(事例紹介)岐阜県各務原市内の被害者宅に窃盗の目的で侵入したものの、窃盗目的を遂げられずに逃げた男性が逮捕
岐阜県各務原市内の被害者宅に窃盗の目的で侵入したものの、住人が帰宅したためその窃盗目的を遂げなかった男が逮捕された事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
事案
岐阜県各務原市内の女性(48歳)宅に窃盗の目的で侵入したものの、同女性が帰宅したためその目的を遂げなかった男性(45歳)を逮捕しました。
(岐阜県警「住居侵入、窃盗未遂で逮捕」(2023/12/22)を引用・参照。)
~住居侵入、窃盗未遂で逮捕~
(住居侵入等)
第130条 正当な理由がないのに、人の住居⋯⋯に侵入し⋯⋯た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(未遂罪)
第243条 第235条⋯⋯の罪の未遂は、罰する。
窃盗事件の中でも、住居侵入窃盗はよくあるケースとして侵入盗などとも呼ばれています。
住居侵入罪と窃盗罪は、刑法54条1項後段に規定されている牽連犯(「犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する」)として処理されることから、その処断刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります。
本事案では、窃盗罪は既遂に至っておらず未遂にとどまると判断されていますが、詳細な事実関係は不明なため、一般論として窃盗未遂がいつ成立するかについて少し考えてみましょう。
未遂に至るためには「犯罪の実行に着手」(刑法43条本文)したといえる行為がなけれがならず、窃盗罪の「実行に着手」したといえるためには結果が発生する現実的危険性が認められる行為が認められなければなりません。
例えば、侵入盗でも窃盗目的を持って家屋や部屋に侵入しただけでは上記危険は認められず、実際に物色行為に至っているとかその目前行為まで行っている場合に未遂に至る危険性が認められることが多いと考えられます。
本事案でも、加害者の「窃取」行為は、被害者に発見される前に物色行為かその直前行為まで至っていたと思われます。
〜刑事弁護士による弁護活動〜
私選弁護士の最大のメリットの一つが、逮捕段階(あるいはその前の段階)という刑事手続の早期段階から弁護活動が行えるということです。
被疑者にとって逮捕・勾留といった身体拘束は、肉体的にも精神的にも重大なダメージを生じ得る処分です。
したがって、弁護士としては何よりもまず被疑者のための身柄解放活動を行う必要があります。
身柄解放のために逮捕の違法性を争うことは法的に認められていませんから、弁護士としてはまず検察官による勾留請求(刑訴法205条1項等)を争うことになるでしょう。
この活動は、そもそも勾留の要件(刑訴法207条1項・60条1項)が満たされないと主張するものですから、これが満たされると主張する検察官の主張をいかに排斥できるかが弁護士の腕の見せ所になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、住居侵入・窃盗(未遂)事件を刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
住居侵入・窃盗(未遂)事件で逮捕された方のご家族等は、年末年始も24時間対応している弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。