名誉棄損事件で弁護士に相談

名誉棄損事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
相手方のブログに誹謗中傷する内容のコメントを100回以上書き込んだとして、岐阜県飛騨警察署は、Aさんを名誉棄損の容疑で岐阜地方検察庁高山支部に送致しました。
Aさんは、容疑を認めていますが、こんな大事になるとは思わず、今後どのようになるのか不安で仕方ありません。
警察から、「次は検察官から呼び出しがあります。」と言われ、慌てて刑事事件専門の弁護士相談することにしました。
(フィクションです。)

名誉棄損罪とは

名誉毀損罪は、刑法第230条に次のように規定されています。

1 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

■名誉毀損罪の構成要件■

名誉毀損罪という罪が成立するための原則的な要件は、
①公然と事実を摘示し、
②人の名誉を毀損した
ことです。

①公然と事実を摘示する

「公然と」とは、不特定または多数人が認識し得る状態のことを意味します。
不特定というのは、相手方が特殊な関係によって限定された者ではない場合をいい、多数人とは、数字によって何人以上と限定することはできませんが、単に数名では多数人とは言えず、相当の員数であることが必要とされます。
インターネット上の掲示板など、誰でも閲覧することができる場であれば、公然性が認められます。
判例は、摘示の相手方が特定少数人である場合でも、その者らを通じて不特定多数人へと伝播する場合は、公然性を認めています。(大判大正8・4・18)

事実の摘示について、摘示される事実は、人の社会的評価を害するに足りる事実でなければなりません。
人の社会的評価を害するか否かについては、相手方の有する名誉によって相対的に決まります。
また、摘示された事実は、公知の事実でもよいとされており、その事実が真実か否かは問題とはなりません。
「摘示」は、具体的に人の社会的評価を低下させるに足りる事実を告げる行為で、その方法・手段は問いません。

②人の名誉を毀損する

名誉棄損罪で保護される「名誉」は、外部的名誉、つまり、人についての事実上の社会的評価です。
名誉毀損罪は、人の社会的評価を低下させるべき事実を公然と摘示し、社会的評価を害するおそれのある状態を発生させれば、通常人の名誉は毀損されたと言え、既遂に達します。
そのため、実際に名誉が侵害されたことまでも必要とされません。

以上の要件に加えて、名誉棄損罪の成立には、故意、すなわち、他人の社会的評価を害し得る事実を不特定または多数人が認識し得る形で摘示していることについての認識がなければなりません。

名誉毀損罪は、真実である事実を摘示しても成立するため、言論の自由の保障との関係で問題が生じます。
個人の名誉の保護と表現の自由との調和を図るために、刑法第230条の2は、公共の利害に関する場合の特例を規定しています。
名誉棄損行為が、公共の利害に関する事実に係り、その目的が専ら公益を図ることにあったと認められる場合で、摘示した事実が真実であることの証明があったときは、免責を認めています。

名誉棄損事件で刑事事件化に

名誉棄損事件で被疑者となった場合、容疑を認めているのであれば、すぐにでも被害者への謝罪や被害弁償、示談交渉を行うことが重要です。
というのも、名誉棄損罪は、親告罪という罪で、訴追の要件として告訴を必要とする犯罪だからです。
告訴というのは、被害者等が、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示のことです。
よく似たものとして「被害届」がありますが、被害届はあくまで犯罪事実の申告にとどまるものであって、犯人の処罰を求めるという点で告訴とは異なります。
この告訴がなければ検察官は起訴することができませんので、被害者からの許しを得て、告訴の取下げをしてもらえれば、不起訴で事件を終了することができます。
被害者との示談交渉は、通常、弁護士を介して行います。
事件の当事者同士では感情的になり交渉がうまく進まないことも多いですし、被害者との接触を防ぐために捜査機関が加害者に直接被害者の連絡先を教えないため、当人同士での話し合いは難しいからです。
弁護士を介してであれば、被害者の連絡先を入手することができ、冷静な話し合いを行い、示談を成立させる可能性を高めることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
名誉棄損事件で対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
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