タクシー運転手への暴行で逮捕

タクシー運転手への暴行逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県高山市で、酒に酔った様子の男性客Aを乗せ、タクシー運転手のVさんは、指定された場所へ向かいました。
目的地に到着し、Aに乗車料金を述べたところ、Aはグダグダと文句を言い始めました。
Vさんは、「お客さん、払うの払わないの?」と聞いたところ、Aは突然大声を上げ、Vさんに掴みかかってきました。
Vさんはすぐに警察に通報し、駆け付けた岐阜県高山警察署は、暴行の容疑でAを現行犯逮捕しました。
(フィクションです。)

タクシー運転手への暴行

タクシーには、実に多種多様な客層が乗車してきますが、酔っ払いを乗せることも少なくありません。
酒に酔った状態で、気が大きくなり、タクシー運転手に暴力を振るうケースも発生しています。
タクシー運転手への暴行は、刑法の暴行罪、タクシー運転手が怪我をした場合には、傷害罪となる可能性があります。

暴行罪は、人に暴行を加えた場合に成立する罪です。
ここで言う「暴行」というのは、人に対する物理力の行為のことを意味します。
判例においては、暴行は、人の身体に対する不法な一切の攻撃方法を含み、性質上傷害の結果を惹起すべきものである必要はない、と緩やかに捉えられています。(大判昭和8・4・15)
また、物理力が人の身体に接触することまで必要ではなく、相手を驚かせるために、その人の数歩手前を狙って石を投げる行為(東京高判昭和25・6・10)、狭い室内で脅すために日本刀を振り回す行為(最決昭和39・1・28)、高速道路を走行中に嫌がらせ目的で幅寄せをする行為(東京高判昭和50・4・15)も、「暴行」に当たるとした裁判があります。
暴行罪は、故意犯ですので、行為時に人の身体に対して有形力を行使することの認識・認容がなければなりません。

また、人の身体を傷害した場合には、傷害罪が成立します。
「傷害」とは、人の生理的機能に障害を加えることで、その方法は有形・無形を問いません。

逮捕された場合

タクシー運転手への暴行逮捕されるのは、現場に駆け付けた警察官に現行犯逮捕されるものが多くなっています。
逮捕から48時間以内に、警察は、被疑者を釈放し、身柄を拘束しないまま捜査を継続するか、被疑者の身柄と共に事件を検察官に送致します。
検察官に送致された場合、検察官は、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放する、あるいは裁判官に対して勾留請求をします。
釈放されれば在宅事件として捜査が続くことになりますが、勾留請求がなされると、被疑者の身柄は裁判所に移され、裁判官に勾留の有無を判断されます。
裁判官が勾留請求を却下するとの決定を下せば、被疑者は釈放されます。
他方、勾留の決定を下せば、被疑者は、検察官が勾留請求をした日から10日、その身柄が拘束されることになります。
その間、捜査は継続され、勾留期限内に検察官が起訴・不起訴の終局処分を決定します。
その期限内に終局処分を決することが困難な場合には、検察官は勾留延長を請求し、これが認められれば、最大で更に10日間身柄が拘束されることになります。
そのような長期間の拘束となれば、会社や学校に休む日が続き、最悪の場合には懲戒解雇や退学といったことになりかねません。
そのような不利益を回避するためにも、逮捕後すぐに釈放に向けた活動をする必要があります。

タクシー運転手への暴行といった事件であれば、ドライブレコーダーで犯行が記録されていることや、被害者であるタクシー運転手への接触の可能性がそこまで高いとまでは言えず、罪証隠滅のおそれが認められない可能性はあります。
ですので、早期に弁護士に相談し、勾留の要件を充たさない旨を客観的証拠に基づいて主張し、勾留を回避するよう動くことが重要です。
また、被害者であるタクシー運転手への謝罪・被害弁償、示談交渉についても、弁護士を介して行うことで、より円滑に行える可能性が期待できるでしょう。

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