放火罪

1 放火の罪の種類

放火の罪は、何を燃やしたのかによってその適用される法律が変わり刑の重さも大きく変わってきます。

燃やした物が建物かどうか、建物であれば人が住んでいたり使っていたりする建物であったかどうか、人が住んでいなかった場合には自分の建物なのかどうか、という点で適用される法令が変わります。

人が住んだり使ったりしている建物…現住建造物等放火罪:死刑又は無期若しくは5年以上の懲役

人が住んでいない他人の建物…非現住建造物等放火罪:2年以上の懲役

人が住んでいない自分の建物…非現住自己所有建造物等放火罪:6月以上7年以下の懲役

建物以外の他人の物…建造物等以外放火罪:1年以上10年以下の懲役

建物以外の自分の物…自己所有建造物等以外放火罪:1年以下の懲役 又は10万円以下の罰金

※このうち、現住建造物等放火罪については裁判員裁判の対象事件となっています。

 
ここでいう「建造物」には、建物から取り外せるようなものであっても、取り外すのにとても手間のかかる物(たとえばビルの中のエレベーター)や、建物にとって重要な物(例えば玄関ドア等)も「建造物」に含まれるとされています。

放火の罪では、対象となる物に火をつけようとする行為から始まり、「焼損」した場合に罪になると定められています。

火をつけようとする行為は、具体的には、ガソリンをまく行為や、火をつけるための発火装置に点火する行為をいいます。これらの行為をした時点で犯罪に着手したことになり、実際に物が燃えていなくても放火の罪の「未遂」として刑が成立します。

この「焼損」とは、平たく言うと、火が燃え移っていることをいいます。ですので、高温になって煙が立ち上がっているというだけでは未遂罪に留まります。
  
また、放火罪に似た罪として、失火罪があります。「失火」とは文字通り不注意によって物を燃やしてしまうことを言います。典型的なものとしてはコタツの火の切り忘れなどがあります。失火により燃やしてしまった場合、罪になる物が限られていますし、
刑も罰金刑しかなく、故意を持ってした放火の罪よりもとても軽い罪になっています。

しかし、これは刑事罰が軽いということに留まり、民事上の責任は残ります。火事で家を全焼させてしまった場合、場合によっては億単位の損害賠償請求を受けることになります。

放火について特別重い刑が定められているのも、火事が個人のみならず、近隣社会に対して高度の危険をもたらすものであるからだと考えられます。また、世間的にも耳目を集めやすい犯罪です。

放火の罪についてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談ください。岐阜県の刑事事件・少年事件を専門的に取り扱う弁護士が事件の見通しをもとに、最善の弁護を行います。

 

2 放火の罪の弁護活動

放火の罪を認める場合も、家を燃やされた被害者がいますので示談が弁護活動として挙げられますが、上記のとおり損害が膨大な額になる事もありますので、示談することが現実に難しい場合があります。また、放火の罪について、特に建物に対する放火の場合、罪を認めている場合でも結果が重大となるため、起訴される見込みが高くなってしまいます。

そのため、どうして放火をしてしまったのかをきちんと反省して、二度と同じ罪を犯さないことを裁判官もしくは裁判員に対してもしっかりと説得しなければなりません。

放火はストレスがたまった結果行ってしまう場合も多く、火をつけることについて強い執着心を持ってしまう方もいます。また、犯行自体は簡単にできてしまう一方証拠も燃えてしまい犯罪が発覚しにくい犯罪です。

そのため、警察に捕まるまでに何度も放火を繰り返してしまうこともあります。その場合、放火をしたことに対して刑を科すのみではなく、心理カウンセラーなどの専門家と面談して放火する根本的な原因を解消しなければなりません。起訴されて裁判が始まる前であっても、医療機関で専門的な検査を受ける鑑定留置の手続きを求めることも必要になり得ます。

放火の罪についてお困りの方、ご家族の放火の罪でお困りの方も弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。岐阜県の刑事事件・少年事件を専門的に取り扱う弁護士が弁護活動を行います。刑事手続きではなく、医療につなげるべき事案についても適切に対応いたします。

また、嫌疑の全部については認めず、一部を争う場合や、無罪を主張することもできます。物を燃やしてしまうつもりまではなかった場合、器物損壊罪の認識しかなかったことや、物が燃えたとしても周囲に危険を与えるような状況ではなかったことを主張します。犯人ではないとの主張をする場合は、無罪であることを証拠と共に主張立証していくことになります。

これらの場合には、取り調べの段階から適切に対応し、不利な自白調書を作成されないことが重要です。一部を否認している場合でも、警察官や検察官から、「本当は~だったのではないか」などと、誘導的な質問がなされる場合があります。このような取調べにきちんと答えられるように、弁護士のサポートを受けることが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ご依頼から最短即日で弁護士が接見に向かい、今後の見通しと取調べに関する助言を行う「初回接見」を実施しています。

 

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