スカウト行為で職業安定法違反

【事例】

岐阜県多治見市在住のAさんは、多治見市内の駅周辺で道行く女性に「風俗の仕事はどうか」などと声を掛け、ソープランドで働くようスカウトをしていた。
Aさんは仲間らと共に、岐阜県内の200の風俗店に過去3年間に渡り計約300人を紹介し、風俗店から毎月総額1000万円の紹介料を得ていた。
ある日、Aさんらがいつも通り多治見市内の駅でスカウト行為をしていたところ、岐阜県多治見警察署の警察官により職業安定法違反の容疑で逮捕された。
Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの両親は、少しでも早いAさんの釈放を願い、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に相談をすることにした。
(フィクションです。)

【職業安定法】

第63条 次の各号のいずれかに該当する者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。
2号 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者

職業安定法は、企業による、労働者の募集、職業紹介、労働者供給について規制している法律で、省略して「職安法」とも呼ばれています。

労働者の募集について、求人者自らが直接行う場合は基本的に自由に行う事ができますが、求人者からの委託を受けて労働者の募集を行う業者(職業紹介業者)には職業安定法である程度のルールが定められています。
特に有料の職業紹介業者の場合は、厚生労働大臣の許可が必要になり、これを欠いて職業紹介事業を行うと刑事罰が科せられることがあるので注意しなければなりません。

接客サービスに就く事を目的として応募してきた女性を性風俗的に紹介していたのであれば、まさに「有害業務への職業紹介」に該当すると考えられます。
この有害業務の判断は個々の事件によって検討が必要となりますが、過去の判例ではAV撮影や風俗営業などが有害業務に当たるとされています。
Aさんらは女性をスカウトし、ソープランドに紹介していますが、ソープランドは、風営法2条6項1号が規定する店舗型性風俗特殊営業です。

【風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律】

第2条6項 この法律において「店舗型性風俗特殊営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
1号 浴場業(公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第1条第1項に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業

また、風俗営業には該当しなかったとしても、「社会一般の通常の倫理観念の保持にも多大な悪影響を与えた」といえる場合などには有害業務に当たると判断されたものもあります(神戸地方裁判所平成14年7月16日判決)。

【釈放を目指す】

逮捕を伴う刑事事件では、①逮捕→②被疑者勾留→③被告人勾留と身体拘束が継続する可能性があります。
それぞれの期間は、①が2~3日、②が10~20日、③が2ヶ月以上なので、何もしなければ身体拘束が相当程度長期になってしまいます。
そこで、身体拘束の長期化による不利益を防ぐべく、逮捕中の被疑者の釈放が急務となります。

釈放を実現できる可能性は、事件の内容に大きく左右されます。
重大あるいは複雑な事件であればあるほど、被疑者・被告人の逃亡や証拠隠滅のおそれが高いとされる傾向にあるからです。
弁護人となった弁護士は、釈放を実現するために、検察官裁判官に逮捕・勾留の妥当性に関する意見を主張することが多く見られます。
場合によっては、身元引受人から話を聞くなどして、被疑者が釈放されても逃亡や証拠隠滅を防げる環境整備を行うこともあります。
こうした活動は一般人には難しく、検察官や裁判官としても弁護士が行うからこそ認めている側面があります。
特に早期の釈放を目指すのであれば、弁護士に事件を依頼して適切な弁護活動を行ってもらうとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は刑事事件の弁護活動に強く、これまで多くの事件で早期身柄解放に向けた弁護活動を行ってきましたので、安心してご相談ください。
職業安定法違反で逮捕されてお困りの方、早期釈放を目指す方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

 

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