大麻所持で逮捕

大麻所持で逮捕

岐阜県羽島市に住むAさんは、大麻を摂取しているという友人の話を聞いて自身も興味が湧き、いざとなればすぐやめられるだろうと思って大麻を摂取し始めました。
しかし、やがてAさんは大麻に魅了され、自宅で大麻を摂取しながら他の薬物にも手を出してみたいと思うようになりました。
その矢先、Aさん宅を岐阜羽島警察署の警察官が訪ね、Aさんを大麻取締法違反(大麻所持)の疑いで逮捕しました。
Aさんと接見した弁護士は、Aさんの両親に対して執行猶予となる可能性があることを説明しました。
(フィクションです。)

【警察が取り締まる大麻事件】

大麻取締法では、大麻の所持、譲渡、栽培、輸出入等が禁止されており、これらの違反を警察が取締っています。
覚せい剤取締法では覚せい剤の使用を禁止し、罰則規定が設けられていますが、大麻取締法では大麻の使用を禁止した条文がないのが特徴です。
また、大麻取締法で禁止されているそれぞれの違反形態には、非営利目的と営利目的があり、罰則規定が異なります。

【大麻事件の警察捜査】

~所持事件~
大麻の所持事件は、警察官の職務質問や、交通違反等によって発覚する事件がほとんどです。
警察で薬物捜査を担当した経験のある元警察官によると「大麻の単純な所持事件は、職務質問等で発覚するケースがほとんどです。大麻の臭いは特徴的なので、職務質問や交通違反の取締りの際に車の中から、大麻の特徴的な臭いがすれば徹底的に車内を検索して大麻を見つけます。そして大麻があればその場で現行犯逮捕です。」とのことです。
このようにして事件が発覚する他に、密告等によって大麻所持の疑いがある者に対しては、警察が長期間に及ぶ内偵捜査を行い、その後関係先に対して捜索差押(いわゆる「ガサ」)が行われることによって発覚する事件もあります。
この捜索差押によって大麻が発見された場合も、大麻の所持罪で現行犯逮捕されるのですが、このようにして発見押収された大麻が大量であった場合は、営利目的を疑われます。
押収された大麻量が多かったり、大麻を密売して利益を得ていたことが立証された場合等は、営利目的と認定されることがあるのです。
非営利目的の大麻所持罪の法定刑は「5年以下の懲役」ですが、営利目的の法定刑は「7年以下の懲役(情状によっては200万円の罰金が併科される場合もある)」と厳しいものです。

~譲受事件~
大麻の譲渡罪は、先に大麻の所持罪で逮捕された者が、取調べにおいて「●●さんから入手した。」と供述することによって発覚する事件が大半です。
警察は、この供述に対する裏付け捜査を行います。
大麻の受け渡しの際に携帯電話で連絡を取り合っていた場合は、携帯電話の通話記録を調べたり、受け渡し場所やその周辺に設置された防犯カメラの映像を確認したりするのです。
そして、この供述を裏付けるだけの証拠がある場合は、大麻の譲渡罪で逮捕されることがあります。
そして譲渡罪で警察の捜査を受ける場合も、関係際を捜索差押されることになります。
もし捜索差押で大麻が発見された場合は、譲渡罪とは別の大麻の所持罪にも問われることとなります。
譲渡罪も、非営利目的と営利目に別れており、それぞれの法定刑は所持罪と同じです。

【執行猶予とは何か】

仮に大麻所持が発覚したとしても、初犯で所持の量もそれほど多くなければ執行猶予となる可能性が十分あります。
執行猶予とは、刑の執行に一定の猶予期間を設けるとともに、その期間中に執行猶予が取り消されなければその後も刑の執行をしないこととする制度です。
執行猶予の利点は、刑の全部執行猶予が言い渡された場合に、判決後直ちに刑務所に収容されるという事態を回避できる点です。
これにより、たとえ懲役刑を言い渡されたとしても社会復帰を実現できる余地が出てくるのです。

執行猶予は、一定の事情が発生した場合に必ず取り消され、または取り消されることがあります。
執行猶予が必ず取り消される事情としては、たとえば執行猶予の言い渡し後に禁錮以上(懲役を含みます)の刑が科される場合が挙げられます。
また、執行猶予が取り消される可能性がある事情としては、たとえば保護観察付の執行猶予となった際、保護観察中に遵守すべき事項を遵守しなかった場合が挙げられます。
執行猶予は早期の社会復帰を目指せる点で有益な制度ですが、制度の内容は複雑であり、なおかつ目指すためには裁判における相応の振舞いが求められます。
もし執行猶予に関して疑問があれば、ぜひ一度お近くの弁護士に相談してみてください。
執行猶予の見込みや、執行猶予を目指すためにやるべきことなど、きっと役立つアドバイスを受けることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士が、執行猶予のことならなんでも丁寧にお答えいたします。
ご家族などが大麻所持の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

 

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