岐阜県養老町で起きた過失運転致傷事件
今回は、岐阜県で起きた過失運転致傷事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
28日夕方、岐阜県養老町で横断歩道を歩いて渡っていた高齢の女性が乗用車にはねられ、意識不明の重体となっています。
28日午後6時ごろ、養老町押越の県道で横断歩道を歩いて渡っていた町内の無職の女性(89)が乗用車にはねられました。女性は病院に運ばれましたが、頭から出血していて意識不明の重体です。
警察は、乗用車を運転していた近くに住む会社員の女(55)を、過失運転傷害の疑いで現行犯逮捕しました。調べに対し「間違いありません」と容疑を認めているということです。
現場は片側1車線の直線で、横断歩道に信号はありませんでした。警察が事故の原因を調べています。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/07d25d1506556ba923bd98dbf9674c9f9d0d4893 10月28日 ぎふチャンDIGITAL 「横断歩道で89歳女性はねられ重体 岐阜県養老町」より引用)
~過失運転致傷事件について解説~
自動車を運転中、歩行者の見落としや、ハンドル、ペダル操作の誤りによって人身事故を起こし、被害者に傷害を負わせてしまった場合には、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
過失運転致傷事件の法定刑は、「七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金」となっています。
なお、被害者の傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができるとされております(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)。
~過失運転致傷事件の一般的な経過~
被害者の傷害が軽微な過失運転致傷事件については、被害者に対し十分な損害賠償、謝罪を行い、示談が成立すれば、不起訴処分を得られる可能性が高いです。
起訴された場合であっても、書面のみにより審理を行う略式手続により罰金刑を言い渡され終了することが多いように思われます。
しかし、ケースの被害者は頭部から出血するなど、意識不明の重体であり、不起訴処分や略式手続による事件解決は難しいかもしれません。
被害者が重体である場合や、死亡した場合(過失運転致死罪に罪名が変わります)には、「公判請求」という形式で起訴される可能性を考慮しなければなりません。
公判請求の形式で起訴されると、公開の法廷で審理を受けることになります。
また、検察官においても、禁錮刑など、罰金刑より重い刑を求刑することが前提となっています(注1)
(注1)罰金刑相当とみられている場合は、検察官から略式手続を打診されることが通常です。略式手続に同意できない場合は、公判で争うこともできます
いずれにしても、被害者との対応、公判請求をされた場合の対応など、被疑者ひとりでは対応困難な局面が多数予想されます。
特に、ケースのように被疑者が逮捕されてしまっている場合、留置場、拘置所の中で、一人で自身の弁護活動を行うのは事実上不可能です。
まずは過失運転致傷事件に熟練した弁護士の接見を受け、弁護活動についてアドバイスを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が過失運転致傷の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。