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(事例紹介)可児市内の男性方の窓に石を投げつけて窓ガラス1枚を割った男性を逮捕 器物損壊罪について解説

2024-02-28

(事例紹介)可児市内の男性方の窓に石を投げつけて窓ガラス1枚を割った男性を逮捕 器物損壊罪について解説

破壊

岐阜県可児市内の男性方の窓に石を投げつけて窓ガラス1枚を割ったとして、岐阜県可児警察署に逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【事例】

2月3日に、可児市内の男性(32歳)方の窓に石を投げつけて窓ガラス1枚を割った男性(36歳)を逮捕しました。

(岐阜県警「器物損壊被疑者を逮捕【可児警察署】」(2024/2/8)を引用・参照。)

【器物損壊罪についての解説】

・器物損壊罪とは?

器物損壊罪とは、「他人の物を損壊し、又は傷害した」場合に成立する犯罪です。
有罪となった場合、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処されることになります。

・他人の物の損壊・傷害

器物損壊罪の行為は、損壊することまたは傷害することです。

「損壊」とは物を物理的に破壊する行為のほかに、物の性能や本来の価値を失わせることをいいます。
ex:窓ガラスを割る、ケータイを壊す、飲料に泥を入れて飲めなくする、衣服に尿をかけるなど・・・。

「傷害」とはペットや家畜など動物に対する損壊を意味します。
※動物を傷つけたり殺害した場合には、「動物愛護管理法違反」(略称)も成立し罪に問われる恐れがあります。

したがって、傷害とは動物を対象とし、損壊は動物以外のものを対象としていることになります。

今回の逮捕事例では、石を投げつけて窓ガラス1枚を割った(=損壊させた)ことで器物損壊罪が成立し、逮捕に至っています。

・罪に問われないケース

器物損壊罪は故意の行為(意図した行為)を罰する犯罪です。
そのため、過失(不注意・ミス)によって他人の物を壊してしまった場合は罪に問われません。
※民事上の損害賠償責任は発生します。

・器物損壊事件での示談の重要性

器物損壊罪では、弁護士に間に入ってもらい、被害者に被害弁償を行って示談を成立させておくことが大変重要となります。
その理由として、器物損壊罪は、被害者等による告訴がなければ検察官は起訴することができない親告罪であることが挙げられます。
すなわち、器物損壊罪で被害者が刑事告訴しそう、あるいは刑事告訴した場合であっても、検察官が起訴する前に被害者等との示談が成立して刑事告訴を取り消す結果となれば、検察官は被疑者を起訴することができず、刑事罰が科されることはありません。

示談交渉について、本来であれば当事者間(加害者側-被害者側)で示談交渉を行い示談書を取り交わすことができるのですが、被害者の立場としては「直接連絡を取り合ったり対面したりすると何をされるか分からない」「示談金の相場が分からない」「示談をしたとして、約束がちゃんと守られるか不安」といった様々な悩みを抱えていらっしゃる場合がほとんどです。
そのため、当事者間での示談交渉を行うのではなく、弁護士に依頼をして弁護人を通じた解決を目指す方が良いと考えられます。

【器物損壊罪についての条文】

刑法261条 (器物損壊等)
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

※「前3条」は、刑法258条(公用文書毀棄罪)、刑法259条(私用文書毀棄罪)、刑法260条(建造物損壊罪)。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が器物損壊罪について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊罪を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
器物損壊罪など刑事事件に関するご相談は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
ご家族が逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
岐阜県可児市をはじめ岐阜県内で器物損壊罪を起こしてしまった、家族が器物損壊罪で逮捕・勾留されてしまったという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。

24時間365日受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)

(事例紹介)闇バイトとして特殊詐欺の受け子をした男性が自ら警察に通報し逮捕された事例

2024-02-21

(事例紹介)闇バイトとして特殊詐欺の受け子をした男性が自ら警察に通報し逮捕された事例

闇バイトとして特殊詐欺の受け子をした男性が自ら警察に通報し逮捕された事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

岐阜市内に住む80歳代の女性の自宅に、女性の長男に成りすました人物から「喫茶店で会社の書類や財布などが入った鞄が盗まれてしまった。契約先に払うお金を用意しないといけないので助けてほしい。上司にもお金を集めてもらっている」と電話がかかってきました。
その後、今度は長男の上司に成りすました人物から「私の母親にもお金を用意させていますので、ご協力お願いします」との電話が。
さらに、また長男に成りすました人物から「鞄は喫茶店で見つかったがすぐにお金がいる。喫茶店のマスターの甥が行くからお金を渡してほしい」との電話があり、逮捕された男が「マスターの甥」に成りすまして、自宅近くで待ち合わせた被害女性から現金140万円を受け取りだまし取った疑いがもたれています。
逮捕された男は、岐阜県警の羽島警察署に、「闇バイトの仲間から脅されている」と自ら110番通報し、その後詐欺の疑いで逮捕されました。
男は容疑を認めているということで、警察では共犯関係など調べを進めています。
(CBCテレビ「「闇バイトの仲間から脅されている」と自ら通報 詐欺の“受け子”を務めた疑いで高校生(20)逮捕」(2023/10/26)を引用・参照。)

~特殊詐欺と闇バイト~

近年、社会問題となりつつあるのが、いわゆる闇バイト問題です。
これはSNS等で一見違法ではないアルバイト案件を標榜しつつ、その実は本件のような特殊詐欺の末端の実行犯へのリクルート行為を行なっているものなどを総称するものです。
闇バイトはその入り口のハードルの低さに比して、実際には下記のように極めてリスクの高い犯罪に加担することになる点で極めて危険なものです。
本件被疑者のように、犯罪行為に加担する過程において脅迫(刑法222条参照)の被害に遭うなど、安直な動機から一度犯罪に手を染めてしまうと、犯罪行為から抜け出せなくなるという悪循環に陥る点に特色があると言われています。

〜特殊詐欺事件における刑事弁護活動〜

(通常の詐欺事件と異なり)本件のような特殊詐欺事件では、いわゆる受け子のような末端の役割を担っているに過ぎない場合でも、重い刑事処分を下される可能性があることに十分留意が必要です。
仮に前科前歴等がなく初犯であっても起訴される可能性は高く、場合によっては実刑判決が下されてもおかしくありません。
したがって、実刑判決を回避するためには、捜査段階の早い段階から十分な弁護活動を受けることが極めて重要となってきます。
本件事案もその一例と言えそうですが、特殊詐欺事件の受け子となってしまった被疑者は、特殊詐欺グループに良いように利用されてしまったという立場にあることも否定できません。
刑事弁護士による弁護活動においては、逮捕されてしまった方との接見(面会)等によって十分に事件の内容を聴取し、刑事裁判になることも見越した上での入念な弁護活動を行っていくことが可能であり、早期の対応が命運を分けることになり得ます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、特殊詐欺事件を含む刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
特殊詐欺事件に関与し逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応の通話料無料のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

(事例紹介)女性の自宅に侵入し入浴動画を撮影した疑いの男性を岐阜羽島署が再逮捕 性的姿態撮影処罰法違反について解説

2024-02-14

(事例紹介)女性の自宅に侵入し入浴動画を撮影した疑いの男性を岐阜羽島署が再逮捕 性的姿態撮影処罰法違反について解説

男性が女性に

女性の自宅に侵入しスマートフォンのカメラで入浴中の女性を盗撮したとして、岐阜県羽島警察署に逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【事例】

岐阜羽島署は、住居侵入と性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の疑いで、岐阜市消防本部の消防士の男性をを再逮捕した。
再逮捕容疑では、正当な理由がないのに県内の20代女性宅に侵入。
スマートフォンを浴室内に差し入れ、入浴中の女性の動画を撮影したとされる。

※男性は同月、建造物侵入と性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで岐阜北署に逮捕されていました。

(中日新聞「20代女性宅に侵入し入浴動画撮影、消防士の男を再逮捕 岐阜羽島署」
(2024/1/18)を引用・参照)

【性的な部位を盗撮した場合の法的問題】

スマートフォンの普及によって簡単に動画や写真の撮影が行えるようになった影響により、盗撮事件のニュースを目にすることも多くなったと思います。
そのような社会の状況も受けて2023年7月13日に新たに施行されたのが盗撮などの性的姿態を撮影する行為などを処罰する「性的姿態撮影等処罰法(略称)」です。

この法律の新設によって、従来の法的根拠とされていた各都道府県の迷惑防止条例に比べ、より処罰範囲が拡大され、法定刑も重くなりました。

性的姿態撮影等処罰法の定義する性的姿態等とは、以下の3つを意味します。
・人の性的な部位(ex:性器、臀部、胸部)
・着用している下着(ex:スカートの中の下着など)
・わいせつな行為や性行等が行われている間の姿態

入浴中の姿は、「人の性的な部位」という「性的姿態等」に該当するため、これを撮影した場合には、性的姿態等撮影罪が成立することとなります。

盗撮などの被害者がいる刑事事件の場合には被害者と示談を成立させておくことで、不起訴処分の獲得たや、刑の減軽に大きく影響を及ぼします。
弁護士に間に入ってもらうことで、交渉を円滑に進めてもらい、早期に示談を成立させておくことが重要です。

必ず示談交渉は弁護士にやってもらいましょう。

【参考条文】

性的姿態撮影等処罰法 
第2条1項(性的姿態等撮影)

次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。
1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という
。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れるこ
とを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」
という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部
をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われて
おり、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直
接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治40年法律第45号)
第177条第1項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が性的姿態撮影処罰法違反について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性的姿態撮影処罰法違反などを含めた刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
性的姿態撮影処罰法違反など盗撮事件に関するご相談は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
ご家族が逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。

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(事例紹介)女子高生のバッグ盗んだ疑いで、岐阜県内の市職員が逮捕・送検された事例

2024-02-07

(事例紹介)女子高生のバッグ盗んだ疑いで、岐阜県内の市職員が逮捕・送検された事例

岐阜で窃盗で逮捕されたら

女子高生のバッグ盗んだ疑いで、岐阜県内の市職員が逮捕・送検された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

岐阜県中津川市は、市職員の男性が、窃盗の容疑で静岡県警に逮捕・送検された、と発表された。
浜松中央署によると、容疑は浜松市内の路上で、女子高生の手提げバッグ(1万4千円相当)などを盗んだ疑い。
市職員の男性は、公務外で訪れた浜松市で上記容疑で逮捕され、翌々日に送検された(なお、同日に釈放されたという)。
(岐阜新聞「女子高生のバッグ盗んだ疑い、岐阜・中津川市職員逮捕 公務外に浜松市で犯行」(2024/1/11)を引用・参照の上、適宜修正。)

~公務員による窃盗~

(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(遺失物等横領)
第254条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

本件の報道からは具体的な犯行態様は明らかではないため、一般論としてどのような場合に窃盗罪が成立するか(そしてどのような場合に別の犯罪が成立するか)を解説したいと思います。
窃盗罪(刑法235条)が成立するためには、「他人の財物」たる被害品(本件であれば手提げバッグ)を被害者(本件であれば上記女子高生)が占有している必要があります。
他人による財物の占有が認められなければ、財物が犯人によって盗まれたような状況にあるとしても、法的には占有離脱物横領罪(刑法254条)が成立するに過ぎません。
判例・通説上、占有とは財物に対する事実上の支配をいうと解されており、当該財物が奪われた時点において他人の事実的支配が及んでいる場合には占有の侵害が認められることから(「窃取した」といえることから)窃盗罪が成立します。
例えば、財物が閉鎖的空間にある場合には占有が認められやすいのに対し、財物が誰もが立ち入ることのできる場所にある場合には財物との場所的時間的関係を精査しなければ、既に他人の事実的支配下にはなく占有を離れた状態にあると判断される可能性があります。

〜公務員による刑事事件における弁護活動〜

公務員が罪を犯したと疑われるに至った場合には、欠格事由に当たるかどうかの検討が欠かせません。
本件被疑者のような地方公務員の場合、一定の刑事処分がされた場合には欠格事由に当たり、職を失ってしまう危険性があるためです。
地方公務員法16条は「次の各号の一に該当する者は……職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない」(柱書)と定めています。
各号事由をみると「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」(1号)と規定しており、「禁錮以上の刑」や執行猶予判決を受けた場合にはこれに該当することになります。
そして地公法28条4項は、「職員は、第16条各号……のいずれかに該当するに至つたときは……その職を失う」と定めており、上記1号に該当する場合には失職してしまうことになります。
したがって、不起訴処分等を得るための弁護活動が重要となるのです(なお、別途懲戒処分の対象になりうることにも十分な配慮が必要となります)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、公務員による窃盗事件などを含めた刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
公務員による窃盗等に関するご相談は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせ下さい。

岐阜県羽島市にて児童ポルノ所持で警察から出頭要請の連絡が来たという事例を想定して、児童ポルノ所持の刑罰等について解説

2024-01-31

岐阜県羽島市にて児童ポルノ所持で警察から出頭要請の連絡が来たという事例を想定して、児童ポルノ所持の刑罰等について解説

破壊

今回は、岐阜県羽島市にて児童ポルノ所持で警察から出頭要請の連絡が来たという事例を想定して、児童ポルノ所持の刑罰等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【事例】

岐阜県羽島市にて、会社員の男性Aさん(35歳)は児童ポルノ禁止法違反の疑いで岐阜羽島警察署の警察官から出頭要請の連絡が来ました。
Aさんの容疑は、ネット上で販売されていた18歳未満の少女のわいせつな画像や動画を大量に購入・ダウンロードする方法で所持していたというものでした。
警察署での取調べでどういう対応をすればいいか分からなかったAさんは、弁護士に相談することにしました。

※事例はフィクションです。

■ 児童ポルノ所持の刑罰

児童ポルノ所持の禁止は、正式名称を「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」、通称「児童ポルノ禁止法」という法律(以下、法令名略)により定められている犯罪行為です。
結論から言うと、有罪となってしまった場合には1ヶ月以上1年以下の懲役または1万円以上100万円以下の罰金に処されることになります。

児童ポルノ禁止法第7条1項 (児童ポルノ所持、提供等)
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。

■ 児童ポルノとは?

「児童ポルノ」とは、児童ポルノ禁止法第2条3項1号〜3号に該当する児童(18歳未満)の姿態を写した性的な内容の写真、画像、動画等のことを意味し、具体的に以下の3つのようなものを指します。

・児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態(2条3項1号)
・他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの(2条3項2号)
・他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの(2条3項3号)

■ 児童ポルノ所持となる要件

児童ポルノ禁止法第7条1項の文言から、禁止されている児童ポルノの所持となる要件は以下のようになります。

① 「自己の性的好奇心を満たす目的」で
② 「児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)」
or
 「児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)」

今回の事例では、会社員のAさんは、18歳未満の少女が写ったわいせつな画像や動画を所持していたとして児童ポルノ禁止法違反が成立しています。

■ 犯罪発覚のきっかけと逮捕の可能性

・サイバーパトロール
ネット上にある児童ポルノを購入・ダウンロードすると、インターネット上でのパトロールに発見され、逮捕されることが想定されます。

・対象児童が補導される
SNS等で児童と連絡を取っているなかで児童本人からポルノ画像を送ってもらっていた場合、その児童が補導された際に画像のやり取りが発覚し逮捕されることが想定されます。

・余罪の捜査
児童ポルノに関わらず、何かしらの罪を犯した場合、スマートフォンやパソコンなどの電子端末が押収あるいは任意提出により調べられることがあります。
その捜査に際して、児童ポルノ所持が発覚する可能性があります。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が岐阜県羽島市にて児童ポルノ禁止法違反で警察から出頭要請の連絡が来たという事例を想定して児童ポルノ所持の刑罰等について解説致しました。
児童ポルノ所持の事件では、警察から呼び出しを受けても逮捕されず在宅で捜査される場合も少なくありません。
しかし、インターネット上にアップロードされているデータを購入・ダウンロードするだけでなく、自身で撮影した画像や動画がある場合や対償児童と直接やり取りして児童ポルノを受け取っていた場合には、逮捕される可能性が高くなります。
児童ポルノ所持は、悪質性の低い場合や、相手方児童の保護者に対し謝罪と弁済を行うなど事実上の示談を行うことにより、不起訴処分や略式手続(罰金)で手続きが終了する可能性もありますので、自己判断で行動せず、刑事弁護の経験が豊富な弁護士に相談し指示することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が警察に逮捕されてしまった方や、刑事事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
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(事例紹介)岐阜県瑞穂市で撮り鉄がJ R東海のロープを切断したとして器物損壊で逮捕

2024-01-24

(事例紹介)岐阜県瑞穂市で撮り鉄がJ R東海のロープを切断したとして器物損壊で逮捕

岐阜県瑞穂市で、鉄道の写真を撮ることを趣味とするいわゆる撮り鉄がJ R東海のロープを切断したとして器物損壊で逮捕された事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

岐阜県瑞穂市のJR東海道線で上下線を区切るための「トラロープ」を切断したとして、岐阜県北方署などは、器物損壊の疑いで、「撮り鉄」と呼ばれる鉄道写真撮影愛好者の3人を逮捕した。
逮捕されたのは、大学生ら2人と18歳の男子高校生1人。
逮捕容疑は、3人は共謀して(昨年10月22日未明から朝にかけて)、瑞穂市内のJR東海道線の線路で、上下線の間に設置されていたロープを切断した疑い。
岐阜県北方署によると、現場は列車を撮影できるスポットで、写真に写り込まないようにするため、ロープを切断したとみられる。

(岐阜新聞「「撮り鉄」3人逮捕、線路の「トラロープ」切った疑い 岐阜県瑞穂市のJR東海道線」(2024/1/12)を引用・参照の上、適宜要約・修正。)

~いわゆる撮り鉄が器物損壊の疑いで逮捕~

(器物損壊等)
第261条 前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(親告罪)
第264条 第261条⋯⋯の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

近年、撮り鉄などと呼ばれる鉄道愛好家の一部の行き過ぎた行動がニュースになることが度々あります。
本件で問題となっている器物損壊罪の客体には、「前3条」すなわち公用文書毀棄罪(刑法258条)、私用文書毀棄罪(同259条)、建造物損壊罪(同260条)の客体にならない「物」すべてが含まれます。
したがって、本件のような鉄道会社の管理に属するロープも本条の「他人の物」に該当し、これを切断したのですから当然に「損壊」に当たることになります。
さらに、本件では20歳を超えている大学生2人と20歳未満の高校生による犯行であるため、前者2人と後者では採られる手続きが変わってくることになります。
前者の成年は通常の刑事手続のルートに乗るのに対して、後者は少年法適用年齢であるため(少年法2条1項)いわゆる少年事件として成年の事件とは異なる手続きの対象となることに注意が必要です。

〜器物損壊事件における弁護士による弁護活動〜

例えば、窃盗罪が成立しない場合に器物損壊が成立する場合があるなどの犯罪の成立に関わる側面にも関わることですが、器物損壊罪は刑法犯としては窃盗罪に次いで認知件数の多い犯罪です。
そして、器物損壊罪も財産犯であるため、被害弁償や示談の成立が刑事処分を軽くするために重要になってきます。
特に、器物損壊罪は上記のとおり親告罪(刑法264条)であるため、告訴を取り下げてもらえれば不起訴処分となります(ただし、少年事件には原則として不起訴処分はありません)。
もっとも、本件のように被害者がインフラ企業や大企業の場合は、相手方が示談に応じる可能性は極めて低いのが現実です。
したがって、弁護士としては別の情状(前科前歴がない等)を主張し、弁護活動を行なっていくことになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊事件などの財産犯を含む刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
器物損壊事件で逮捕された方のご家族等は、365日24時間対応しているフリーダイヤル(0120-631-881)まですぐにお問い合わせください。

(事例紹介)歩道で女性にわいせつな行為をした疑いで岐阜中署が不同意わいせつ容疑で男性を逮捕

2024-01-17

(事例紹介)歩道で女性にわいせつな行為をした疑いで岐阜中署が不同意わいせつ容疑で男性を逮捕

男性が女性に

歩道で女性にわいせつな行為をした疑いで男性が逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

岐阜中署は、不同意わいせつの疑いで、岐阜市内の男性を逮捕した。
逮捕容疑では、夜半前頃、岐阜市内の歩道上で自転車を運転し、歩いていた県内の20代女性を追い越しながら尻をわしづかみにするわいせつな行為をしたとされる。
(中日新聞「歩道で尻をわしづかみした疑い 岐阜中署、不同意わいせつ容疑で男逮捕」(2023/12/14)を引用・参照。)

~性犯罪規定の相次ぐ改正~

(不同意わいせつ)
第176条 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の懲役に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二〜八(略)
2(略)
3 16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。

近年、刑法典における性犯罪規定の改正が相次いでいます。
特に本罪も含む「第2編第22章」の規定(特に176条以下)は、最も変化の波にさらされている規定群です。
この第22章に関する大きな改正は2017年に行われましたが(典型的には「強姦罪」から「強制性交等罪」への改正)、刑法176条自体には改正の手は及びませんでした。
もっとも、2023年の刑法改正により、刑法176条は「強制わいせつ罪」から「不同意わいせつ罪」へと罪名を変え、その規定ぶりも大きく変化しています。
従来通り、暴行・脅迫要件は残りましたが(1項1号)、これまでのように暴行・脅迫要件それ自体に強い縛りをかける解釈は否定され、暴行・脅迫よって被害者が「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」になっているかが判断されるという条文構造になっています。
立案担当者によると規定の変化にも関わらず、今回の改正は処罰範囲を拡大するものではないと説明されます。
しかし従来と異なり「婚姻関係の有無にかかわらず」犯罪が成立する旨が明記されるなど、犯罪の成立範囲について拡大していないとは必ずしも言い切れず、専門家たる弁護士の見解を仰ぐ必要性が高まったのは間違いありません。

本事案のような場合、改正前後いずれにおいても刑法176条の罪が成立することは明らかなケースといえます。
したがって、2017年改正に伴う非親告罪化でも弁護活動の方針は大きく変化しなかったように、まずは何よりも被害者との示談の成立を目指すことになります。
もっとも、上記で指摘したように今回の改正により犯罪の成立範囲が拡大していないとは言い切れず、これまで罪を問われることがなかったケースについても逮捕を含めた刑事手続の対象となり得る可能性は否定できません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、不同意わいせつ事件などを含めた刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
上述のような改正を含め、刑事事件は近年特に専門性が高まっている分野です。
不同意わいせつ事件等に関するご相談は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせ下さい。

(事例紹介)岐阜県各務原市内の被害者宅に窃盗の目的で侵入したものの、窃盗目的を遂げられずに逃げた男性が逮捕

2024-01-10

(事例紹介)岐阜県各務原市内の被害者宅に窃盗の目的で侵入したものの、窃盗目的を遂げられずに逃げた男性が逮捕

岐阜で窃盗で逮捕されたら

岐阜県各務原市内の被害者宅に窃盗の目的で侵入したものの、住人が帰宅したためその窃盗目的を遂げなかった男が逮捕された事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

事案

岐阜県各務原市内の女性(48歳)宅に窃盗の目的で侵入したものの、同女性が帰宅したためその目的を遂げなかった男性(45歳)を逮捕しました。
(岐阜県警「住居侵入、窃盗未遂で逮捕」(2023/12/22)を引用・参照。)

~住居侵入、窃盗未遂で逮捕~

(住居侵入等)
第130条 正当な理由がないのに、人の住居⋯⋯に侵入し⋯⋯た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(未遂罪)
第243条 第235条⋯⋯の罪の未遂は、罰する。

窃盗事件の中でも、住居侵入窃盗はよくあるケースとして侵入盗などとも呼ばれています。
住居侵入罪と窃盗罪は、刑法54条1項後段に規定されている牽連犯(「犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する」)として処理されることから、その処断刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります。
本事案では、窃盗罪は既遂に至っておらず未遂にとどまると判断されていますが、詳細な事実関係は不明なため、一般論として窃盗未遂がいつ成立するかについて少し考えてみましょう。
未遂に至るためには「犯罪の実行に着手」(刑法43条本文)したといえる行為がなけれがならず、窃盗罪の「実行に着手」したといえるためには結果が発生する現実的危険性が認められる行為が認められなければなりません。
例えば、侵入盗でも窃盗目的を持って家屋や部屋に侵入しただけでは上記危険は認められず、実際に物色行為に至っているとかその目前行為まで行っている場合に未遂に至る危険性が認められることが多いと考えられます。
本事案でも、加害者の「窃取」行為は、被害者に発見される前に物色行為かその直前行為まで至っていたと思われます。

〜刑事弁護士による弁護活動〜

私選弁護士の最大のメリットの一つが、逮捕段階(あるいはその前の段階)という刑事手続の早期段階から弁護活動が行えるということです。
被疑者にとって逮捕・勾留といった身体拘束は、肉体的にも精神的にも重大なダメージを生じ得る処分です。
したがって、弁護士としては何よりもまず被疑者のための身柄解放活動を行う必要があります。
身柄解放のために逮捕の違法性を争うことは法的に認められていませんから、弁護士としてはまず検察官による勾留請求(刑訴法205条1項等)を争うことになるでしょう。
この活動は、そもそも勾留の要件(刑訴法207条1項・60条1項)が満たされないと主張するものですから、これが満たされると主張する検察官の主張をいかに排斥できるかが弁護士の腕の見せ所になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、住居侵入・窃盗(未遂)事件を刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
住居侵入窃盗(未遂)事件で逮捕された方のご家族等は、年末年始も24時間対応している弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

岐阜県岐阜市にて喧嘩をしてしまったという事例を想定して、成立する罪と微罪処分の手続きについて解説

2024-01-03

岐阜県岐阜市にて喧嘩をしてしまったという事例を想定して、成立する罪と微罪処分の手続きについて解説

喧嘩

今回は、岐阜県岐阜市にて喧嘩をしてしまったという事例を想定して、微罪処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【事例】

Aさん(男性56歳)は、岐阜県岐阜市内の居酒屋で友人Vさん(男性55歳)とお酒を飲んでいたところ、些細なことから口論になりました。
お店を出た後も腹の虫が収まらなかったAさんは、罵声を浴びせながらVさんの胸ぐらを掴んで後ろへ転ばせる暴力を振るってしまいました。
Vさんが地面に転んだままの状態で揉み合いになっていましたが、VさんはAさんのこの行為で特に怪我などは負いませんでした。
二人の様子を見かねた通行人が通報し、岐阜中警察署の警察官が臨場しました。
頭を冷やす意味も込めて、Aさんは岐阜中警察署の警察官によって同警察署に連れて行かれました。
後日、Aさんは弁護士に弁護を依頼した結果、適当な弁護活動により、事件は微罪処分として検察官に送致されることなく処理されました。

※事例はフィクションです

【微罪処分についての解説】

今回の事例では、Aさんは、暴行罪が成立していますが、警察は結果として微罪処分として処理されています。
では、微罪処分とはなんでしょうか?
 
刑事訴訟法246条 司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。

犯罪捜査規範198条 捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる。

まず原則として、警察官が暴行罪などで捜査を開始した場合、身体拘束を伴う捜査が行われている場合には逮捕から48時間以内に、在宅での捜査の場合には取調べなどの捜査が終了した時点で、検察官に事件を(逮捕事案では身柄も)速やかに送致しなければなりません。(刑事訴訟法246条)
しかし、犯罪捜査規範にあるとおり、①きわめて軽微な罪で、②検察官から送致の手続きをとる必要がないと予め指定されている場合、検察官に事件を送致する必要がありません。
これが微罪処分です。(犯罪捜査規範198条)

微罪処分になれば、検察官に起訴されることはまずなくなるため、いわゆる前科がつかないというメリットがあります。

微罪処分となる事件の基準は画一的ではありません。
まず、②の「検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたもの」というのは公開されていませんが、法制審議会-少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会の第4回会議資料によると、暴行罪・窃盗罪(主に非侵入盗と乗り物盗)・詐欺罪での微罪処分が多く見受けられます。
その他、①について一般的に言えることとしては
・前科の有無
・事件の規模(被害金額や被害者の怪我の程度など)
・被害回復の有無
・罪を認めているか否か
といった点を総合的に判断したうえで、微罪処分に付されていると考えられます。

今回の事例では、酒の席での友人同士の喧嘩で、かつ、怪我等の無い暴行罪で処理されていたということもあり、微罪処分となったと考えられます。

微罪処分は「送致しないことができる」と定められていることから警察官らの裁量があるため、確実に微罪処分となる方法はありません。
しかし、罪を認め、被害の回復、取調べなど積極的な捜査協力を行ったり、再犯をしないことを誓うなどの行動により、微罪処分となる可能性は高くなると考えられます。
とはいえ、繰り返しになりますが微罪処分には絶対的なルールがないことから、自身の行為が微罪処分の対象になるのか不安な方は、刑事事件の弁護活動の経験が豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が微罪処分について解説しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
たかだか仲間うちの喧嘩と考えて事件を軽視していると、知らぬ間に事態が悪化し、取り返しのつかないことになる可能性もあります。
岐阜県岐阜市にて、暴行・傷害など、刑事事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
無料相談にて事件の内容を確認した上で、今後の見通しや弁護活動(謝罪と弁済を行うことで被害届取り下げや告訴取消などを求める示談交渉、起訴された場合の情状弁護)についてご説明致します。

24時間365日受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)

(事例紹介)海外を拠点に日本に特殊詐欺を繰り返していたとみられるグループの男性を岐阜県警が逮捕

2023-12-27

(事例紹介)海外を拠点に日本に特殊詐欺を繰り返していたとみられるグループの男性を岐阜県警が逮捕

海外を拠点に日本に特殊詐欺を繰り返していたとみられるグループの男が逮捕された事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事案~

タイを拠点に日本に特殊詐欺を繰り返していたとみられるグループについて、岐阜県警は、日本人の男を詐欺容疑で逮捕した。
この男らのグループの関与も含め、県内ではニセ電話詐欺の被害が増えており、県警は警戒を強めている。
県警によると、男らの関与が疑われる事件では、多治見市の一人暮らしの70代男性が被害に遭った。
自宅にカード会社を名乗る女の機械音声で「カードで買い物をしています」と電話があり、その後に銀行協会を装う男らが「カードがスキミングされている」などと電話をかけ、男性に通帳などを郵送させてだまし取った疑いがある。
犯行グループは海外から電話をかけるなど活動が広域化しており、SNSで名前も知らない者同士が離合集散するなど、すぐに摘発するのが難しいケースも出てきている。
(朝日新聞「岐阜県内のニセ電話詐欺、被害3.9億円に 1~10月、前年比増」(2023/11/16)を引用・参照。)

~特殊詐欺の多様化~

(詐欺)
第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

いわゆる振り込め詐欺やオレオレ詐欺に端を発する特殊な形態の詐欺犯罪は、前例のない形で被害を拡大させています。
当初は上記のような形態の行為が主立ったものでしたが、その形態の多様化から警察は公式に「特殊詐欺」という用語を使用するようになりました(これが2011年からと言われています)。
特殊詐欺は、警察・被害者側の対策→詐欺グループによる手口の変化といったいたちごっこのような状態に陥ってるのが現状です。
このような捜査機関を挙げての対策にも関わらず、特殊詐欺による被害額は未だに下げ止まっておらず、法解釈への影響も含めて日本社会に多大な影響をもたらしています。
本事案のように海外を拠点とする特殊詐欺も、警察の検挙を逃れるために様々に手法を変化させるという特殊詐欺の特徴の一形態と捉えることができるでしょう。

~特殊詐欺事件における刑事弁護活動~

特殊詐欺事件に関しては、上述のような社会問題化を背景に厳罰化の傾向があると言われています。
一般論としては詐欺罪も含めた財産犯においては、被害弁償の有無が起訴・不起訴の判断を分ける重要な要素となります。
しかし、本件特殊詐欺事件のような組織的かつ(事件報道によると)被疑者が「受け子」のような末端の従属的地位にあったとはいえない事案では、仮に被害弁償が行われたとしても起訴は免れることは極めて難しいと考えられます。
さらに、本事案の被疑者は別の特殊詐欺の容疑で再度逮捕されており、将来的な余罪による逮捕・起訴まで見越した上での弁護活動が必須となることから、特に刑事事件に関する専門性が重要となる事案と言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、特殊詐欺事件などを含め刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
特殊詐欺事件で逮捕・起訴された方やそのご家族は、365日24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせ下さい。

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