裁判員裁判について

1 裁判員裁判の概説

裁判員裁判とは,特定の刑事裁判において,有権者から選ばれた裁判員が,裁判官と共に審理に参加する日本の司法・裁判制度です。

従前,裁判官により独占的に行われてきた刑事裁判の判決につき,一般市民の感覚を反映させることで,より適切な判決を導くことを主眼としています。

裁判員裁判の対象となる事件は,一定の重大な犯罪に限られています。

具体的には,殺人罪,強盗致死傷罪,傷害致死罪,不同意性交等致死傷罪(旧 強制性交等致死傷罪),不同意わいせつ致死傷罪(旧 強制わいせつ致死傷罪),保護責任者遺棄致死罪,危険運転致死罪,現住建造物等放火罪,身代金目的誘拐罪,営利目的の覚せい剤輸出入・製造などが裁判員裁判の対象となります。

なお,傷害致死罪や強姦致死傷罪については,裁判員裁判により,量刑上厳罰化されたといわれています。

 

2 裁判員裁判の特徴

裁判員裁判の対象となる事件の場合,公判前整理手続というものが公開の法廷での裁判に先立って行われることになります。

裁判員裁判は,裁判員を長時間拘束ことがあります。

そのため,事件の争点や証拠が膨大になると,裁判が長期間にわたり,裁判員にとって過度の負担となってしまいます。

そこで,公判前整理手続という非公開の手続で,事件の争点や証拠を必要最小限に絞り,裁判員が関わる公開での審理を効率的なものにする必要があるのです。

そして,公判前整理手続が終了し,公開の法廷での裁判が始まると,連日法廷が開かれて,集中的な審理が行われ,一般的な事件であれば,1週間程度で判決が出されることになります。

 

3 裁判員裁判における弁護人の役割の重要性

⑴ 公判前整理手続における弁護人の役割の重要性

公判前整理手続を経ない通常の事件の場合,弁護人には検察官に対して,検察官が有する被告人に有利な証拠を開示するよう請求する制度はありません。

あくまで検察官が任意に開示するよう交渉することしかできません。

しかし,公判前整理手続においては,弁護士に様々な証拠開示の制度が認められています。

そのため,証拠開示の制度を上手く活用して,被告人に有利な証拠を検察官に開示させることが重要です。

さらに,平成28年12月からは,検察官が保持している手持ち証拠(裁判で証拠として請求しなかったものを含む)につき,そのリストを開示させるという,証拠一覧表交付制度も導入されましたので,これまで五里霧中の中で請求していた証拠開示につき,弁護士がある程度の目星をつけて開示を求めることが可能になってきました。

また,検察官は,証明予定事実記載書面というものを提出し,公開の審理で何を証明する予定なのかということを明らかにします。

そこで,記載されている事実が不明確であり,そのままでは被告人にとって不利な認定をされてしまうおそれがある場合などには,それを明確にするように適切に求釈明する必要があります。

 

⑵ 裁判員裁判における弁護士の役割の重要性

裁判員裁判で無罪判決や減刑又は執行猶予付き判決を勝ち取るためには,通常の裁判(裁判官裁判)と違い,一般市民である裁判員を納得させる必要があります。

そのためには,通常の裁判(裁判官裁判)と違い,裁判員にも分かりやすい言葉と証拠で,裁判員を説得する弁護技術が必要になります。

裁判員を説得できれば,無罪判決や大幅な減刑の可能性も出てきます。

 

4 まとめ

裁判員裁判においては,通常の裁判(裁判官裁判)以上に弁護士の果たす役割が重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,岐阜県の刑事事件・少年事件専門の事務所として,刑事事件の経験が豊富な弁護士・スタッフが在籍しております。裁判員裁判対象事件も,弊所にご相談ください。

 

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