岐阜支部所在地の統計・調査

以下では、岐阜県内の犯罪の認知・検挙件数、検察庁での終局処分、地裁での判決内容、家庭裁判所での処分内容を記載しています。

 

岐阜県内の刑法犯 包括罪種別認知・検挙状況(平成29年)

 

刑法犯総数

凶悪犯

粗暴犯

窃盗犯

知能犯

風俗犯

その他の刑法犯

認知件数

14,897

51

870

10,607

706

101

2,562

検挙件数

4,624

42

766

3,135

218

71

392

検挙人員

2,775

44

829

1,438

170

42

252

https://www.pref.gifu.lg.jp/police/tokei/hanzai/index.data/zaisyubetu29.pdf

これは、岐阜県内で発生した犯罪について、犯罪類型ごとに認知・検挙件数、人数を調査したものです。岐阜県内の刑法犯について、認知件数は前年と比較すると710件減少(4.5%減少)し、平成の最小を更新しています。また前年との比較でもすべての類型でも減少し、特に凶悪犯については23件の減少と、前年比で31.1%の減少が見られます。

粗暴犯とは暴行罪や傷害罪、脅迫罪のように、人の身体等に対して危害を加えることを内容とした犯罪です。統計からは、岐阜県内においては粗暴犯、窃盗犯が刑法犯総数の約77%に及び、特に窃盗犯が他の犯罪類型に比べて多いことが分かります。

また、知能犯の件数も多いことがうかがえますが、近年岐阜県内においてもオレオレ詐欺のように、ニセ電話詐欺(いわゆる特殊詐欺と呼ばれる類型、平成29年においては229件)が多く発生しており、知能犯の約3割をニセ電話詐欺で占めていることになります

(参照 https://www.pref.gifu.lg.jp/police/kouho-osirase/gifu-no-anzen/index.data/P1-6.pdf)。

 

岐阜県内における窃盗犯 手口別認知・検挙状況

 

認知件数

検挙件数

検挙人員

(検挙人員のうち成人)

(検挙人員のうち未成年)

窃盗犯総数

10,607

3,135

1,438

1,260

178

侵入盗

1,918

878

125

103

22

乗り物盗

2,223

164

94

50

44

非侵入盗(車上狙い)

1,238

186

19

18

1

非侵入盗(万引き)

1,477

927

758

684

74

非侵入盗(車上狙い・万引きを除く)

3,751

980

442

405

37

(https://www.pref.gifu.lg.jp/police/tokei/hanzai/)

これは、岐阜県内でも件数の多い窃盗の、手口ごとの認知とその検挙状況人数です。

侵入盗とは、家や建物に忍び込んで(場合によっては鍵などを破壊して立ち入って)行う窃盗のことです。車上狙いとは、自転車、自動車、バイクを対象とした窃盗です。非侵入盗とは、侵入盗、車上狙い以外の手口による窃盗で、ひったくりや置き引き等があります。岐阜県内では特に乗り物盗、車上狙いなど車をターゲットにした窃盗が多い一方で、その検挙率は芳しくないことが分かります。

未成年の窃盗(少年事件)においては、約半分が万引き事案であることが分かります。

また、乗り物盗として検挙された人員の約半数が未成年であり、未成年者の乗り物等の検挙率は相対的に高いと言えます。

 

平成29年検察庁受理人数(道路交通法違反被疑事件を除く)

  総数 旧受 新受
通常受理 他の検察庁から 家庭裁判所から 再起
岐阜地検管内 10,005 199 9,806 8,939 836 15 16
岐阜地検 ・区検 5,745 107 5,638 5,209 405 13 11
岐阜地検大垣支部・大垣区検 1,679 54 1,617 1,419 194 2 2

(参照 https://www.pref.gifu.lg.jp/kensei/tokei/tokei-joho/11111/tokeisyo-youran/gifuken-tokeisho/H29.data/H29-22sihouhoumukeisatu.pdf)

こちらは、岐阜地検・区検での、事件受理件数を、受理原因ごとに見たものになります。区検とは、道路交通法違反被疑事件や少額の万引き事件のような、地検よりも軽微な事件を取り扱う検察庁になります。岐阜地検管内では、事件数としては、本庁、次いで大垣支部、御嵩支部、多治見支部等といった並びになります。統計を見ると、岐阜地検・区件での、事件受理が他の支部に対して、圧倒的に多く、岐阜地検管内の事件の約半数以上を岐阜地方検察庁本庁、もしくは岐阜区検察庁が受理していることが分かります。

 

平成29年検察庁処理人数(道路交通法等違反被疑事件を除く)

 

既済
総数

起訴

不起訴

中止

他の検察庁に移送

家庭裁判所に送致

未済

 

公判
請求

略式
請求

起訴猶予

嫌疑不十分

その他

岐阜
地検
管内

9,951

1,933

751

1,182

6,559

5,863

533

143

2

822

635

48

岐阜
地検
・区検

5,720

1,072

487

585

3,700

3,277

329

94

1

447

500

19

岐阜地検大垣支部・大垣区検

1,658

316

97

219

1,071

970

80

21

1

155

115

22

(参照:前同)

これは、岐阜地検・区検での、終局処分(検察官が刑事事件について採取的に下した処分の結果)の統計を調査したものになります。これを見ると、検察官が受理した事件であっても、約3分の2程度が不起訴処分、特に起訴猶予となることが多いこと、起訴処分においても、半分以上が略式請求として罰金で事件が終了していること。罰金が多いのは、そもそも岐阜県内においては、前述のとおり刑法犯のほとんどが窃盗であり、窃盗の法定刑が10年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められていることも関係しているでしょう。

 

平成28年刑法犯 訴訟受理件数(地裁)

 

新受

既済

未済

岐阜地裁管内総数

3,404

3,427

233

岐阜地裁

2,866

2,856

164

岐阜地裁大垣支部

215

221

32

https://www.pref.gifu.lg.jp/kensei/tokei/tokei-joho/11111/tokeisyo-youran/gifuken-tokeisho/H29.data/H29-22sihouhoumukeisatu.pdf
 

これは、岐阜地裁管内での、刑法犯の訴訟件数になります。この統計は、正式裁判で起訴された事件のみのものとなります。これを見ると、岐阜本庁での受理事件が圧倒的に多く、刑事訴訟の公判手続きの多くは岐阜地裁本庁で行われていることが分かります。

 

平成28年少年保護事件新受人員数

 

刑法犯総数(一般保護事件)

道路交通保護事件

岐阜家裁管内総数

811

228

岐阜家裁本庁

648

179

岐阜家裁大垣支部

136

36

岐阜家裁高山支部

27

13

(参照:前同)

こちらは、岐阜家庭裁判所管内で平成28年に、新しく受けた少年の人数になります。

岐阜の家庭裁判所は、岐阜家裁本庁、大垣支部、高山支部の三箇所があります。

これを見ると、少年事件の新受人数は、地裁での起訴件数の半分以下であること、刑法犯(一般保護事件)に比べると道路交通法違反で少年審判となる少年の割合が比較的多いことが分かります。

 

平成29年地方裁判所刑事訴訟事件の種類及び終局区分別既済人員(全地方裁判所)

事件

総数

有罪

一部執行猶予

うち保護観察

全部執行猶予

うち保護観察

無罪

免訴

控訴棄却

管轄違い

その他

同一被告人事件への併合

通常第一審

69295

49335

1503

1496

29121

2203

110

1

139

1005

18705

裁判員

944

4

4

209

108

20

1

1

再審

1

1

(http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/928/009928.pdf)

これは、地方裁判所全体での、判決主文の統計調査です。これを見ると、起訴された事件から、既に起訴された事件に併合されたものを除くと、そのほとんどで、有罪判決が下されていることが分かります。無罪判決が下されたものは、110件と、判決総数の0.15%程度と非常に少ないです。

 

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