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強制わいせつ事件で不起訴

2021-07-22

強制わいせつ事件で不起訴を目指す活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県内に住むBさんは、「強制わいせつ事件の容疑者として息子さんを本日逮捕しました。」との連絡を岐阜県加茂警察署から連絡を受けました。
警察からは事件について詳しいことを教えてもらえなかったため、Bさんはどう対応すればよいか分からず、ネットで刑事事件専門弁護士を探し出し、相談の電話を入れました。
Bさんは、どうにか不起訴にならないかと弁護士に相談しています。
(フィクションです。)

強制わいせつ罪とは

強制わいせつ罪は、刑法第176条において、次のように規定されています。

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

■客体■

強制わいせつ罪の客体は、男女問わず「者」です。

■行為■

強制わいせつ罪の行為は、①13歳以上の者に対して、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をすること、または、②13歳未満の者に対して、わいせつな行為をすること、です。

①暴行・脅迫
強制わいせつ罪が成立するためには、相手方が13歳以上の場合には、暴行・脅迫を用いてわいせつな行為を行うことが必要となります。
ここでいう「暴行・脅迫」は、被害者の反抗を著しく困難にする程度のものであることが必要です。
暴行については、殴打や体を押さえつけることのほか、衣服を引き剥ぎ、裸の写真を撮る行為などがあり、暴行そのものがわいせつ行為である場合でもよいとされています。

②わいせつ行為
被害者に対して行われる「わいせつ行為」とは、いたずらに性欲を興奮または刺激さしめ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為であるとされています。
具体的には、指を陰部に挿入する行為、被害者の意思に反して乳房や尻などに触れる行為、無理やりキスする行為、少年の肛門に異物を挿入する行為などが過去の裁判でわいせつな行為として認められています。
通常迷惑防止条例違反に当たるような痴漢行為も、下着の中に手を入れて身体に触るなどの行為をした場合には強制わいせつ罪に当たる可能性もあります。

■主観的要件■

強制わいせつ罪は故意犯ですので、罪を犯す意思がなければなりません。
強制わいせつ罪の故意は、①13歳以上の者に対して、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をすること、または、②13歳未満の者に対して、わいせつな行為をすること、についての認識です。
被害者の年齢の認識については、①については、被害者が13歳以上であることの認識は不要とされますが、②については、13歳未満であることの認識が必要とされます。
そのため、13歳以上であると誤信して同意を得てわいせつな行為を行った場合は、事実の錯誤として故意を阻却し、犯罪は成立しません。

強制わいせつ事件で不起訴を目指す

刑事事件について捜査が終了したときに、被疑者を起訴するかどうかを決めるのは検察官です。
検察官は、裁判で有罪を立証するために十分な証拠が揃っていたとしても、犯行態様、犯行動機、犯行の結果などの犯罪自体に関する情状(これを「犯情」といいます。)、および、被疑者の年齢・性格・境遇、被疑者の反省の有無、被害弁償・示談の有無、前科前歴の有無などといった犯情以外の情状(「一般情状」といいます。)を考慮して、今回の事件については起訴しないとする決定をすることがあります。
強制わいせつ罪は、被害者等の告訴がなければ起訴することができない親告罪と呼ばれる犯罪ではないので、理論上、被害者との示談が成立したからといって検察官が起訴することはあります。
しかしながら、被害者との間で示談が成立しており、被害者の許しが得られている場合には、検察官が起訴猶予で不起訴とする可能性は高いでしょう。
そのため、強制わいせつ事件においては、早期に被害者と示談交渉を開始し、示談を成立させることによって不起訴で事件を終了させることを目指すことになります。

通常、示談交渉は弁護士を介して行います。
被害者との接触を防ぐために、捜査機関は被疑者やその家族に被害者の連絡先を教えることはありませんし、被害者の多くは被疑者らと直接連絡をとることを拒むため、被害者やその家族が直接被害者と示談交渉することは容易ではありません。
その点、弁護士であれば、捜査機関を通じて、弁護士限りでの話し合いという形で、被害者から連絡先を教えてもらえることが多く、示談交渉を円滑に行うことが期待できます。

示談が成立し、不起訴となれば、前科が付くことを回避することができます。
強制わいせつ事件でご家族が逮捕されて対応にお困りであれば、早期に刑事事件に精通する弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

住居侵入で逮捕

2021-07-19

住居侵入逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県瑞浪市の住宅に、正当な理由なく侵入したとして、岐阜県多治見警察署は、Aさんを住居侵入の容疑で逮捕しました。
「家に知らない人がいる。」との通報を受けた同警察署の警察官が現場に駆け付け、家内に居たところを現行犯逮捕したということです。
翌日、県外に住むAさんの両親のもとに警察から逮捕の連絡がいきました。
事件を知った両親はすぐに対応してくれる弁護士を探しています。
(フィクションです。)

住居侵入とは

刑法第130条 
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

この条文の前段は「住居侵入罪」について、後段は「不退去罪」について規定しています。

■客体■

住居侵入の客体は、「人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船」です。
「人の住居」について、「人の」とあるように、犯人自身がその住居において単独で、あるいは、他の者と共同で生活を営んでいるものではない住居を指します。
共同生活を営んでいた者であっても、それから離脱した場合には、当該住居は「人の」住居となります。
そのため、家出中の子供が父の家に強盗の目的で深夜に侵入する行為は、「人の住居」への侵入と言え、住居侵入罪を構成することになります。(最判昭23・11・25)
「住居」とは、人の起臥寝食に使用される場所のことをいいます。

また、「人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船」について、「人の看守する」というのは、人が事実上管理、支配していることを意味します。
「邸宅」は、人の住居の用に供せられる家屋に附属し、主として住居者の利用に供されるために区画された場所のことで、「建造物」とは、住居や邸宅以外の建造物およびこれに附属する囲繞地のことをいいます。
「艦船」は、軍艦その他の船舶のことです。

■行為■

住居侵入の実行行為は、「正当な理由なく侵入する」ことです。
ここでいう「侵入」とは、居住者や看守者の意思に反して立ち入ることをいいます。
「正当な理由がないのに」というのは、「違法に」という意味であり、正当な理由のある侵入とは、法令により捜索等のため居住者・看守者の意思に反して立ち入る場合のようなことを言うのであって、居住者等の意思に反した侵入を正当視するためには極めて強い理由があることが求められます。
他方、居住者等の同意がある場合は、住居侵入は成立しません。
ただ、同意があっても、それが錯誤に基づく場合には、住居侵入の成立を妨げるものとはなりません。
また、不特定多数の人が出入りするような施設については、通常予想される目的の立ち入りである限りは、居住者等の包括的同意があると考えられ、住居侵入における「侵入」には当たりません。

 

住居侵入で逮捕された場合

住居侵入逮捕された場合、その後に勾留される可能性は高いでしょう。
犯罪の性質上、被害者の居住地等を把握しているため、釈放すれば、被疑者が被害者と接触し、被害届の取下げや供述を変えるよう迫るおそれがあると判断されるからです。
また、住居侵入は手段として行われることが多く、目的が窃盗や性犯罪などであると疑われ、被疑者の身柄を確保して捜査を継続することが必要だと考えらてしまうことも勾留となる可能性が高い一因です。
住居侵入逮捕されると、逮捕後に引き続き勾留となる可能性は高く、そうなれば、逮捕から約13日、勾留の延長が認められれば最大で約23日もの間身柄が拘束されることになります。
身柄拘束の期間が長引けば長引くほど、被疑者が通常の生活に戻る時期は遅れ、懲戒解雇や退学といった不利益を被るおそれは高まります。
ですので、できる限り早期に釈放となるよう動く必要があるのですが、住居侵入事件においては、被害者との示談を成立させることで事件を穏便に解決し早期に釈放となることを目指します。
被害者との示談交渉は、弁護士を介して行うのが一般的です。
罪証隠滅のおそれから、捜査機関が被疑者やその家族に被疑者の連絡先を教えることはないですし、被害者も被疑者から直接連絡を受けることに対して抵抗する傾向にありますので、当事者間での交渉は事実上難しいのです。
そのため、弁護士限りで被害者と連絡をとり、示談交渉を行います。
弁護士は、被害者の気持ちに配慮した上で、冷静な話し合いを行い、示談のメリット・デメリットを伝え、当事者間で納得のいく内容での示談締結を目指します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
所属弁護士は、数多くの刑事事件・少年事件を取り扱ってきており、被害者との示談交渉にも豊富な経験を有しています。
ご家族が住居侵入逮捕されて対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

刑事事件に強い私選弁護人を選任

2021-07-15

私選弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県羽島郡笠松町の路上で、見知らぬ女性に対して痴漢をしたとして、会社員のAさんが岐阜県岐阜羽島警察署に逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、事件の詳しいことは分からず不安ですし、会社にも何日ほど休むことになるのかと心配です。
Aさんの妻は、すぐに身柄解放に動いてくれる弁護士を探すことにしました。
(フィクションです。)

弁護人の役割

すべての被疑者・被告人は、判決で有罪と認定されるまでは無罪と推定され、また適正な手続によらなければ刑罰に処せられないことは、刑事手続における大原則です。
被疑者・被告人の権利・利益を実質的に保障するために、弁護人選任権が定められています。
それは、被疑者・被告人は、刑罰権を行使する国家権力と比べると極めて弱い立場にあるため、彼らの権利・利益を保護する専門家が必要だからです。

弁護人は、その選任方法によって、2つに分類されます。

1.国選弁護人

貧困その他の事情により弁護人選任することができない場合に、国の費用で弁護料を支払い、弁護人を裁判所または裁判官が選任する制度を「国選弁護制度」といいます。
この制度により選任された弁護人を「国選弁護人」と呼びます。

(1)被疑者国選弁護制度

刑事事件の被疑者が、貧困等の理由で自ら弁護人選任することができない場合に、被疑者本人の請求または法律の規定により、裁判所、裁判長または裁判官が弁護人選任する制度が「被疑者国選弁護制度」です。

死刑または無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮にあたる事件で、勾留状が発せられ、かつ弁護人がいない場合において、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある被疑者について、必要と認めるときに、裁判官が職権で国選弁護人を付すことができます。

被疑者の請求のよる場合は、被疑者段階で弁護料を支払う資力のない被疑者に対して、国の費用で弁護料を支払い、弁護人を付す制度です。

国選弁護人のメリットは、なんといっても弁護料を国が負担してくれる点です。
ただ、国選弁護人の選任は、裁判所または裁判官が選任するため、被疑者・被告人やその家族が自由に選ぶことはできません。
そのため、選任された弁護人は通常民事事件を取り扱っており、刑事事件には不慣れであったりする場合や、被疑者・被告人と相性が合わない場合が生じる可能性があります。
また、国選弁護制度の利用は、勾留状が発せられていることが要件となっているため、勾留が付いた後でしか国選弁護人を選任することができません。
そのため、勾留が付く前に、勾留が付かないようにする活動を国選弁護人にお願いすることはできないのです。

(2)被告人国選弁護人

被告人国選弁護制度も、被疑者国選弁護制度と同様に、被告人の請求による場合と職権による場合とがあります。

職権による場合には、被告人が未成年者、70歳以上、耳が聞こえない、口がきけない、心神喪失・心身耗弱の疑いがある、その他必要と認めるときに裁判所は職権で国選弁護人を選任するものと、①法定刑が死刑または無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮にあたる事件、②公判前整理手続もしくは期日間調整手続に付された事件、③即決裁判手続による事件のような必要的弁護事件では、弁護人が在廷しなかったり、いないときには、裁判長は職権で国選弁護人を選任しなければならない場合とがあります。

被告人の請求による場合は、資力50万円を基準として、国が弁護料を負担して弁護人を付すものです。

2.私選弁護人

被疑者・被告人またはその家族などが依頼して選任する弁護人を「私選弁護人」といいます。
被疑者・被告人は、いつでも弁護人選任することができるため、私選弁護人であれば、勾留に付される前から選任することも可能です。
そのため、身体拘束される可能性が見込まれる場合には、私選弁護人は、逮捕される前に警察に働きかけて逮捕を回避したり、逮捕後には勾留が決定するまでに、検察官に勾留請求しないよう、また裁判官に対しては勾留を却下するよう求め、勾留を回避する活動を行うことができます。
また、被疑者・被告人らが自由に弁護人選任することができるため、刑事事件に強い弁護士や被告人・被疑者らと合う信頼できる弁護士を選ぶこともできます。

国選弁護人も私選弁護人も、被疑者・被告人の権利・利益を擁護する役割を担う点に違いはありません。
ただ、選任できるタイミングが違ったり、刑事事件に精通しているかどうかといった点で異なる場合もあります。
ご家族が刑事事件で逮捕されてしまい、対応にお困りの方、弁護人をお探しの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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まずはお気軽にお問い合わせください。

不同意堕胎で逮捕

2021-07-12

不同意堕胎罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
交際相手の女性に中絶薬を飲ませて流産させようとしたとして、岐阜県大垣警察署は、Aさんを不同意堕胎未遂の容疑で逮捕しました。
Aさんは容疑を認めており、被害女性から妊娠したことを聞いたが、責任と取りたくないと思い、ネットで外国製の中絶薬を購入し、その薬を被害女性に飲ませました。
逮捕の連絡を聞いたAさんの両親は、事件の詳細も分からず不安になり、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです。)

不同意堕胎罪とは

刑法第29章は、堕胎の罪について規定しており、「堕胎罪」(第212条)、「同意堕胎及び同致死傷」(第213条)、業務上堕胎及び同致死傷(第214条)、そして、「不同意堕胎」(第215条)、「不同意堕胎致死傷」(第216条)が定められています。

今回は、上の事例で問題となっている「不同意堕胎罪」について説明します。

第215条 
1 女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、6月以上7年以下の懲役に処する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。

不同意堕胎罪は、妊婦の嘱託や同意がなく行われた堕胎を処罰するもので、妊婦の意思に反して妊婦の身体を危険にさらした分、同意堕胎罪などの他の堕胎の罪よりも違法性が高い行為であることから、堕胎の罪の中でも最も重い法定刑が規定されています。

不同意堕胎罪の成立には、妊婦の依頼を受けずに、あるいは妊婦の承諾なしに、堕胎させることが必要となりますが、欺罔による錯誤に基づいて同意が得られた場合には、同委の有効性が争われます。
裁判例には、被告人の欺罔により、堕胎しなければ離別されるが、子供をおろせば必ず入籍してもらえると信じた妊婦がした堕胎の承諾は、任意かつ真摯に出たものではないとして、不同意堕胎罪の成立を認めた例があります。(仙台高判昭36・10・24)

条文は、「堕胎させた」という表現であり、妊婦に対して自ら堕胎措置を実施する場合を意味します。
「堕胎」とは、自然の分娩期に先立って人為的に胎児を母体から分離・排出することをいい、胎児が死亡したか否かは問いません。(大判明44・12・8)
また、母胎内で胎児を殺すことも「堕胎」に当たります。

不同意堕胎罪は、未遂も処罰されます。
そのため、堕胎行為に着手したけれども、堕胎させるに至らなかった場合や、堕胎行為と流産との因果関係が認められない場合には、不同意堕胎未遂罪が成立する可能性があります。

不同意堕胎罪は、法定刑も懲役刑のみと刑法犯の中でも重い罪と言えるでしょう。
母親の同意を得ないままに、胎児の命を奪う上に、母親の身体をも危険にさらす大変悪質な行為であり、初犯であっても、起訴される可能性は高いでしょう。
しかしながら、被害女性への謝罪・被害弁償、示談成立など、被告人に有利な事情を収集・提示するなどして、執行猶予付き判決が言い渡される可能性もあります。
実刑と執行猶予とでは、その後の被告人の生活も大きく変わってきますので、できる限り早期に弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。

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自転車のあおり運転で逮捕

2021-07-08

自転車あおり運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県郡上市内の片側2車線の市道を自転車で走行中、中央線をまたぐように繰り返し蛇行し、対向車線の乗用車の走行を妨げたとして、岐阜県郡上警察署は、市内に住むAさんを道路交通法違反の疑いで逮捕しました。
Aさんは、容疑を認めており、「車の運転者の驚く顔を見るのが楽しかった。」と供述しています。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、逮捕の知らせに驚くとともに、今後どうなるのか不安でならず、刑事事件に強い弁護士に相談しようとしています。
(フィクションです。)

自転車のあおり運転

令和2年6月10日に公布された道路交通法の一部を改正する法律により、妨害運転(いわゆる「あおり運転」に当たる行為)に対する罰則が創設されました。

道路交通法第117条の2の2第11号で妨害運転に対する罰則を設けており、法定刑は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
イ 第17条(通行区分)第4項の規定の違反となるような行為
ロ 第24条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為
ハ 第26条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為
ニ 第26条の2(進路の変更の禁止)第2項の規定の違反となるような行為
ホ 第28条(追越しの方法)第1項又は第4項の規定の違反となるような行為
ヘ 第52条(車両等の灯火)第2項の規定に違反する行為
ト 第54条(警音器の使用等)第2項の規定に違反する行為
チ 第70条(安全運転の義務)の規定に違反する行為
リ 第75条の4(最低速度)の規定の違反となるような行為
ヌ 第75条の8(停車及び駐車の禁止)第1項の規定の違反となるような行為

おあり運転に典型例である、極端な幅寄せや急な進路変更、不必要な継続的ハイビームやクラクションといった行為は、妨害運転の対象行為に当たります。
この罪の成立には、あおり運転によって相手方が事故を実際に起こしたことまで必要としておらず、行為者において、相手車両の通行を妨害する意図をもって、上の10類型のいずれかに該当する行為を、相手方に事故を起こすなどの危険を生じさせる可能性のある方法で行っていれば足ります。

妨害運転は、自動車だけでなく自転車によるものにも適用されます。
最近でも、自転車が急に反対車線に飛び出して対向車の通行を妨害した事件がニュースでも大きく取り沙汰されました。
自転車あおり運転も、一歩間違えれば、死亡事故にも発展しかねない非常に危険な行為です。

また、法律で飲酒運転が禁止されているのは周知のところですが、飲酒して自転車を運転する行為もまた飲酒運転に当たることを知っていらっしゃる方はそう多くないのではないでしょうか。

道路交通法第65条第1項は、「何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定しています。
「車両」は、自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスのことで、「軽車両」には自転車が含まれます。
つまり、酒気を帯びて(身体の中にアルコールを保有して)自転車を運転することは法律で禁止されているのです。
ただ、すべての自転車についての飲酒運転が処罰の対象かというと、そうではなく、酒気を帯びて自転車を運転した者であり、その運転をした場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)にあった場合には、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。
酒に酔った状態の判断は、呼気検査等の数値だけでなく、運転者の様子、例えば、呂律が回っていなかったり、まっすぐ歩くことができないといった点を検討して行われます。

自転車であっても、悪質なあおり運転に対しては厳しい処罰が科せられる可能性もありますので、あおり運転で検挙され対応にお困りであれば、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件も含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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交通事件:危険運転

2021-07-05

危険運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県加茂郡坂祝町で、乗用車とトラックが衝突し、乗用車の同乗者が死亡する事故が起きました。
ドライブレコーダーの映像から、乗用車が法定速度を大幅に超えて走行しており、反対車線に進入してトラックと正面衝突したことが分かりました。
岐阜県加茂警察署は、乗用車の運転手を自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで逮捕しました。
(フィクションです。)

危険運転致死傷罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)が、平成25年に成立し、翌年5月20日から施行されました。
自動車運転処罰法は、その名の通り、自動車の運転によって人を死傷させる行為等に対する刑罰を定めています。

自動車運転処罰法は、その第2条及び第3条において危険運転致死傷罪について規定しています。
ここでは、2条について概観します。

危険運転致死傷罪(2条)

次の8つの行為行ったことにより、人を負傷させた者は、15年以下の懲役に、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処することを規定しています。

①アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為。
「正常な運転が困難な状態」は、道路及び交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態にあることを意味します。
「困難な心身の状態」であることが必要なので、正常な運転ができないおそれ(可能性)がある状態とは異なり、泥酔状態で、前方の注視が困難になったり、ハンドルやブレーキ等の操作が思ったように行うことが現実に困難な状態にあることが必要となります。
そのため、故意についても、運転者において、正常な運転が困難であることの法定評価を認識していることまでは必要となりませんが、道路や交通の状態、自動車の性能等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態であることの認識が求められます。

②その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為。
「進行を制御することが困難な高速度」とは、速度が速すぎて、道路状況に応じて自動車の進行を制御し、進路に沿って進行することが困難となるような速度のことをいいます。
この罪が成立するためには、運転者において、進行を制御することが困難な高速度で走行していたという認識が必要となります。

③その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
「進行を制御する技能を有しない」とは、自動車を進路に沿って走行させるための基本的な操作を行う技量を欠くことを意味します。
進行を制御する技能を有しないとされるためには、運転免許を取得していないことが前提となりますが、免許を取得していな者=進行を制御する技能を有しないというわけではなく、事故の態様、事故前の運転状況、運転経験の有無、程度等を総合的に検討した上で、進行を制御する技能を有しないかどうかが判断されます。
運転者において、進行を制御する技能を有しないことの認識が必要となりますが、技能の未熟さを認識している事実、無免許であることや運転経験がほとんどないことの認識があれば足りるとされています。

④人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
この罪は目的犯であるため、運転者において特定の相手方に対する通行を妨害する目的が必要となります。
「重大な交通の危険を生じさせる速度」とは、相手方と衝突すれば大きな事故を生じさせると一般的に認められる速度、あるいはそのような大きな事故になることを回避することが困難であると一般的に認められる速度のことです。

⑤車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険を生じさせる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為
④は、加害車両が「著しく接近」したときに、「重大な交通の危険を生じさせる速度」で走行していることが要件となっていますが、⑤は、被害車両が「重大な交通の危険を生じさせる速度」で走行しているときは、通行妨害目的で、被害車両の前方で停止するなどして、被害車両に著しく接近することになるような方法で自動車を運転することを対象としています。

⑥高速自動車国道又は自動車専用道路において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車を運転することにより、走行中野自動車に停止又は徐行をさせる行為
この罪は、令和2年改正処罰法により新設されました。
高速自動車国道等における固有の危険性に着目して、高速自動車国道等においての適用が前提とされています。

⑦赤信号又はこれに相当する信号を殊更に無視、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
「殊更に無視」は、赤信号に従わない行為のうち、赤信号におよそ従う意思のないもので、赤信号であることを認識していること、止まろうと思えば止まれること、それでもあえて進行することがその要件とされています。

⑧通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
この罪が成立するには、他の危険運転致死傷罪と同様に、危険運転行為の故意があることが必要となります。
つまり、交通禁止道路を通行していること、そして、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転していることの認識です。

危険運転致死傷罪の成立には、上の8つの危険運転行為のうちいずれかと問題の事故との間に因果関係がなければなりません。

危険運転致死は、裁判員裁判対象事件であり、この罪で起訴されれば、通常の刑事裁判ではなく、裁判員と裁判官によって審理されることになります。
裁判員裁判では、通常の刑事裁判とは異なる手続がとられますので、裁判員裁判にも精通する弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

名誉棄損事件で弁護士に相談

2021-07-01

名誉棄損事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
相手方のブログに誹謗中傷する内容のコメントを100回以上書き込んだとして、岐阜県飛騨警察署は、Aさんを名誉棄損の容疑で岐阜地方検察庁高山支部に送致しました。
Aさんは、容疑を認めていますが、こんな大事になるとは思わず、今後どのようになるのか不安で仕方ありません。
警察から、「次は検察官から呼び出しがあります。」と言われ、慌てて刑事事件専門の弁護士相談することにしました。
(フィクションです。)

名誉棄損罪とは

名誉毀損罪は、刑法第230条に次のように規定されています。

1 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

■名誉毀損罪の構成要件■

名誉毀損罪という罪が成立するための原則的な要件は、
①公然と事実を摘示し、
②人の名誉を毀損した
ことです。

①公然と事実を摘示する

「公然と」とは、不特定または多数人が認識し得る状態のことを意味します。
不特定というのは、相手方が特殊な関係によって限定された者ではない場合をいい、多数人とは、数字によって何人以上と限定することはできませんが、単に数名では多数人とは言えず、相当の員数であることが必要とされます。
インターネット上の掲示板など、誰でも閲覧することができる場であれば、公然性が認められます。
判例は、摘示の相手方が特定少数人である場合でも、その者らを通じて不特定多数人へと伝播する場合は、公然性を認めています。(大判大正8・4・18)

事実の摘示について、摘示される事実は、人の社会的評価を害するに足りる事実でなければなりません。
人の社会的評価を害するか否かについては、相手方の有する名誉によって相対的に決まります。
また、摘示された事実は、公知の事実でもよいとされており、その事実が真実か否かは問題とはなりません。
「摘示」は、具体的に人の社会的評価を低下させるに足りる事実を告げる行為で、その方法・手段は問いません。

②人の名誉を毀損する

名誉棄損罪で保護される「名誉」は、外部的名誉、つまり、人についての事実上の社会的評価です。
名誉毀損罪は、人の社会的評価を低下させるべき事実を公然と摘示し、社会的評価を害するおそれのある状態を発生させれば、通常人の名誉は毀損されたと言え、既遂に達します。
そのため、実際に名誉が侵害されたことまでも必要とされません。

以上の要件に加えて、名誉棄損罪の成立には、故意、すなわち、他人の社会的評価を害し得る事実を不特定または多数人が認識し得る形で摘示していることについての認識がなければなりません。

名誉毀損罪は、真実である事実を摘示しても成立するため、言論の自由の保障との関係で問題が生じます。
個人の名誉の保護と表現の自由との調和を図るために、刑法第230条の2は、公共の利害に関する場合の特例を規定しています。
名誉棄損行為が、公共の利害に関する事実に係り、その目的が専ら公益を図ることにあったと認められる場合で、摘示した事実が真実であることの証明があったときは、免責を認めています。

名誉棄損事件で刑事事件化に

名誉棄損事件で被疑者となった場合、容疑を認めているのであれば、すぐにでも被害者への謝罪や被害弁償、示談交渉を行うことが重要です。
というのも、名誉棄損罪は、親告罪という罪で、訴追の要件として告訴を必要とする犯罪だからです。
告訴というのは、被害者等が、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示のことです。
よく似たものとして「被害届」がありますが、被害届はあくまで犯罪事実の申告にとどまるものであって、犯人の処罰を求めるという点で告訴とは異なります。
この告訴がなければ検察官は起訴することができませんので、被害者からの許しを得て、告訴の取下げをしてもらえれば、不起訴で事件を終了することができます。
被害者との示談交渉は、通常、弁護士を介して行います。
事件の当事者同士では感情的になり交渉がうまく進まないことも多いですし、被害者との接触を防ぐために捜査機関が加害者に直接被害者の連絡先を教えないため、当人同士での話し合いは難しいからです。
弁護士を介してであれば、被害者の連絡先を入手することができ、冷静な話し合いを行い、示談を成立させる可能性を高めることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
名誉棄損事件で対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年の無免許運転

2021-06-28

少年無免許運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
Aさん(17歳)は、深夜に友人数名と岐阜県多治見市の県道をバイクで走行していました。
すると、警ら中の岐阜県多治見警察署の警察官に停められ、免許証の提示を求められ、Aさんを含め全員が無免許運転であったことが発覚したため、全員逮捕となりました。
逮捕の連絡を受けたAさんの母親は、すぐに少年事件に弁護士をネットで検索し、相談の連絡を入れました。
(フィクションです。)

無免許運転について

公安委員会の運転免許を受けないで、自動車又は原動機付自転車を運転する行為を「無免許運転」といい、道路交通法第64条で禁止されています。
無免許運転は、今まで一度も運転免許をとったことがない者が自動車等を運転する場合だけでなく、免許が取消された後に運転する場合や、免許の停止中に運転する場合も含みます。
免許証を携帯せずに自動車等を運転した場合は、無免許運転ではなく「免許証不携帯」という反則行為となります。
反則行為は、道路交通法違反のうち、比較的軽微なもので、車両等の運転者がしたものをいいます。
反則行為をした者は、一定期日までに法律で定める反則金を納付することによりその行為について控訴を提起されず、または、反則行為をした者が少年である場合には、家庭裁判所の審判に付されません。
この制度を「交通反則通告制度」といいます。
免許証不携帯のような反則行為であれば、反則金を支払うことで事件が処理されます。

しかしながら、無免許運転については、交通反則通告制度の対象とはなりません。
つまり、無免許運転で警察に検挙された場合、刑事事件として、被疑者が少年であれば少年事件として手続に基づいて処理されることになります。

少年が無免許運転で検挙された場合

少年による無免許運転が捜査機関に発覚した場合、少年であっても、警察に逮捕される可能性はあります。
無免許が発覚したときに逮捕となる「現行犯逮捕」されるケースが多くなっています。
逮捕されると、逮捕から48時間以内に、警察は被疑者である少年の身柄を釈放するか、もしくは、証拠物や関係書類とともに少年の身柄を検察に送ります。
検察に送るとなれば、検察官が少年の身柄を受けてから24時間以内に、少年を釈放するか、もしくは、裁判官に対して勾留の請求をします。
勾留というのは、逮捕に引き続いて行う身体拘束のことですが、勾留の期間は、検察官が交流を請求した日から原則10日間です。
また、検察官が勾留の延長を請求し、裁判官がこれを認めれば、勾留の期間は、最大で20日となります。
ただし、少年の場合には、検察官は、勾留に代わる観護措置を請求することができます。
勾留に代わる観護措置は、少年を少年鑑別所に収容するもので、期間は10日間で延長は認められません。
単純な無免許運転であれば逮捕後に釈放となる場合もありますが、暴走族などに所属していたり、共犯がいたりする場合には、勾留となる可能性もあります。

捜査機関による捜査が終了し、犯罪の嫌疑が認められる場合や、嫌疑が認められない場合でも、家庭裁判所の少年審判に付すべき理由がある場合には、検察官は家庭裁判所に事件を送ります。
そして、事件が家庭裁判所に係属し、家庭裁判所による調査、審判を経て、少年に最終的な処分が言い渡されます。
家庭裁判所に事件が係属している間、家庭裁判所はいつでも観護措置をとることができます。
観護措置は、調査や審判を行うために必要がある場合に、少年を少年鑑別所に収容する措置です。
観護措置がとられると、原則として2週間、必要があるときは4週間、少年鑑別所に収容されます。
審判では、非行事実と要保護性が審理され、少年の更生に適した処分が決定します。
成人の刑事事件とは異なり、少年の場合には、少年の更生が重視されるため、犯した罪の重さをストレートに反映した処分が科されるではありません。
事件内容が、単純な無免許運転で、事故も起こしていない場合で、かつ、少年が反省していると判断されれば、不処分や保護観察といった処分で終わる可能性があります。
一方、事故を起こしていなくとも、無免許運転を繰り返していたり、暴走行為を行っている、少年の反省が見られず暴走族のような集団からの離脱もみられない場合には、少年院送致といった処分となることもあります。

少年事件は、成人の刑事事件とは異なる手続がとれらるため、少年事件でお困りであれば、少年事件に精通する弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

詐欺事件で逮捕

2021-06-24

詐欺事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県垂井警察署は、知り合いの女性に対して虚偽の投資話を持ち掛け金銭を騙し取ったとして、詐欺の疑いで会社員のAさんを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、今後どのような流れになるのか、どういった処分が科されるのか不安で仕方ありません。
(フィクションです。)

詐欺罪

詐欺の類型は多様で、無銭飲食や釣銭詐欺といった単純なものから、特殊詐欺のような組織的に行われるものまであります。

詐欺罪は、刑法第246条に次のように規定されています。

1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

財物詐欺(1項詐欺)

同条1項は、「人を欺いて財物を交付させ」る罪です。

【客体】
財物詐欺の客体である財物は、「他人の占有する他人の財物」です。
この財物には、動産のみならず不動産も含まれます。

【行為】
財物詐欺の行為は、「人を欺いて財物を交付させる」ことです。
これは、①欺く行為として、②それに基づいて相手方が錯誤に陥り、③その錯誤によって相手方が処分行為をし、④それによって財物の占有が移転し、⑤財産的損害が生じることが必要となります。
これら①から⑤が客観的に相当因果関係になければなりません。

①欺く行為
「欺く」とは、一般人をして財物を処分させるような錯誤に陥らせることをいいます。
つまり、相手方を騙すことを言うことです。
人を欺くものでなければなりませんので、機関に対して虚偽情報を入力した場合は、詐欺罪の欺く行為には当たりません。

②錯誤
錯誤とは、財産的処分行為をするように動機付けられることをいい、要するに、騙されて嘘を本当のことだと信じることです。

③処分行為
条文上の「財物を交付させ」るとは、相手方の錯誤に基づく財産的処分行為により財物の占有を取得することをいいます。
処分行為と言えるためには、財産処分の意思と財産を処分する事実とがなければなりません。
その点、処分する意思を全く有しない幼児や高度の精神病者などには、財産的処分行為は認められないため、これらの者を欺いてその財物を奪う行為は詐欺罪ではなく窃盗罪となります。

④財物の移転
財物の移転とは、相手方の財産的処分行為の結果として、行為者側に財物の占有が移ることをいいます。

利益詐欺(2項詐欺)

同条2項は、「人を欺いて財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させ」る罪です。

【客体】
1項との違いは、犯罪の対象が「財産上不法の利益」です。
これは、不法に財産上の利益を得ることで、利益自体が不法なものであることを求めるものではありません。
「財産上不法の利益」とは、財物以外の財産的利益すべてを指し、債券や担保権の取得、労役・サービスを提供させることの他、債務免除や支払猶予なども含みます。

【行為】
利益詐欺の行為は、「人を欺いて財産上不法な利益を得、又は他人にこれを得させ」ることです。
これは、欺く行為に基づく錯誤の結果、行われた財産的処分行為によって行為者または一定の第三者が、不法に財産上の利益を取得することです。

いずれの詐欺も、主観的要素である故意と不法領得の意思がなければなりません。
不法領得の意思とは、権利者を排除し、他人の物を自己の所有物を同様にその経済的用法に従い、これを利用し又は処分する意思のことで、条文には明記されていませんが、判例上認められた要件となっています。

詐欺事件で逮捕されたら

詐欺事件の被疑者として逮捕された場合、その後に勾留される可能性は高いと言えるでしょう。
詐欺事件では、当事者の認識が立証には重要となるため、釈放すれば被害者と接触し供述を変えるよう迫るおそれがあるなどとして、罪証隠滅のおそれがあると認められる傾向にあるからです。
特殊詐欺事件や他の組織的な詐欺事件でない場合は、早期に被害者への被害弁償や示談を成立させることによって、不起訴で事件を終了させ、被疑者が釈放される可能性があります。
そのため、被疑者が容疑を認めている場合には、弁護人は、早い段階から、被害者との示談交渉を開始することが求められます。

ご家族が詐欺事件で逮捕された場合には、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。
逮捕された方への取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉など、刑事事件を熟知した弁護士は迅速に事件対応を行います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件を起こして対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずはお気軽にお問い合わせください。

虞犯少年で家庭裁判所送致

2021-06-21

虞犯少年家庭裁判所送致となるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県岐阜中警察署は、岐阜県岐阜市の繁華街で深夜にたむろしていたAさん(16歳)を補導しました。
Aさんは、高校に進学したものの登校しておらず、家出をして知人宅を転々としていました。
遊ぶ金欲しさから援助交際を繰り返しており、補導された日に一緒に居た少年らが大麻所持で検挙されていたことから、Aさんは虞犯少年として岐阜家庭裁判所送致されることになりました。
Aさんの両親は、今後どのように対応すればよいか分からず、少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

虞犯少年とは

家庭裁判所が処理する少年保護事件の対象は、審判の時に20歳未満であり、「非行のある少年」です。
この「非行のある少年」は、「犯罪少年」、「触法少年」、及び、「虞犯少年」の3種類に分類されます。
「犯罪少年」とは、罪を犯した少年のことをいいます。
「触法少年」とは、刑罰の定めのある法令に触れる行為をしたが、行為時に14歳未満であるため、刑事責任には問えず、「罪を犯した」ことにはならない少年のことです。
そして、「虞犯少年」は、保護者の正当な監督に服しない、正当な理由がないのに家庭に寄りつかない、いかがわしい場所に出入りする、といった一定の事由(これを「虞犯事由」といいます。)があり、その性格や環境からみて将来罪を犯すおそれのある少年のことをです。

家庭裁判所は、犯罪少年だけではなく、触法少年や虞犯少年も少年保護事件の対象しています。
それは、少年審判の目的が、罪を犯した者を非難し処罰することではなく、非行性を取り除き、将来の犯罪を防ぐことになるからです。

では、虞犯少年についてもう少し詳しく説明します。

虞犯少年は、少年法第3条1項3号イないしニに定められている一定の事由(「虞犯事由」)があって、かつ、少年の性格や環境に照らして、将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれがある少年です。
虞犯事由は、次の4つです。
①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
②正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと。
③犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること。
④自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

虞犯は、成人であれば、犯罪には至っていないため処罰の対象にはなりません。
しかしながら、少年法の趣旨が、犯罪行為にまで至ってはいないけれども、不良な行為をしている少年を早期に発見して適切な保護を加えることにより、少年の健全な育成を図るとともに、犯罪の発生を未然に防止しようとすることからも、犯罪ではない行為であっても家庭裁判所の審判に付する行為としています。

虞犯少年として家庭裁判所送致されると、犯罪少年の場合と同様に、調査官による調査を経て、審判を開き、裁判官から少年に対する処分が言い渡されます。
家庭裁判所送致された後は、観護措置がとられる可能性があります。
「観護措置」とは、家庭裁判所が調査や審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことです。
観護措置が取られると、通常、少年は少年鑑別所に収容されます。
観護措置の期間は、法律上は2週間、更新の必要がある場合1回に限り更新されるとありますが、実務上はほとんどの事件で更新がなされており、通常は4週間として運用されています。
虞犯少年の場合、一定の要件を満たした要保護性が高い少年であるため、家庭裁判所送致された後に、観護措置がとられる率も高くなっています。
また、処分についても、犯罪少年と同様に、家庭裁判所は少年に対して少年院送致を含めた保護処分を科すこともできるため、犯罪行為を行っていないからといって処分が軽くなるとは限りません。
そのため、虞犯少年についても、早い段階から要保護性を解消するために十分な活動を行っていく必要があります。

要保護性とは、少年審判の審理の対象のひとつとされており、少年に対する処分を考える上で重要な要素です。
要保護性は、次の3つの要素で構成されていると考えられています。
①犯罪的危険性
少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性のことです。
②矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を取り除くことができる可能性のことです。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であることです。
これらの要素から成る要保護性が高いと判断されれば、犯罪行為は行っていなくても少年院送致といった重い処分が決定されることもあります。
ですので、要保護性の解消に向けて、少年の内省を深めたり、周囲の環境を整えることが非常に重要となります。

少年の要保護性の解消に向けた活動は、少年、保護者、学校・職場の関係者、裁判所などと協力しつつ行う必要があります。
そのような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が虞犯少年として家庭裁判所送致されて対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

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