(事例紹介)岐阜県関市でパトカーの中で暴れて器物損壊をした嫌疑で男性が逮捕されたという事例について検討

(事例紹介)岐阜県関市でパトカーの中で暴れて器物損壊をした嫌疑で男性が逮捕されたという事例について検討

破壊

岐阜県関市で器物損壊で男が逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が検討致します。

事案

岐阜県警関署は19日、器物損壊の疑いで、(男性Aさん)を逮捕した。
逮捕容疑は18日午前1時ごろ、関市内を走っていたパトカーの車内で、運転席側後部座席のドアや遮蔽(しゃへい)板を足で蹴り、破損させた疑い。
同署によると、同日午前0時45分ごろ、関市のパート女性方の窓ガラスを割った疑いで現行犯逮捕され、同署に連行されている最中だった。
同日釈放され、署は任意で捜査を続けていた。
(岐阜新聞「パトカー内で暴れドアや遮蔽板破損させた疑い、男逮捕 岐阜・関署」(2023/11/20)を引用・参照。)

~器物損壊と公務執行妨害~

(器物損壊等)
第261条 (前3条に規定するもののほか)他人の物を損壊し……た者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(親告罪)
第264条 ……第261条……の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
(公務執行妨害及び職務強要)
第95条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 (略)

まず本件の被疑者は、関市の女性方の窓ガラスを割ったという器物損壊(刑法261条)の疑いで現行犯逮捕(刑訴法213条)されています。
被疑者は、この現行犯逮捕の容疑では一旦釈放されていました(刑訴法203条1項)。
しかし、被疑者は上記容疑の連行中のパトカー内で運転席後部座席のドアなどを損壊させており、この行為にも器物損壊罪が成立します。
上記のように警察は一旦被疑者を釈放したものの、パトカー内の器物損壊の疑いで改めて被疑者を逮捕した(刑訴法199条1項)ことになります。
なお、このパトカー内の行為には公務執行妨害罪(刑法95条1項)も成立する余地があるとも考えられます。
警察官は公務員(刑法7条参照)であり、現行犯逮捕した被疑者を警察署に連行するという「職務を執行」していました。
そしてこの職務の執行「に対して」なされた「暴行」は、判例上職務が意図通りに行われるのを妨げる物理的有形力の行使であれば足りると考えられており、同罪が成立しうるともいえるでしょう。
もっとも、これらの行為は「1個の行為が2個以上の罪名に触……れるとき」として、科刑上は観念的競合(刑法54条1項前段)になるためあまり実益はないとも考えられるところです。

~器物損壊事件の弁護活動~

上記の刑法264条が示すとおり、器物損壊罪は告訴がなければ公訴(起訴)ができないいわゆる親告罪です。
したがって、被害者と示談を締結するなどして告訴を取り下げてもらえば、刑事処分を確実に避けることができます。
本件では、2つの器物損壊事件を起こしており、一方は国家機関である警察に対するものであることから示談を締結することは困難でしょう。
したがって、私人である被害者に対する器物損壊事件において、確実に刑事処分を避けることが重要になるものと考えられます。
そこで、刑事事件の被害者との折衝に長けた刑事専門の弁護士による弁護活動を受けるメリットがあるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
器物損壊事件で逮捕等された方やそのご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881:24時間対応)にお電話ください。

 

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