名誉毀損罪、侮辱罪

1 名誉毀損罪・侮辱罪とは

名誉毀損とは、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」ことをいい「その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」の刑が科せられます。

「公然と」とは、不特定、多数の人がいる状態のことをいいます。その場には人が少なくても多数の人にすぐに広まってしまうような場での発言(例えば記者会見の場など)も「公然と」の部分を満たします。

「名誉」とは、やや曖昧な文言になっていますが、刑法上の「名誉」とは、人に対する社会的な評価のことを言います。そのため、その人の真価や、プライドなどを傷つけたからと言って名誉毀損罪になるわけではありません。

「事実を指摘し」て「毀損」する、とは、ある程度具体的な事柄を述べて相手の社会的な評価を下げることを言います。例えば、「○○氏は、○年前に政治家から汚い金を受け取って現在の商売を営んでいる」などということを、人通りの多い駅前でビラを配りながら大声で叫ぶ、といった行為に名誉毀損罪が成立しえます。名誉毀損の行為が、他の人の経済上の信用を傷つけるものであった場合、信用毀損罪も成立することになります。

・・・本当のことを言っただけでも罪になるのか?

名誉毀損罪は、摘示した内容が本当であれ嘘であれ、罪であると規定しています。しかし、憲法21条で、私たち国民には「表現の自由」が保障されています。その内容として事実を広く周りに伝える、報道の自由も含まれています。報道は、内容次第では誰かの名誉を傷つけてしまうことにもなりますが、そのような報道が罪になってしまうとなると、報道、ないし表現活動はとても制限されてしまいます。

そのため、刑法は特別な規程を置いており真実の表現であれば名誉毀損罪にあたる行為であっても罰しないとしています(刑法230条の2)。

・・・本当のことだと思って言ったら実は違ったときはどうなるのか?

更に進んで、本当のことだと思って言ったら、実は真実ではなかった場合、上記の規定(刑法230条の2)では刑罰を免れないのでしょうか。

この点について、最近の判例では、インターネットで他人の名誉を傷つけてしまうような書き込みをしたとしても、「確実な資料、根拠」があって、それを見聞きして真実であると思ったことに「相当な理由」がある場合には罪にはならない、としています。

一方、侮辱とは「事実を摘示しなくても人を侮辱」することをいい、「拘留または科料」の刑が科されます。

※拘留とは30日以内の身体拘束を受ける刑で、科料は1万円以下の金銭支払いを言います。拘留は懲役の短いもの、科料は罰金の少額のもの、というイメージです。 

侮辱とは、軽蔑の意を表すことです。典型的なものだと、「あほ」「ばか」などと言うことです。

これらはいずれも告訴がなければ起訴されることがない、親告罪となっています。
  
名誉毀損罪は、犯罪として成立するかどうかという点において、憲法の表現の自由と関連して大きな理論の対立もあります。また、名誉毀損罪・侮辱罪とも親告罪であり、告訴されるとなると、刑事事件としてのみならず、民事事件としても当事者同士でもめごとが起きる、もしくは起きている可能性が高くあります。

名誉毀損罪・侮辱罪で告訴されてお悩みの岐阜県の方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談ください。

 

2 告訴された場合の刑事事件の流れ

被害者が告訴すると、警察官が事件について被害者から聞き取って調書を作成し、事件の記録を検察官に送ります。

告訴というのは、犯罪があったことと犯人を処罰してほしいということの表明ですので、告訴されたからと言って直ちに逮捕されるわけではありません。

警察が裏付け捜査などを行い、場合によっては告訴された本人を警察に呼んで取調べを行い、その上で逮捕する必要があると考えた場合には、逮捕される可能性が出てきます。

名誉毀損罪も侮辱罪も比較的軽い刑の定めになってはいますが、当事者同士、特に加害者が被害者に対して接触しようとしている場合や、証拠隠滅のおそれがあると見られた場合には逮捕されてしまいます。この逮捕から最大72時間の間は家族であっても面会することができません。逮捕されてしまった場合には直ぐに弁護士に連絡を取り次ぐよう、警察官に求めてください。

逮捕後、検察官に身柄が送られ、検察官が、更に最大20日間の身体拘束を行うかどうか判断します。そして、告訴された事件について起訴するかどうかを検察官が判断することになります。

起訴しなかった場合はその場で釈放されます。起訴することになったとしても、罰金刑の言い渡ししかない略式起訴か、正式な起訴をするかの判断がなされます。

事件の当初から弁護士が就くことによって、身体拘束期間が短いものになるように捜査機関に申し入れたり、不起訴もしくは略式起訴とするよう検察官に意見書を出したりすることができます。

 

3 名誉毀損罪・侮辱罪での弁護活動

名誉毀損罪・侮辱罪で告訴されてしまった場合、誹謗中傷を受けたと言う被害者が現実にいますので、その方と示談をするのが一番の弁護活動になります。示談交渉の中で告訴の取下げを得ることができれば、刑事事件を確実に回避できます。

名誉は人それぞれの考え方によって成り立っている部分もあり、思わぬ一言が相手をひどく傷つけていたり、怒らせてしまっていたりするため、相手が告訴という手段に訴え出ている場合もあります。言動が事実であればきちんと謝罪することによって、事件の解決の糸口が見つかることもあります。発言の意図を釈明したり、相手も悪かったなどの反論をしたりしてしまうと、余計に紛争が複雑になってしまう場合があります。

示談する場合には当事者同士でしてしまうのではなく、事件から一歩引いた立場にいる弁護士に間に入ってもらうことによって、感情的な対立を避けることができます。
  
また、相手から告訴されたと知ってあわててしまうかもしれませんが、名誉毀損罪が本当に成立しているかは、上記のとおり判断が難しい場合があります。自分の言い分と照らし合わせたうえで、本当に名誉毀損罪が成立するかどうか、一度刑事事件に強い弁護士に相談するのがよいでしょう。
  
ただ、一回目の名誉毀損罪であっても、実刑判決が言い渡されるリスクはあります。

特に、昨今の情報の拡散の速さを考えると、インターネット上でした書き込みによる名誉毀損罪などは、口頭での名誉毀損罪よりも刑が重くなってしまうことがあります。ネット上の記載が残っている限り被害が発生し続けていることになりますので、インターネット上の記録の対処も必要になります。

名誉毀損、侮辱で告訴されてしまってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談ください。岐阜県の刑事事件・少年事件を専門的に取り扱う弁護士が、納得のいく事件の終結を目指して弁護活動を行います。初回の相談は無料で実施しております。

 

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