家庭内トラブルで刑事事件に

家庭内トラブル刑事事件に発展した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県安八郡神戸町に住む会社員のAさんは、妻のVさんと口論となり、かっとなってVさんの顔面を拳で殴ってしまいました。
AさんがVさんに暴力を振るったのはこれが初めてではなく、VさんはAさんの暴力に耐えかね、警察に通報しました。
現場に駆け付けた岐阜県大垣警察署の警察官は、Aさんを警察署に連行し話を聞くことにしました。
(フィクションです。)

ひと昔前は、家庭内トラブルは、民事不介入ということから捜査機関が積極的に取り扱うものではありませんでした。
しかし、民事不介入を理由に捜査機関が積極的に動かなかったために、家庭内トラブルから殺人事件に発展するケースが発生したため、最近では家庭内トラブルであっても捜査機関が介入し、刑事事件として取り扱われることも増えてきています。

捜査機関が「犯罪がある」と考えるとき、「捜査」が開始されます。
「捜査」というのは、警察をはじめとする捜査機関が、犯罪があると考えるときに、犯人と思われる者(「被疑者」といいます。)を特定、発見し、必要な場合には被疑者の身柄を確保し、証拠を収集、保全する、一連の手続のことをいいます。
捜査を開始するきっかけを「捜査の端緒」と呼んでいます。
捜査の端緒には、被害者やその関係者からの被害届の提出、告訴や告発、警察官が現に犯罪を行っていることを認知する場合、職務質問や取調べ、犯人の自首など様々なものがあります。

家庭内トラブルは、外部に明るみになり難いものですが、被害者からの通報や相談を受けて事件が捜査機関に発覚するケースが多くなっています。
それにより、捜査機関が「犯罪がある」と考えた場合に、捜査が開始され、最終的には検察官が起訴・不起訴を決定することになります。

家庭内トラブルで刑事事件に発展した場合

(1)身体拘束

必要な場合には被疑者の身柄を確保して捜査が進められます。
捜査段階での身体拘束には、「逮捕」及び「勾留」という身体拘束を伴う強制処分があります。
「逮捕」は、被疑者の身柄を拘束し、引き続き短時間その拘束を続ける処分です。
逮捕は、原則として、裁判官が発布する逮捕状に基づいて執行されなければなりません。
(例外として、「現行犯逮捕」及び「緊急逮捕」が認められます。)
逮捕の要件としては、①逮捕の理由、そして②逮捕の必要の2つがあります。
①は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」のことです。
②は、被疑者に逃亡するおそれや、罪証を隠滅するおそれがあること、です。
これらの2つの要件を満たしていると裁判官が認めた場合に、逮捕状が発布されます。
家庭内トラブルに起因する刑事事件においては、加害者と被害者の関係性から、加害者が被害者に供述を変えるよう迫ったりするおそれがあると認められる傾向にあり、罪証隠滅のおそれから逮捕の必要性が認められる可能性が高いでしょう。
また、通報を受けて警察官が現場(多くの場合は、家)に駆け付けた際に、被疑者を現行犯逮捕することが多いです。

逮捕後引き続き比較的長期間被疑者の身柄を拘束する裁判とその執行を「勾留」といいます。
被疑者を勾留するには、①勾留の理由、及び②交流の必要性という満たすべき要件が2つあります。
①は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、かつ、住所不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡の恐れの少なくとも1つに該当すること、です。
②は、被疑者を勾留することにより得られる利益と、勾留により被疑者が被る不利益を比較衡量した結果、被疑者を勾留する必要があるかどうか、という点です。
勾留期間は、原則として、検察官が勾留を請求した日から10日間です。
勾留期間の延長が認められれば、さらに最大で10日間となります。

(2)被害者対応

被害者がいる事件では、被害者への対応、被害者への謝罪、被害弁償、示談の締結いかんが、最終的な処分にも大きく影響することになります。
被害者との間で示談が成立している場合には、検察官が起訴しないとする処分(不起訴処分)とする可能性を高まります。
また、起訴された場合であっても、示談が成立している場合には、執行猶予となる可能性があります。

家庭内トラブルにおいては、被害者が配偶者や子供であることが多く、場合によっては、頻繁に被害にあっており、当事者間には埋めることのできない大きな溝ができていることもあります。
そのようなケースでは、当事者間での和解は困難であり、代理人を介しての交渉となることが多いでしょう。

一方、ささいな夫婦喧嘩が原因で当事者一方が通報したことから刑事事件となったケースも少なくありません。
そのような場合には、被害者が加害者が刑事罰を受けることを望んでおらず、被害者が被疑者の早期釈放、寛大な処分を希望することがあります。
このような場合には、その旨を捜査機関に充分に説明し、事件を穏便に解決するよう動く必要があるでしょう。

家庭内トラブルから刑事事件へと発展すると、通常の刑事事件として処理されることになります。
早期に弁護士に相談し、身柄解放や被害者対応をはじめとする弁護活動を行うことをお勧めします。

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