(事例紹介)岐阜市において強要未遂の疑いで18歳の男性が逮捕【少年事件】【否認事件】

(事例紹介)岐阜市において強要未遂の疑いで18歳の男性が逮捕【少年事件】【否認事件】

岐阜でひき逃げ・飲酒で逮捕されたら

岐阜市において強要未遂の疑いで18歳男が逮捕された事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

岐阜南署は、強要未遂の疑いで大学生の男(18)を逮捕した。
逮捕容疑は、岐阜市の飲食店駐車場で、乗用車に乗っていた同市の10代の女子専門学校生に「出てこい」などと言いながら、車の窓ガラスを殴るなどし、話し合いに応じるよう要求した疑い。
近くを通りがかった女性が「男性が車を蹴ったりしている」と110番した。
逮捕された男は容疑を否認している。
(岐阜新聞「元交際女性の車の窓ガラス殴り「出てこい」強要未遂疑いで18歳男逮捕 岐阜南署」(2022/8/5)を引用・参照。)

~強要罪とは~

(強要)
第223条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
2 (略)
3 前2項の罪の未遂は、罰する。

刑法223条1項は、暴行または脅迫を手段として、人の意思決定の自由および意思活動の自由を侵害する行為を罰する趣旨の規定です。
暴行または脅迫を手段に特定の行為を強制する犯罪として、刑法には他にも逮捕・監禁罪(220条)、強盗罪(236条)、恐喝罪(249条)等が定められています。
強要罪はこれらの罪に対して一般法的性質を有し、上記の犯罪が成立する場合には強要罪は成立せず、むしろこれらの罪が成立しない場合にも保護する必要性がある法益(法によって保護に値する利益)をすくう受け皿的な規定であると考えられています。
したがって、本件では上述のような犯罪は成立しないため、強要罪の成否が問題となるわけです。
本件では、乗用車の窓ガラスを叩くという「暴行」(本罪にいう暴行は身体に向けられていれば足りると解されています)を用いて、無理やり話し合いに応じるよう要求し、「これを遂げなかった」(43条本文)わけですから、強要未遂が成立すると考えられます。

~少年事件における刑事弁護活動~

本件では逮捕された被疑者は18歳であり、法律上も成年として扱われます(民法4条)。
今般改正された少年法(2022年施行済)においては、その立法過程において上記民法の規定との平仄を合わせ少年法の適用対象年齢の引き下げについての議論も行われました。
しかし、対象年齢の引き下げについての改正は見送られ、特定少年という新たなカテゴリーが設けられるにとどまりました(少年法62条以下)。
したがって、改正少年法下でも18歳以上20歳未満の成年は、原則として少年法が適用されることになります。
例えば、被疑者である少年を逮捕後に勾留するには「やむを得ない場合」(少年法43条3項、48条1項)でなければならない等、通常の刑事事件とは異なる要件が付加されています。
本件は被疑者である少年は容疑を否認しているいわゆる否認事件であることもあり、上記勾留を争うには少年事件固有の専門知識と経験者が不可欠となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強要(未遂)事件を含む少年事件・刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
強要(未遂)事件で逮捕等された方やそのご家族は、24時間いつでも繋がるフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。

 

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