少年事件における弁護士の役割

少年事件における弁護士の役割について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

岐阜県羽島市に住む高校1年生のAくんは、市内の公園にあるトイレで女子児童にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ容疑で岐阜県羽島警察署に逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの母親は、今後どのような処分を受けることになるのか、被害者への対応をどのようにすべきか分からず困っています。
Aくんの父親が急いでインターネットで少年事件に強い弁護士を探し、相談の電話を入れました。
(フィクションです。)

少年事件の流れ

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が刑罰法令に触れる行為を行った場合、捜査段階では、基本的に刑事訴訟法が適用されることになります。
そのため、少年であっても、成人の刑事事件と同様に、捜査段階で身体が拘束される可能性はあります。
ただし、少年が14歳未満の場合、刑事責任が問われませんので犯罪は成立せず、被疑者として逮捕されることはありません。

身体拘束が少年に与える影響の大きさから、少年の身体拘束については、成人とは異なる手続がとられます。

①検察官は、勾留に代わる観護措置をとることができます。(少年法43条1項)
②検察官は、やむを得ない場合でなければ、勾留を請求することができません。(少年法43条3項)
③勾留状は、やむを得ない場合でなければ発することができません。(少年法48条1項)
④少年鑑別所を勾留場所とすることができます。(少年法48条2項)
⑤少年を警察留置施設に勾留する場合であっても、少年を成人と分離して収容しなければなりません。(少年法49条3項)

少年事件については、捜査機関が捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると判断した場合、すべての事件を家庭裁判所に送致することとなっています。(少年法41、42条)
少年事件では、成人の刑事事件のように起訴猶予に相当する処分はありません。
また、犯罪の嫌疑がなくとも、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがある場合には、「ぐ犯事件」として送致されることがあります。

家庭裁判所に事件が送致されると、家庭裁判所の調査官による調査、少年審判を経て最終的な処分が言い渡されます。
送致後、家庭裁判所はいつでも「観護措置」を決定することができます。
観護措置は、家庭裁判所が調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置です。

調査官は、審判の前に、少年事件の調査を行います。
調査官は、少年や保護者と面会したり、学校や被害者に文書等で照会を行うなどして調査を行い、調査の結果とそれに基づく処遇意見をまとめた少年調査票を作成し、裁判官に提出します。

審判は、非公開で行われ、非行事実と要保護性について審理されます。
そして、審判において、裁判官は少年に対して処分を言い渡します。

弁護士の役割

弁護士は、捜査段階では弁護人として、家庭裁判所送致後は付添人として、少年の権利や利益を保護しつつ、少年が更生できるよう支援します。

(1)身柄解放活動

先述したように、少年であっても、捜査段階で逮捕・勾留(又は勾留に代わる観護措置)され、その身柄が拘束される可能性があります。
また、家庭裁判所に送致された後は、観護措置がとられ、1か月ほど少年鑑別所に収容されることもあります。
このように、少年が長期間の身体拘束を受ける可能性がありますが、それによって少年が被る不利益は小さくありません。
そこで、長期の身体拘束を避けるべく、弁護士は身柄解放活動を行います。
逮捕された場合には、勾留の要件を満たしていないことや勾留を回避すべき事情があることを意見書を通して主張し、検察官に勾留請求しないよう、裁判官に対しては勾留を決定しないよう働きかけます。
家庭裁判所に送致された際にも、観護措置の要件を満たしていないことや、観護措置を回避すべき事情があることを裁判官や調査官に伝え、観護措置をとらないよう働きかけます。

このような働きかけにも関わらず勾留や観護措置がとられた場合には、勾留に対する準抗告申立や観護措置決定に対し異議申立を行います。

(2)弁護活動

少年は、成人以上に法的知識に乏しく、取調べおいては捜査機関の誘導に乗りやすいといった傾向があります。
そのため、弁護士は、少年にも理解できるように、丁寧に分かりやすい言葉や表現で手続や少年に保障されている諸権利について説明し、取調べでの対応についてのアドバイスします。
そうすることで、誘導による誤った内容の調書が作成されたり、不適切な取調べや調査が行われたりしないように努めます。
特に、身体拘束を受けている少年は、精神的に不安定になることが多いため、弁護士は頻繁に接見をし、法的支援だけでなく、少年の心身の安定を図るよう精神的な支援も行います。

(3)環境調整

少年が再び犯罪や非行を犯すことがないよう、少年の環境を整えることも弁護士の担う重要な役割のひとつです。
少年自身が、事件と向き合い、事件を起こした原因や自分の抱える問題、そして解決策を見つけることができるよう支援します。
また、被害者がいる場合には、謝罪や被害弁償等を行い、被害者に対応することを通じて、少年が真摯に反省するよう手助けします。
そして、少年の家族や学校、職場などと協力し、少年が更生できる環境を整えていきます。
このような環境調整は、審判の審理対象である要保護性の解消にもつながるため非常に大切な活動です。

以上、弁護士少年事件において様々な役割を担っており、少年の更生を考える上ではキーパーソンとなり得る存在と言えるでしょう。

お子様が事件を起こし、対応にお困りの方は、少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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