岐阜県羽島市にて児童ポルノ所持で警察から出頭要請の連絡が来たという事例を想定して、児童ポルノ所持の刑罰等について解説
今回は、岐阜県羽島市にて児童ポルノ所持で警察から出頭要請の連絡が来たという事例を想定して、児童ポルノ所持の刑罰等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【事例】
岐阜県羽島市にて、会社員の男性Aさん(35歳)は児童ポルノ禁止法違反の疑いで岐阜羽島警察署の警察官から出頭要請の連絡が来ました。
Aさんの容疑は、ネット上で販売されていた18歳未満の少女のわいせつな画像や動画を大量に購入・ダウンロードする方法で所持していたというものでした。
警察署での取調べでどういう対応をすればいいか分からなかったAさんは、弁護士に相談することにしました。
※事例はフィクションです。
■ 児童ポルノ所持の刑罰
児童ポルノ所持の禁止は、正式名称を「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」、通称「児童ポルノ禁止法」という法律(以下、法令名略)により定められている犯罪行為です。
結論から言うと、有罪となってしまった場合には1ヶ月以上1年以下の懲役または1万円以上100万円以下の罰金に処されることになります。
児童ポルノ禁止法第7条1項 (児童ポルノ所持、提供等)
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。
■ 児童ポルノとは?
「児童ポルノ」とは、児童ポルノ禁止法第2条3項1号〜3号に該当する児童(18歳未満)の姿態を写した性的な内容の写真、画像、動画等のことを意味し、具体的に以下の3つのようなものを指します。
・児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態(2条3項1号)
・他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの(2条3項2号)
・他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの(2条3項3号)
■ 児童ポルノ所持となる要件
児童ポルノ禁止法第7条1項の文言から、禁止されている児童ポルノの所持となる要件は以下のようになります。
① 「自己の性的好奇心を満たす目的」で
② 「児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)」
or
「児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)」
今回の事例では、会社員のAさんは、18歳未満の少女が写ったわいせつな画像や動画を所持していたとして児童ポルノ禁止法違反が成立しています。
■ 犯罪発覚のきっかけと逮捕の可能性
・サイバーパトロール
ネット上にある児童ポルノを購入・ダウンロードすると、インターネット上でのパトロールに発見され、逮捕されることが想定されます。
・対象児童が補導される
SNS等で児童と連絡を取っているなかで児童本人からポルノ画像を送ってもらっていた場合、その児童が補導された際に画像のやり取りが発覚し逮捕されることが想定されます。
・余罪の捜査
児童ポルノに関わらず、何かしらの罪を犯した場合、スマートフォンやパソコンなどの電子端末が押収あるいは任意提出により調べられることがあります。
その捜査に際して、児童ポルノ所持が発覚する可能性があります。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が岐阜県羽島市にて児童ポルノ禁止法違反で警察から出頭要請の連絡が来たという事例を想定して児童ポルノ所持の刑罰等について解説致しました。
児童ポルノ所持の事件では、警察から呼び出しを受けても逮捕されず在宅で捜査される場合も少なくありません。
しかし、インターネット上にアップロードされているデータを購入・ダウンロードするだけでなく、自身で撮影した画像や動画がある場合や対償児童と直接やり取りして児童ポルノを受け取っていた場合には、逮捕される可能性が高くなります。
児童ポルノ所持は、悪質性の低い場合や、相手方児童の保護者に対し謝罪と弁済を行うなど事実上の示談を行うことにより、不起訴処分や略式手続(罰金)で手続きが終了する可能性もありますので、自己判断で行動せず、刑事弁護の経験が豊富な弁護士に相談し指示することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
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