強制性交等罪で逮捕された
岐阜県山県市に住むAさんは、近所の公園のブランコに乗って一人で遊んでいた少女Vさん(当時10歳)の姿を見て、Vさんが13歳未満であることを知りながら、性交しようと決意して、Vさんに対して、「テレビタレントになれるかどうかテストしてあげるから、目をつぶって、おじさんのいう通りにしなさい。」などと言って、Vさんを付近の草むらに仰向けに寝かせ、パンティを脱がせたうえ自身の陰茎を口に含ませ、射精しました。
その後、Aさんは、岐阜県山県警察署に強制性交等罪で逮捕されました。
(フィクションです。)
◇強制性交等罪(強姦など)のポイント◇
強制性交等
刑法第177条 「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。」
① 平成30年の法改正で、改正前は、「強姦罪」の成立は性器の挿入の有無で判断されましたが、「強制性交等」が成立する行為はより幅広くなり、性交等の定義については、いわゆる膣性交だけではなく、肛門性交と口腔性交も含まれることになりました。
② 平成30年の法改正で、非親告罪となりました。
※ 親告罪~被害者の告訴(犯人の処罰を求める意思表示)がなければ、裁判にかけることができない罪
③ 13歳未満の児童の場合、合意があっても罪が成立します。
つまり、事例のケースのように口腔性交でも強制性交等罪が成立することになり、Vさんは当時10歳でしたので、その行為に同意していたとしても関係ありません。
◇強制性交等罪の弁護活動◇
「強姦罪」の時代には未遂であれば執行猶予がつくことも珍しくはありませんでしたが、性犯罪の厳罰化が進んでいるため、現在の強制性交等罪では既遂はもちろん、未遂であっても重い処罰となってしまうことも考えられます。
そこで弁護士に依頼し、被害者に対する被害弁償や示談、裁判官に対して十分に反省していることを伝える上申書を提出するなど、弁護活動をしてもらうようにしましょう。
示談を成立させ、被害者からの許しを得ることができれば、不起訴処分を獲得することができるかもしれません。
◇処分・処罰の見込みについて◇
強制性交等罪で逮捕されると、最大である20日間の勾留が取られて、警察署の留置場に勾留されて、取調べなどの捜査を受けていくことになると予想されます。
起訴されて裁判を受ける場合、有罪となれば前科がなくても実刑判決が言い渡される可能性も高いです。
悪質性が高い場合や被害者の年齢が低いなどの被害が大きい場合、また余罪が多数あるなどの場合は、より重い刑が言い渡されることになります。
◇合意があったのに後で強姦されたと訴えられた場合◇
合意の上での性交渉をしたのに、後に相手から強姦されたと強制性交等罪の被害を訴えられた場合、すぐに弁護士に依頼することをおすすめします。
通常、性交渉は密室で二人きりで行われるものですし、合意の有無の立証は簡単とはいえません。
しかし、事件前後の言動など、合意を裏付けることができる証拠がある場合があります。
例えば、性交渉前に被害者とやり取りしたメールで性交渉を約束していたり、性交渉後にも被害者を送り届け、その後も連絡を取り合っていたり、仲良くデートしたりと、合意を推認させる事情を証拠として集めることが重要です。
ですから、早急に事件に強い弁護士の力を借り、合意があったことを立証する必要があります。
岐阜県山県市で強制性交等罪に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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