【否認事件】大垣市で窃盗の疑いで逮捕
大垣市で窃盗の疑いで逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事案
公園で8歳児のリュックサックを盗んだとして、岐阜県警大垣署は、窃盗の疑いで、男を逮捕した。
逮捕容疑は某日午後2時40分〜同3時10分ごろの間、大垣市内の公園で、市内に住む男児の携帯電話と水筒が入ったリュックサック(計7千円相当)を盗んだ疑い。
署によると、男児が公園で遊んでいる間に置いてあったリュックサックがなくなったことに気付き、母親が署に通報した。
男は容疑を否認している。
(岐阜新聞「公園で8歳のリュックサック盗んだ疑い 岐阜・大垣署逮捕、容疑は否認」(2023/10/13)を引用・参照。)
~窃盗と遺失物等横領~
(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(遺失物等横領)
第254条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。
刑法上、財産犯(財産を侵害する犯罪)の中でも領得罪(相手のものを自分のものにしようとする犯罪)は、当該財産の占有の移転を伴わないもの(非移転罪・横領罪)と、それを伴うもの(移転罪・奪取罪)に分かれて規定されています。
窃盗罪(235条)は後者の占有移転罪であるから、これを伴わない(遺失物等)横領罪(第38章参照)とは、被害者に占有があるか否かによってその成否が区別されることになります。
本事案では、事実関係の詳細が必ずしも明らかではありませんが、被疑者である男が被害品を盗もうとした時点において、被害品たる公園に置いてあったリュックサックに被害者である男児(あるいはその母親)の占有が認められる場合には、法定刑の重い窃盗罪が成立する余地があります。
判例・実務上、占有の有無は財物に対する事実的支配が及んでいるか否かによって判断されますが、事実認定上その判断には専門的知識が不可欠であり、刑事弁護士によるアドバイスを仰ぐ必要があると言えるでしょう。
~否認事件における弁護活動~
本事案では、逮捕された被疑者は容疑を否認しています。
否認事件の弁護活動においては、特に冤罪の可能性というものを念頭に置いておかなけれなりません。
冤罪というと無罪という裁判段階(起訴後段階)を思い浮かべがちですが、罪がないのに疑われること自体も冤罪に含むと考えれば、不起訴処分(その中でも「罪とならず」「嫌疑なし」によるもの)による雪冤もありうることになります。
そして、無罪判決の割合がわずか0.1パーセントとも言われていることからすれば、捜査段階(起訴前段階)における上記不起訴処分は、被疑者の物理的・精神的負担の軽減という観点からも積極的に目指していくべき獲得目標と位置付けることができます。
もっとも留意すべきなのが、上記不起訴処分の獲得もまた容易ではないのであり、事件内容を精査するとともに弁護士と被疑者・依頼者とが十分なコミュニーケーションを取ることが重要と言えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件を含む刑事事件のみを専門的に取り扱っている弁護士の所属する法律事務所です。
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