【傷害致死】少年事件について裁判例等をご紹介

【傷害致死】少年事件について裁判例等をご紹介

少年に関する傷害致死事件での裁判例等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事案~

岐阜市で路上生活者Vが襲われ死亡した事件で、傷害致死の罪に問われた元少年2人(ともに20歳)の裁判員裁判の判決が岐阜地裁であった。
地裁は、元少年らに懲役5年(求刑懲役8年)、懲役4年(求刑懲役6年)の判決をそれぞれ言い渡した。
事件をめぐっては、岐阜県警が発生の約1カ月後に被告人2人を含む3人を殺人容疑で、大学生だった2人を傷害致死容疑で逮捕した(5人はいずれも当時19歳)。
殺人容疑で逮捕された元少年(20)は傷害致死の非行内容で少年院送致され、岐阜地検は大学生2人を不起訴処分とした。

(朝日新聞「ホームレス襲撃死、元少年2人に実刑判決」(2021/3/25)」を引用・参照)。

~傷害致死と殺人の違い~

(殺人)
第199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
(傷害致死)
第205条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

殺人罪(刑法199条)も傷害致死罪(刑法205条)も、人の生命を奪う行為を罪として処罰することを定める規定です。
では、前者が「死刑」や「無期……懲役」も含む極めて重い犯罪であるのに対し、後者の法定刑が「3年以上の懲役」にとどまるのは何故でしょうか。
それは刑法が、責任がなければ犯罪にはならないという責任主義を採用し、わざとその法益侵害行為を行った者ほど責任が重く非難の程度は大きいと考えたことによります。
このことは明文上も、過失による法益侵害行為が例外的な処罰にとどまることとされていることからも明らかです(刑法38条1項ただし書参照)。
つまり、ある行為が殺人にあたるか(それとも傷害致死にとどまるか)は、該当する殺人「罪を犯す意思」(故意・38条1項本文)が認められるかどうかにかかっています。
しかし、人の内心は究極的にはその人にしか分からないものです。
したがって、刑法上の故意(本件であれば殺人の故意すなわち殺意)を認定するためには、客観的な証拠や事実からその存在を推認していくことになります。
実務上では、犯行の態様・危険性を検討した上で、それに対する認識の有無・程度を検討するという形で殺意の認定するという方法等が採られいると言われています。

~少年事件における弁護活動等~

本事案では、Vの死亡に関わったとして5人の元少年(いずれも当時19歳)が逮捕されました。
なお、殺人罪で逮捕された者も含め、結果的には全員が傷害致死罪の成否が問われたことになります。
冒頭に紹介したように起訴された2人には「懲役5年」「懲役4年」のそれぞれ実刑判決が下されています。
他方で、1人は少年院送致され、残りの2人は不起訴処分になっています。
このように5人が逮捕された事件にも関わらず、最終的な処分は大きな相違が生じています。
このような相違が生じた原因の一つとして、本事案は事件に関わった者が逮捕時に19歳という年齢切迫少年であったことが挙げられるでしょう。
また、今般成立した少年法の改正(2021年改正、2022年施行)では、18歳以上の「特定少年」につき原則逆送事件の対象の拡張(少年法62条2項2号)や実名等の報道(推知報道)を一部解禁など、大きな変更を伴っているということも決して軽視できません。
このように少年事件は、通常の刑事事件とは別途高い専門性を要する分野といえ、弁護活動の前提として少年事件の経験と知識を有する弁護士による事案の正確な精査が必要不可欠です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害致死事件を含む少年事件・刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
少年事件でご家族が逮捕等された方は、365日・24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

 

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