1 無免許運転に対する罰則
無免許運転は、公安委員会から運転免許を受けないで自動車やバイクを運転することです。運転免許は持っているけれども、家に置き忘れてしまったという場合には免許不携帯となり、違った罰則となります。
無免許運転は、単に運転免許を取らないで運転した場合のみならず、免許停止中に運転した場合や免許を取り消されたのに運転を続けた場合、運転免許を更新せず有効期限が切れたのに運転をしていた場合なども無免許運転になります。
無免許運転をした場合、道路交通法違反となり3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。この罰金は、スピード違反で呼び止められた際などに渡される切符にあるような「反則金」とは異なり、裁判を経て科される刑になります。
違反点数はない? 交通違反の場合にもらう「違反点数」や、累積で点数がたまった場合の「免許取消し」などは行政手続きとなりますので、刑事事件として裁判所から言い渡される罰金や懲役刑とは別のものになります。ちなみに、無免許運転の場合の違反点数は25点が基本になります。事故を起こした場合には更に加点されることになります。 |
無免許運転については運転した本人も罰せられますが、無免許と知りつつ運転者に車やバイクを提供した場合にも同様に道路交通法違反の刑が定められています。
また、無免許運転をして人に怪我をさせてしまった場合、無免許運転過失致傷として6月以上の懲役が科されます。罰金刑がない分、重い罪になっています。
無免許運転に加えて、飲酒をしていたり運転に必要な技術を持っていなかったりした場合には、更に刑が重くなります。
無免許運転で事故をした場合には保険が使えない? 無免許運転で事故を起こし、相手に怪我をさせてしまった場合や相手の車を破損させてしまった場合でも、無免許運転者が加入していた自賠責や任意の対物・対人保険を使うことはできます。しかし、無免許運転者が怪我をした場合や自分の車の破損については保険を使えませんので、治療費や修理代は自己負担となります。 |
2 無免許運転の場合の刑事手続き
無免許運転が発覚してしまう場合としては、他の犯罪や交通違反と併せて発覚することが多くあります。
たとえばスピード違反や物損事故を起こしてしまい、警察から免許証の提示を求められて無免許が発覚してしまう場合や、同じ場面で警察に偽造した免許証を提示したり家族の名前を使って調書を作成したりしたが、後に発覚してしまった場合などがあります。
免許証の偽造は有印公文書偽造罪、他人の名前で調書を作る行為は私文書偽造罪になってしまいます。
無免許運転について発覚した段階で素直に認めていた場合はその場で帰されることもありますが、偽造した免許証の処分や、調書で名前を語った者と口裏合わせをしていたと疑われる場合には、無免許運転であっても逮捕されてしまうことがあります。また、無免許運転は繰り返し行われることが多く周囲にも危険を及ぼす交通違反ですので、常習性が認められる場合にも逮捕される可能性があります。
身体拘束期間が長期間に及ぶ可能性は高くありませんが、最大で23日間、拘束される可能性があります。
逮捕されてしまった場合には直ちに弁護士に連絡しましょう。逮捕されてしまった本人に代わって、家族が弁護士に依頼することもできます。弁護士が早い段階からついていることによって、刑が重たくなってしまうような不利な調書が作成されてしまうことを防ぎ、不当な身体拘束に対しては不服を申し立てることができます。
逮捕されてしまった場合には弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。岐阜県の刑事事件・少年事件に強い弁護士がご依頼から24時間以内に接見に赴きます。無免許運転を疑われているが、罪を軽くするためにも自分から出頭したいという場合にも、弁護士が付き添う同行サービスも行っております。
無免許運転については事故を起こしていなければ特に被害者のいる犯罪ではありませんので、示談をすることはできません。そのため、罪の自覚がある場合には、本人が十分に反省しなければなりません。無免許であるということは道路を安全に運転する資格を有していないということですので、周りの歩行者や車と重大な事故を引き起こしかねません。事故が起きていても不思議ではなかったということの認識が必要です。
反省の示し方としては反省文を作成したり、無免許のまま車を乗れないような環境を整えたりすること等があります。車の鍵を預かってもらう、仕事でも車を使わない部署へ移してもらうようにお願いする、あるいは車を処分してしまうというのも方法としてはあり得ます。
十分な反省をしていて執行猶予中でない場合、単純な無免許運転であれば罰金刑の身の言い渡しとなる略式起訴手続きがなされることもあります。略式起訴がなされると直ちに身柄が解放され、後に罰金を支払うことで事件が終了します。
何度も無免許運転をしている場合や、免許証・調書を偽造してしまったという場合でも執行猶予中であったり人身事故を起こしてしまったりした場合でなければ、執行猶予付きの判決を得る事も見込めます。実刑判決を受けて刑務所へ送られてしまうのを避けるためにも、本人の十分な反省と再犯防止に向けた措置が取られていることを、弁護士を通じて裁判所に説得していかなければなりません。
無免許運転でお困りの方は、岐阜県の刑事事件・少年事件に強い弁護士が在籍する、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。最善の事件解決がなされるよう、刑事事件に強い弁護士が尽力いたします。