏便に解決するよう動く必要があるでしょう。

家庭内トラブルから刑事事件へと発展すると、通常の刑事事件として処理されることになります。
早期に弁護士に相談し、身柄解放や被害者対応をはじめとする弁護活動を行うことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件を起こし対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

侵入盗事件で再逮捕

2021-04-19

再逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県揖斐郡揖斐川町の工事現場に侵入し、機材や資材を盗んだとして、岐阜県揖斐警察署は、県内に住むAさんを建造物侵入、窃盗の容疑で逮捕しました。
Aさんは他にも複数同じような手口で侵入盗を行ったと疑われており、警察からは別の侵入盗の件でも逮捕される可能性について示唆されています。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、すぐに対応してくれる弁護士を探しています。
(フィクションです。)

ニュースで、「■■警察署は、●●容疑者を、▲▲の疑いで再逮捕しました。」と報道されているのを耳にすることがあります。
報道で使われる「再逮捕」という用語の意味と、法律上の「再逮捕」の意味は異なります。

「逮捕」というのは、被疑者に対して最初に行われる強制的な身柄拘束処分のことで、法に定められた短期間の留置という効果を伴うものです。
「逮捕」には、「通常逮捕」、「緊急逮捕」、そして「現行犯逮捕」の3種類があります。
「通常逮捕」の場合は、逮捕にあたっては逮捕状が必要となります。
「緊急逮捕」、「現行犯逮捕」の場合には令状は必要ありませんが、「緊急逮捕」では、逮捕後直ちに逮捕状を求める手続をとらなければなりません。
いずれの逮捕にせよ、逮捕後の手続は同じです。

警察は、被疑者を「逮捕」した場合、直ちに被疑者に犯罪事実の要旨、弁護人を選任することができる旨を告げた上で、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちに被疑者を釈放します。
一方、留置の必要があると思料するときは、被疑者の身体を拘束した時から48時間以内に、書類や証拠物とともに検察官に送致しなければなりません。

警察からの送致を受けた検察官は、被疑者に犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上で、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちに被疑者を釈放します。
しかし、留置の必要があると思料するときは、被疑者を受け取った時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければなりません。

検察官からの勾留の請求を受けた裁判官は、被疑者との面談を行った上で、勾留するか否かを判断します。
裁判官が勾留の理由がないと認めるときは、直ちに被疑者の釈放を命じます。

「勾留」というのは、被疑者・被告人の身柄を拘束する裁判とその執行のことをいいます。
「勾留」には、被疑者勾留と被告人勾留とがあり、逮捕後に続く勾留は前者を指します。
被疑者の勾留を請求するには、同一被疑事実について逮捕が先行していることが必要となります。
逮捕を経ないでいきなり勾留請求をすることはできませんし、Aという罪で逮捕したのに別のBという罪で勾留請求することもできません。

また、同一事実についての逮捕・勾留は、原則として1回のみ許されます。
これを「逮捕・勾留一回性の原則」と呼びます。
この原則によれば、同じ被疑事実について、時を異にして再び逮捕・勾留することは許されません。(「再逮捕・再勾留禁止の原則」)
ただし、重要な新証拠の発見、逃亡・罪証隠滅のおそれの新たな発生等の事情の変更により、再逮捕・再勾留の合理的な必要が生じ、逮捕・勾留の不当な蒸し返しにならない場合には、再逮捕・再勾留が例外的に許されると解されています。
そして、同一の犯罪事実について、同時に2個以上の逮捕・勾留をすることは許されません。(「一罪一逮捕一勾留の原則」)

このように、法律上は「再逮捕」は同一の被疑事実について再び逮捕することであり、それは原則禁止されています。
一方、報道で使われる「再逮捕」というのは、「前回逮捕された事件についての被疑事実とは異なる被疑事実について逮捕された」という意味で用いられています。
同じ罪名であっても、犯罪を行ったと疑われている時間や場所、客体などが異なる場合は、最初に逮捕されたAという被疑事実とは別のBという被疑事実について逮捕されたということになります。
この場合、Bという被疑事実について逮捕・勾留という手続を新たに踏むことになりますので、Aという被疑事実について逮捕・勾留されたことによって生じた身体拘束とは別に長期間(最大で逮捕から23日)の身体拘束となる可能性があります。
余罪が複数ある場合には、身体拘束期間の長期化、公判請求の可能性が高くなるため、起訴後の保釈により釈放を狙うことになるでしょう。

侵入盗事件でご家族が逮捕されてお困りの方は、刑事事件に精通する弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずはお気軽にご連絡ください。

虞犯少年で家庭裁判所送致

2021-04-15

虞犯少年家庭裁判所送致される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県岐阜中警察署は、岐阜県岐阜市の繁華街を深夜にうろついていたAさん(16歳)に職務質問をしました。
警察官はAさんを補導したところ、Aさんが家出中であること、知人男性宅に身を寄せていること、生活費や遊ぶ金を稼ぐために援助交際をしていることが分かりました。
その後、Aさんは、虞犯少年として岐阜家庭裁判所送致されることになりました。
(フィクションです。)

虞犯少年とは

捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合でも家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所送致しなければなりません。
犯罪行為にまでは至っていないが、不良な行為をしている少年を早期に発見して適切な保護を加えることによって少年の健全な育成を図るとともに、犯罪の発生を未然に防止しようとする観点から、少年について犯罪ではない行為を家庭裁判所の審判に付す行為としています。
このような犯罪行為とは言えないが審判に付すべき理由がある事件を「虞犯事件」といいます。
そして、虞犯事件の対象となる少年を「虞犯少年」と呼び、少年法3条1項3号イないしニに定められている一定の事由(「虞犯事由」)があり、その性格または環境に照らして、将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれのあることが要件となっています。

4つの虞犯事由は、次のとおりです。

①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること
少年が、保護者の監督を必要とする素行があるにもかかわらず、法律上・社会通念上保護者の正当な監督に服しない行動傾向があること。

②正当な理由なく家庭に寄りつかない
少年の性格、年齢、家庭の状況等を総合して、少年が家庭に戻らないことに正当な理由がないこと。

③犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること
犯罪を犯す契機や誘惑となるような好ましくない交際をし、教育上子供を立ち入らせるべきでない場所に出入りすること。

④自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること
性的悪癖や人格を損なうみだらな行為など、社会的・倫理的通念に反する行為を自ら行い、または他人にさせるような行動傾向があること。
上の事例のAさんのように、援助交際をしたりする場合は、虞犯事由④に該当します。

以上の4つのいずれかに該当し、少年の性格または環境に照らして、将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれのある(「虞犯性」)場合に、「虞犯少年」として家庭裁判所の審判に付されることになります。
虞犯性は、将来に犯罪や刑罰法令に違反するような行為を行う可能性があることを意味します。
どの程度の可能性があれば虞犯性ありと判断されるのかが問題となりますが、単なる推測では足りず、経験則に基づく高度の蓋然性が必要とされています。

虞犯少年で家庭裁判所に送致されたら

家庭裁判所送致された後は、犯罪少年(罪を犯したとされる14歳以上の少年)の場合と同様の流れとなります。
調査官による調査が行われ、審判を経て決定が言い渡されます。
観護措置の必要があれば観護措置がとられ、少年鑑別所での心身鑑別と調査官による調査が行われた後に、審判が開かれます。
虞犯事件では、家庭裁判所送致された後、観護措置がとられることが多くなっています。
虞犯事件の多くが、過去に問題行動が繰り返されていたり、複数の前歴があったりと、少年の要保護性が高いと判断されるからです。
「要保護性」というのは、次の3つの要素から構成されるものです。
①少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
②保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性があること。
③保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。
虞犯事件においても、審判の審理対象は非行事実と要保護性であり、要保護性の解消が最終的な決定に大きく影響します。
そのため、虞犯事件においても、要保護性の解消に向けた活動(環境調整)が重要なのであり、弁護士は付添人として環境調整にも大きな役割を果たすことが期待されます。

お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、少年事件に精通する弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずはお気軽にご連絡ください。

保護責任者遺棄致死事件で逮捕

2021-04-12

保護責任者遺棄致死について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県羽島郡岐南町のパチンコ店の駐車場に停めていた車の中に6か月の乳児を置いたままパチンコに行き、乳児を熱中症により死亡させたとして、岐阜県岐阜羽島警察署は、乳児の母親のAさんを保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです。)

保護責任者遺棄致死罪

保護責任者遺棄致死罪は、保護責任者遺棄の罪を犯し、よって人を死亡させる罪で、保護責任者遺棄罪の結果的加重犯です。
保護責任者遺棄致死罪の成立要件は、
①基本犯である保護責任者遺棄罪を犯したこと、及び、
②死の結果が生じ、遺棄又は不保護と死の結果との間に因果関係が存在すること
です。

実行行為が不作為(あえて積極的な行為をしないこと)である場合には、不作為における因果関係が問題となります。
期待された作為がなされていれば合理的な疑いを超える程度に確実に結果は発生しなかったであろうといえる場合には、因果関係が肯定されることになります。

保護責任者遺棄致死罪は、結果的加重犯であるから、主観的には、要扶養者の遺棄又は不保護の認識があれば足り、死の結果の認識までは必要とされません。

保護責任者遺棄致死罪は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断されます。
これは、刑の上限・加減それぞれ重い方で処断する、という意味です。
保護責任者遺棄致死のときは、3年以上の有期懲役に処せられることになります。

それでは、保護責任者遺棄罪について説明します。

刑法第218条は、

老年者、幼年者、身体障がい者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する。

と規定しています。

◇主体◇

本罪の主体は、「老年者、幼年者、身体障がい者又は病者を保護する責任のある者」です。
ここでいう「保護する責任のある者」(=保護責任者)とは、要扶養者の生命の安全を保護すべき法律上の義務を負う者のことです。
通説・判例は、保護責任の根拠を、①法令の規定に基づく保護義務、②契約に基づく保護義務、③事務管理に基づく保護義務、④条理に基づく保護義務、に求めています。

①法令の規定に基づく保護義務
ここでいう法令は、公法でも私法でもよく、例えば、公法上の義務については、警察官職務執行法第3条による警察官の保護義務があり、私法上の義務については、民法第820条の親権者の子に対する監護義務、民法第877条の親族の扶養義務などがあります。

②契約に基づく保護義務
契約は明示のものであると、黙示のものであるとを問いません。
例えば、介護契約の場合などがあります。

③事務管理に基づく保護義務
事務管理というのは、義務なくして他人のために事務の管理を始めた場合のことをいいます。
例えば、病人を引き受ける義務のない者が、自宅に同居させた場合などがこの義務にあたります。

④条理に基づく保護義務
具体的事情に即して、法の精神から導かれる保護義務です。
例えば、ホテルの一室において13歳の少女に覚せい剤を注射して錯乱状態に陥れたが、救護措置をとらずに立ち去り、死亡させた事例において保護責任者遺棄致死罪の成立が認められた判例があります。(最決昭63・1・19)

◇客体◇

本罪の客体は、条文上は「老年者、幼年者、身体障がい者又は病者」と規定しているだけですが、扶助を要する者であることと解されています。
扶助を要する者とは、他人の力を借りなければ生命・身体の危険を回避できない者のことをいいます。
そのため、単に経済的に困窮しているだけで心神ともに健全な成人は本罪の客体となりません。

◇行為◇

本罪の実行行為は、①遺棄すること、又は、②生存に必要な保護をしないこと、です。

「遺棄」とは、要扶助者を従来の場所から声明に危険な他の場所に移転させることをいいます。
作為による移置のほか、不作為による置去りも「遺棄」に含まれます。

「不保護」とは、場所的隔離を伴わずに要扶助者の生存に必要な保護をしないことを指します。

車内に乳児を置いたまま長時間車から離れる行為は、「遺棄」に当たるでしょう。

◇故意◇

本罪の故意(罪を犯す意思)としては、被遺棄者が老年者、幼年者、身体障がい者又は病者であり、扶助を要することの認識、遺棄又は不保護を行うことの認識、及び、自ら保護責任を基礎づける事実の認識が必要となります。

以上の要件を満たし、かつ、死の結果が生じ、遺棄・不保護と死の結果の間に因果関係が存在する場合に、保護責任者遺棄致死罪が成立することになります。

本罪は刑法犯の中でも重い罪であり、初犯であっても実刑となる可能性はあります。

ご家族が保護責任者遺棄致死事件で逮捕されてしまった場合には、刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

« Older Entries

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー