DV事件で逮捕されたら

DV事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県関市のマンションで交際相手のVさんと半同棲生活を送っていたAさんですが、生活費のことで喧嘩をすることが増えていました。
ある日、また生活費のことで口論になり、VさんがAさんに向かって部屋にあった物を投げつけてきたため、カッとなったAさんは拳で数回Vさんの身体を殴りました。
Aさんは、そのまま部屋を出てました。
しばらくしてAさんがマンションに戻ると、岐阜県関警察署の警察官が部屋に来ており、Aさんは、Vさんへの傷害容疑で逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、事件の詳細が分からず心配になり、刑事事件に強い弁護士に相談の連絡を入れました。
(フィクションです)

DVで刑事事件に

ドメスティック・バイオレンス(以下、DVといいます。)は、家庭内での暴力を意味し、夫婦間の暴力行為、子供や高齢者に対する虐待など家庭内での様々な暴力行為が含まれます。
ここでは、夫婦間や交際相手間での暴力行為に焦点を当てて説明します。

DVには、様々な形態の暴力があり、身体的暴力から、精神的暴力、性的暴力、経済的暴力などがあります。
DVに関連する法律として、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(以下、DV防止法といいます。)があります。
DV防止法は、家庭内の暴力行為全般を対象とするものではなく、夫婦間の暴力行為に限定されています。
夫婦間の暴力とは、配偶者からの身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動に加え、これらの行為後に離婚したにもかかわらず、引き続きなされる元配偶者による同様の行為をいいます。
ここでいう配偶者には、婚姻届を提出した法律上の配偶者に限られず、事実上婚姻関係と同様にある内縁関係も含まれます。
このように、DV防止法は、法律上の婚姻関係又は内縁関係にある夫婦間の暴力行為、あるいは、それらの関係が解消されたあとになされる元夫婦間の暴力行為を対象としています。
DV防止法は、保護命令に違反した者に対する罰則は設けているものの、DV行為について罰則を科すものではありません。

そのため、DVの内容によって、暴行罪、傷害罪、強要罪、強制わいせつ罪、強制性交等罪、ストーカー規制法違反などといった犯罪が成立する可能性はあり、刑事事件として処置される場合があります。

DV事件で逮捕されたら

DVを受けた側からの相談を受けて、警察が捜査を開始するケースが多く見受けられます。
被害者からの被害届を受理した警察は、捜査を始めます。
DV事件においては、被害者と加害者の関係性から、加害者が被害者に接触し、被害届の取下げを要求したり、証言を変えるよう強要するおそれがあると認められる傾向があり、警察が被疑者を逮捕する可能性は高いでしょう。
また、同様の理由から、逮捕に引き続き勾留に付される可能性も高くなっています。
つまり、DV事件での身体拘束の可能性は、一般的に高いのです。

しかし、勾留となれば、逮捕から約13日もの間留置施設での身体拘束を強いられることになり、勾留延長が認められれば最大で23日間となります。
その間は、職場や学校に行くことはできませんので、事件が職場や学校に知られ、懲戒解雇や退学となるおそれが生じます。
そのような事態を回避するためにも、一刻も早く釈放されることが望まれますが、先述のように、一般的にはDV事件は身体拘束の可能性が高いため、何もせずに釈放されることは稀です。

それでは、早期に釈放されるためにはどのように対応すればよいのでしょうか。

DV事件のように被害者がいる事件では、被害者との示談を成立させることが、事件の早期解決、そして早期釈放に大きく影響する重要なポイントとなります。
ここで注意しなければならないのが、被害者との示談交渉です。
加害者が逮捕・勾留されている状態では、加害者本人が交渉することは事実上不可能です。
また、加害者が身体拘束を受けていない場合であっても、加害者が直接被害者と示談交渉する、もしくは加害者の家族が被害者と交渉することはお勧めできません。
当事者同士や家族との交渉は、感情論的になりやすくうまくまとまらないことが多いからです。
被害者との示談交渉は、弁護士に任せるのが一般的となっています。
弁護士は、事件の性質、被害状況や被害者の感情を考慮しつつ、示談をすることのメリット・デメリットを丁寧に説明し、適切な示談金額を設定した上で、当事者間で納得のいく内容での示談成立を目指します。

被害者との示談が成立すれば、不起訴処分となる可能性を高めることにもなり、事件終了となれば即釈放となるでしょう。

このような示談交渉は、刑事事件に強い弁護士、示談交渉に豊富な経験を有する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件を起こしてお困りの方は、今すぐ弊所の刑事事件専門弁護士にご相談ください。

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