(解決事例)瑞浪市の詐欺事件にて接見禁止の一部解除と執行猶予付き判決を獲得
【事案の概要】
瑞浪市在住のAさんは、友人のBさん(同市在住)からの誘いを受けて、自動車同士の交通事故を偽装して、保険会社から保険金をだまし取ることを考えました。
某日、当初の計画通りに、Aさんは自身が乗車する自動車にBさんの運転する自動車を故意に衝突させ、保険会社に対して「後ろから追突された」と事故の連絡したのち、当該保険会社に保険金の支払いを請求し、Aさんは150万円の支払いを受けました。
その後、事故の状況を不審に思った保険会社が調査し、偽装事故であるとして岐阜県警察大垣警察署に被害届を提出したため、Aさんは詐欺の疑いで大垣警察署の警察官に逮捕・勾留されました。
Aさんの奥様は、「夫は持病を抱えていて体調が心配です。また、今後の見通しも分らずとても不安です。」とご相談時お話しされました。
(守秘義務の関係から、一部異なる表記をしています。)
【具体的な弁護活動】
Aさんは複数の持病を抱えており、ご家族の方はAさんの体調を心配していましたが、Aさんには接見禁止決定がされていたため、ご家族による面会が出来ない状況でした。
そのため、まず弁護士が、事件に関係がないご家族については接見禁止を解除するように、接見禁止一部解除申立書を提出しました。
その結果、Aさんのご家族については接見禁止の一部解除が認められ、面会をすることができるようになりました。
また、裁判では、検察官が計画的犯行であり被害金額も大きいことから実刑判決が相当であると主張したのに対して、弁護士が①Aさんは主導的な立場ではないこと、②Aさんは逮捕される前に自主的に保険会社に対して被害金を全額返還していること、③今後はAさんの奥様が監督すること、④Aさんには前科・前歴がないことなどを挙げ、執行猶予付き判決が相当であると主張しました。
その結果、こちらの主張が認められ、執行猶予付き判決となりました。
【まとめ】
共犯者がいる事件や組織的な詐欺事件、薬物事件など、特に逃亡や証拠隠滅のおそれが高いとされる事件については、勾留された場合に弁護士以外による接見が禁止されること(接見禁止)があります。
今回の事案でも、共犯者がいる詐欺事件であったため、接見禁止となったと考えられます。
そのような場合は、事件に関係のない家族(配偶者、両親、子供など)については、面会の必要性があることを裁判所に適切に主張していくことで、接見禁止の解除を求めます。
今回の事案では、Aさんに複数の持病があり、ご家族の方による体調の確認が必要であることを主張したことが、接見禁止の一部解除につながったと考えられます。
また、詐欺罪は罰金刑が規定されていないため、起訴されれば必ず正式裁判となります。
そのため、少しでも刑事処分を軽くしたいと考える場合、弁護士による刑事処分の軽減のための弁護活動が不可欠です。
今回の事案では、Aさんが逮捕前に既に被害金を自主的に返還していたため、裁判ではAさんが被害金を全額返還したに至るまでの経緯を、弁護士が書面にまとめて情状証拠として提出したことが、Aさんの執行猶予付き判決に繋がりました。
詐欺事件でご家族の方が逮捕されてしまいお困りの方は、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
今回の事案のような詐欺事件も数多く取り扱ってまいりました。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。