少年の無免許運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさん(17歳)は、深夜に友人数名と岐阜県多治見市の県道をバイクで走行していました。
すると、警ら中の岐阜県多治見警察署の警察官に停められ、免許証の提示を求められ、Aさんを含め全員が無免許運転であったことが発覚したため、全員逮捕となりました。
逮捕の連絡を受けたAさんの母親は、すぐに少年事件に弁護士をネットで検索し、相談の連絡を入れました。
(フィクションです。)
無免許運転について
公安委員会の運転免許を受けないで、自動車又は原動機付自転車を運転する行為を「無免許運転」といい、道路交通法第64条で禁止されています。
無免許運転は、今まで一度も運転免許をとったことがない者が自動車等を運転する場合だけでなく、免許が取消された後に運転する場合や、免許の停止中に運転する場合も含みます。
免許証を携帯せずに自動車等を運転した場合は、無免許運転ではなく「免許証不携帯」という反則行為となります。
反則行為は、道路交通法違反のうち、比較的軽微なもので、車両等の運転者がしたものをいいます。
反則行為をした者は、一定期日までに法律で定める反則金を納付することによりその行為について控訴を提起されず、または、反則行為をした者が少年である場合には、家庭裁判所の審判に付されません。
この制度を「交通反則通告制度」といいます。
免許証不携帯のような反則行為であれば、反則金を支払うことで事件が処理されます。
しかしながら、無免許運転については、交通反則通告制度の対象とはなりません。
つまり、無免許運転で警察に検挙された場合、刑事事件として、被疑者が少年であれば少年事件として手続に基づいて処理されることになります。
少年が無免許運転で検挙された場合
少年による無免許運転が捜査機関に発覚した場合、少年であっても、警察に逮捕される可能性はあります。
無免許が発覚したときに逮捕となる「現行犯逮捕」されるケースが多くなっています。
逮捕されると、逮捕から48時間以内に、警察は被疑者である少年の身柄を釈放するか、もしくは、証拠物や関係書類とともに少年の身柄を検察に送ります。
検察に送るとなれば、検察官が少年の身柄を受けてから24時間以内に、少年を釈放するか、もしくは、裁判官に対して勾留の請求をします。
勾留というのは、逮捕に引き続いて行う身体拘束のことですが、勾留の期間は、検察官が交流を請求した日から原則10日間です。
また、検察官が勾留の延長を請求し、裁判官がこれを認めれば、勾留の期間は、最大で20日となります。
ただし、少年の場合には、検察官は、勾留に代わる観護措置を請求することができます。
勾留に代わる観護措置は、少年を少年鑑別所に収容するもので、期間は10日間で延長は認められません。
単純な無免許運転であれば逮捕後に釈放となる場合もありますが、暴走族などに所属していたり、共犯がいたりする場合には、勾留となる可能性もあります。
捜査機関による捜査が終了し、犯罪の嫌疑が認められる場合や、嫌疑が認められない場合でも、家庭裁判所の少年審判に付すべき理由がある場合には、検察官は家庭裁判所に事件を送ります。
そして、事件が家庭裁判所に係属し、家庭裁判所による調査、審判を経て、少年に最終的な処分が言い渡されます。
家庭裁判所に事件が係属している間、家庭裁判所はいつでも観護措置をとることができます。
観護措置は、調査や審判を行うために必要がある場合に、少年を少年鑑別所に収容する措置です。
観護措置がとられると、原則として2週間、必要があるときは4週間、少年鑑別所に収容されます。
審判では、非行事実と要保護性が審理され、少年の更生に適した処分が決定します。
成人の刑事事件とは異なり、少年の場合には、少年の更生が重視されるため、犯した罪の重さをストレートに反映した処分が科されるではありません。
事件内容が、単純な無免許運転で、事故も起こしていない場合で、かつ、少年が反省していると判断されれば、不処分や保護観察といった処分で終わる可能性があります。
一方、事故を起こしていなくとも、無免許運転を繰り返していたり、暴走行為を行っている、少年の反省が見られず暴走族のような集団からの離脱もみられない場合には、少年院送致といった処分となることもあります。
少年事件は、成人の刑事事件とは異なる手続がとれらるため、少年事件でお困りであれば、少年事件に精通する弁護士にご相談ください。
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