淫行条例違反~年齢の認識~

淫行条例違反事件における年齢認識について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県垂井警察署は、高校1年生(15歳)の女子生徒と性交したとして、岐阜県青少年健全育成条例違反の疑いで、会社員のAさん(25歳)を逮捕しました。
Aさんと女子生徒は出会い系アプリを通じて知り合いました。
Aさんは、「相手が18歳未満だとは知らなかった。」と年齢認識について否認しています。
(フィクションです。)

淫行条例違反とは

各都道府県では、18歳未満の者とのみだらな性交や性交類似行為を行うことを禁止する内容の条例が制定されています。
岐阜県においても、「岐阜県青少年健全育成条例」の第23条で、青少年(18歳未満の者)に対して、みだらな性行為・わいせつな行為をすることを禁止しており、それに違反した場合の罰則は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっています。
青少年とのみだらな性交等を禁止した条項を、淫行条例と呼びます。

ここで禁止されているのは、18歳未満の者に対する性行為一般ではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交等や、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交等です。
そのため、交際中の場合、少なくとも知り合って相当期間は性交等がない状況が続いた上、性交等に至った場合は、交友関係等の検討の上、みだらな性行為・わいせつな行為には当たらないと判断されることがあります。
逆に言えば、出会い系サイトやSNSで知り合い、初めて会ったその日に性交等をしたということであれば、みだらな性交等にあたり、淫行条例違反となる可能性があります。

年齢の認識

淫行条例違反は、故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ犯罪は成立しません。
淫行条例違反における故意は、青少年(18歳未満の者)とみだらな性行為又はわいせつな行為をすることの認識・認容です。

淫行条例違反事件において、よく主張されるのが、「18歳未満だとは知らなかった。」という相手方の年齢認識がないことの弁解です。
さきほども申し上げましたが、淫行条例違反は故意犯ですので、相手方を18歳未満の者だと知らなかった場合には、故意はなく犯罪は成立しません。
故意には、「この人は18歳未満に違いない。」という確信的故意に限るものではなく、「もしかしたら、この人は18歳未満かもしれない。だけど、まあいいか。」といった意思、これを「未必の故意」と言いますが、この場合も故意が認められることになります。
ですので、相手がはっきりと年齢を言わなかった場合でも、実際に会ったときの相手方の容姿や話し方、話の内容(どこどこの中学校・高校に通っている、といったような話をした場合)などから、18歳未満であること、もしくは18歳未満であるかもしれないと思っていたのであれば、故意が認められる可能性があるのです。

淫行条例違反で故意を否認するのであれば、一般人をして相手方が18歳以上だと信じるであろう事情があったこと、例えば、相手から提示された身分証明書の生年月日が偽造されていたため18歳以上だと信じていた場合など、について客観的な証拠に基づいて主張していく必要があるでしょう。

容疑を認める場合には、被害者、実際の交渉相手は被害者の保護者となりますが、示談交渉を行い、示談を成立させることが事件解決のキーとなります。
一方、容疑を争う場合には、自己に不利な供述がとられないよう取調べに対応し、自己に有利な主張を支える証拠を収集する必要があるでしょう。
そのため、淫行条例違反事件で被疑者として捜査対象となった場合には、弁護士に相談し、きちんと対応することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
淫行条例違反事件で対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー