窃盗罪の幇助事件
窃盗罪の幇助事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、Bさんから万引き事件(窃盗事件)を起こそうとしていると打ち明けられたため、万引きに使いやすい特殊なトートバッグを渡しました。
Bさんは、これで確実に万引き(窃盗)ができると安心して、岐阜県恵那市にあるV店に向かいました。
しかし、BさんはAさんから貰ったトートバッグは使わず、ポケットに商品を入れるという方法で万引き(窃盗)をしました。
その後、Aさんは、Bさんの万引き(窃盗)行為が発覚してしまい、Bさんが岐阜県恵那警察署で取り調べを受けたことを知りました。
(刑事事件例はフィクションです。)
【窃盗罪の幇助犯とは】
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法62条
正犯を幇助した者は従犯とする。
刑法62条の「幇助」とは、犯罪行為(刑事事件例では窃盗行為)そのもの以外の行為で主犯(正犯)者の犯罪行為(刑事事件例では窃盗行為)を容易にすることをいいます。
刑事事件例では、AさんはBさんに特殊なトートバッグを渡し、その結果、Bさんが万引き(窃盗)に及んでいます。
しかし、刑事事件例では、Bさんは、万引き(窃盗)行為にあたり、Aさんが渡した特殊なトートバッグを使っていません。
この場合も、Aさんは、Bさんを「幇助した」といえるのでしょうか。
この点、幇助犯のような共犯が処罰される理由は、主犯(正犯)を通じて、間接的に法益侵害(またはその危険)を発生させた点にあるとされています。
このように、幇助犯な間接的な法益侵害を内容とすることに対応して、主犯(正犯)行為と幇助行為との間には、主犯(正犯)行為を物理的に促進するのみに限らず、心理的に促進する関係があればよいとされています。
刑事事件例では、Bさんは、Aさんから特殊なトートバッグを貰ったことで、「これで確実に万引き(窃盗)ができる」と安心しており、心理的に万引き(窃盗)行為を促進したといえます。
よって、Aさんには窃盗罪の幇助犯が成立すると考えられます。
【窃盗罪の幇助犯になりそうな場合】
窃盗罪の幇助犯になりそうな場合は、刑事弁護士に早めに相談しましょう。
刑事弁護士を早めに選任することができれば、仮に警察や検察による取調べが行われたときに適切な受け答えができるよう準備をしたり、万が一窃盗罪の幇助犯で逮捕されてしまったときに備えて刑事事件についての説明を受け、事前に身柄解放のための準備をしたりすることができます。
刑事弁護士は、必ずしも何らかの刑事犯罪の容疑者になっていない段階であっても、法律相談や顧問契約という形で利用することができます。
あらかじめ万全の対策を取る手段として、刑事弁護士を選任することはとても有効かつ重要といえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件に強い刑事弁護士が、万引き事件(窃盗事件)を含む刑事事件について、初回無料法律相談などを行なっています。
窃盗罪の幇助事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。