少年の傷害事件

少年傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県海津市に住むAくん(19歳)は、彼女との口喧嘩の末に揉みあいになりました。
カッとなったAくんは、彼女に対して拳で数発殴る暴行を加えてしまいました。
唇を切るなどし血を流していた彼女はそのまま部屋を出て行き、最寄りの岐阜県海津警察署に被害を訴え出ました。
現場に駆け付けた警察官は、Aくんの事情を聴き、そのまま傷害の疑いでAくんを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの母親は、被害者である彼女への対応と今後の流れについて心配になり、少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

少年の傷害事件

少年による傷害事件は、喧嘩の延長や共犯者らと暴行の末に相手方に怪我を負わせたもの、交際関係のもつれによるものが多く見受けられます。
相手方に暴行を加え怪我を負わせた場合、刑法の傷害罪が成立します。
傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
成人が傷害罪で起訴され有罪となれば、15年以下の懲役または50万円以下の罰金の範囲内で刑が科されることになります。
被害者の怪我の程度や犯行態様の如何が、最終的な処分に大きく影響します。

被疑者が少年の場合、原則、少年法が適用され、成人の刑事事件とは異なる手続がとられます。
少年が14歳以上の場合、捜査機関が捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合や、犯罪の嫌疑が認められない場合でも家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合には、捜査機関は、すべての事件を家庭裁判所に送致します。
事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は、調査の行った上で、審判を開始するか否かを決定します。
この点、捜査段階で逮捕・勾留されていた少年について、観護措置をとる場合は、調査官への調査命令と審判開始決定が同時になされます。
調査官による調査を終えると、審判において非行事実と要保護性について審理され、少年に対する処分が決定されます。
最終的な処分には、審判不開始、不処分、保護処分(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設・児童養護施設送致)、都道府県知事・児童相談所長送致、検察官送致とがあります。

少年傷害事件では、共犯者がいる場合や、交際関係のもつれのように被害者との関係性が深い場合には、捜査段階で逮捕・勾留される可能性は高いでしょう。
そのような場合であっても、罪証隠滅のおそれがないことを客観的な証拠に基づいて勾留の要件を充たしていないことを主張し、勾留回避を目指して働きかけることにより、身柄解放の可能性を高めることができます。

また、被害者がいる事件では、事件後、被害の回復に努めたかどうかも最終的な処分に大きく影響します。
被害者との示談の有無が直接処分に影響する成人の刑事事件とは異なり、被害者との示談が成立したことをもって直ちに事件を終了させることにはならない少年事件ですが、被害者との示談交渉を通じて、少年が自身の内省を深め、被害者の気持ちを考え、事件と向き合うことができる、つまり、究極的には少年の更生に資するという点で重要な意味を持ちます。
被害者への対応は少年事件においても重要な要素となりますが、被害者への接触・交渉は、少年自身やその家族が直接行うよりも、代理人である弁護士を介して行うのがよいでしょう。
罪証隠滅のおそれから捜査機関が加害者側に被害者の連絡先を教えることはあまりありませんし、恐怖心や嫌悪感から被害者が連絡先を教えることを拒否することも少なくありませんので、連絡をとること自体が難しい場合が多々あります。
弁護士限りでの交渉ということであれば、捜査機関を通じて連絡先を教えてもらえることが期待できますし、弁護士を介して行うことで、冷静な話し合いを行うことができるでしょう。

少年傷害事件においては、少年が自身の感情をうまくコントロールできずに手を出してしまうケースが少なくありません。
そのため、今後同じ過ちを繰り返さないためにも、感情をコントロールする方法やその原因と思われるものを見つけ出し、感情的な暴行を防ぐためにはどうすればよいのか、少年と一緒に考えていく必要もあるでしょう。

事案によって細かい対応方法は変わってきますので、お子様が傷害事件を起こし対応にお困りであれば、ご家族だけで悩まず、少年事件に強い弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
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