美人局で恐喝事件

美人局恐喝となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
インターネットの出会い系サイトで知り合った男性とホテルへ行き、「無理やり連れてこられた。家族にばらす。」などと因縁をつけ、示談金名目で男性から20万円を脅し取ったとして、岐阜県養老警察署は、AさんとBさんを恐喝の容疑で逮捕しました。
2人とも容疑を認めており、警察は余罪についても調べています。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)

美人局と恐喝罪

インターネットの出会い系サイトで知り合った相手とデートをしていたところ、相手の夫・交際相手、はたまた兄弟と名乗る男性に脅され、示談金や和解金といった名目で高額な金銭を支払う羽目になった…。
このようなケースの多くが、デートの相手と脅した人物ははじめからグルで、デートにつられてやってきた者から金銭を脅し取ることを目的としており、これを一般的に「美人局」と呼びます。
美人局は、刑法犯の恐喝罪に当たる可能性があります。

恐喝罪とは

恐喝罪は、刑法249条に次のように規定されています。

第249条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

恐喝罪の構成要件は、
1項 ①人を恐喝して
   ②財物を交付させたこと。
2項 ①人を恐喝して
   ②財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたこと。
です。

◇客体◇
恐喝罪の客体は、他人の占有する他人の財物です。

◇行為◇
恐喝罪の実行行為は、人を恐喝して財物を交付させること、または、人を恐喝して財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたこと、です。

恐喝」とは、脅迫または暴行を手段として、その反抗を抑圧するに足りない程度に相手方を畏怖させ、財物の交付(又は、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させる)を要求することをいいます。
ここでいう「脅迫」とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知のことで、「暴行」とは、人に対する不法な有形力の行使を意味します。

「交付させる」とは、恐喝行為の結果、畏怖した相手方の処分行為に基づく交付によって、財物の占有を取得することです。
恐喝行為と財物の交付との間には、因果関係が必要となります。

Aさんらは、相手方に対して、ホテルに連れてこられたことを相手方の家族に知らせる旨を述べており、これにより相手方は、知らされては困ると不安になり、要求されるままに示談金という名の下に金を支払ったのであるから、恐喝罪に当たると考えられます。

恐喝事件における弁護活動

恐喝事件のように被害者が存在する事件では、被害者との示談交渉が重要な弁護活動の1つとなります。
美人局のような恐喝事件では、被害者が事件についてバレたくないと思い、警察に被害を申告しないケースも少なくありません。
しかし、被害を申告した被害者は、加害者に対して厳しい処罰感情を抱いていることが多く、当事者間での示談交渉は難航する傾向にあります。
そもそも、捜査機関が加害者に被害者の連絡先を教えない、被害者が加害者に連絡先を教えない、加害者が逮捕・勾留されており直接やり取りすることができないため、交渉に着手することすら不可能な場合も多く、被害者との示談交渉は弁護士を介して行うのが通常です。

被害者との示談が成立すれば、不起訴で事件を終了させる可能性が高まります。
不起訴となれば、前科が付くこともありませんし、身体拘束されている場合には即日釈放となります。

恐喝事件を起こし、被害者との示談交渉にお悩みであれば、今すぐ刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件専門弁護士が、無料法律相談初回接見を行います。
まずは、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。

 

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