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(架空の事例で検討)岐阜県恵那市にて男性が、業務上横領の疑いで逮捕された事件について

2025-03-27

(事例で解説)業務上横領の疑いで男性が逮捕

着手金0円から 明確な報酬体系

業務上横領の疑いで男性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】

高齢者施設に入所している女性の預金口座から現金を引き出し着服したとして、元施設管理者の男性が業務上横領の疑いで岐阜県恵那警察署の警察官に逮捕されました。
男性は、市内の高齢者向け共同住宅に入所している女性のキャッシュカードを利用し、複数回にわたり、金融機関のATMから現金を引き出して着服した疑いが持たれています。
当時、男性は施設の管理者として、入所者の預金通帳を単独で管理していました(この事案はフィクションです)。

【業務上横領罪(刑法253条)とは】

(横領)
第252条 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
2(略)
(業務上横領)
第253条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

通常であれば、他人の口座から無断で現金を引き出す行為は、銀行の預金に対する占有を侵害するものとして窃盗罪(刑法235条)に当たります。
もっとも、本件では被害者は被疑者に対して、預金通帳を管理を任せるために預けており、被疑者は預金通帳を管理する正当な権限を有していることになります。
(業務上)横領罪は、被害者との信頼関係に基づき預かった物を、その信頼関係を裏切り不法に領得する行為を処罰する旨の規定です。
冒頭に掲げた刑法252条(や253条)は「自己の占有」する「他人の物」を無断で流用等する行為を禁じていますが、ここにいう「占有」とは、事実上の占有を保護する窃盗罪などの他の犯罪と異なり、法律上の占有も含まれると解されています。
つまり、被疑者等の依頼にもとづき通帳を管理する者は、(通帳のみならず)その預金に対しても(法律上の)占有を有していると考えられます。
したがって、そのような「自己の占有」が及んでいる口座の金銭を、払戻権限がないにも関わらず引き出す行為は、被疑者の占有が業務上のものであることから、業務上横領罪が成立すると考えられるのです。

【業務上横領事件における弁護活動】 

逮捕されてしまうと、被逮捕者たる被疑者は警察署に併設された留置施設に拘束されることになります。
逮捕されてしまった被疑者は、外界と隔絶され少なくとも逮捕中は(原則として)取調官である警察官等以外とは面会することは許されません。
つまり、逮捕前までは可能であった活動の一切が行えなくなるのであり、このことにより精神的なダメージもさることながら、知人・家族・職場等へのコンタクトが不可能となり、社会的なダメージは甚大なものとなります。
弁護士はこのような事態に陥った被疑者と面会・接見できる唯一の者であり(憲法34条前段、刑訴法30条1項等参照)、弁護活動を通じて上記のような精神的・社会的にダメージを軽減することができる数少ない存在ということになるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、業務上横領事件を含む刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
横領事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐお電話ください。
担当者が、弁護士による迅速な弁護活動を行うために必要なお手続を分かりやすくご案内いたします。

(架空の事例で検討)岐阜県美濃加茂市にて警察官を名乗った男性が、詐欺で逮捕された事件について

2025-03-12

(事例で解説)警察官を装う詐欺の疑いで男性が逮捕

詐欺の疑いで男性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】

警察官を名乗って高齢者から現金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで職業不詳の男性を逮捕した。
岐阜県加茂警察署によると、男性は警察官を装って被害者宅に電話をかけ、「詐欺グループを摘発した際、あなた名義のクレジットカードと銀行口座が悪用されていることが判明しました。このままだと口座が凍結され、犯罪に関与しているとみなされる恐れがあります」「口座が凍結される前に預金をすべて出金し、こちらで保管する必要がある」などとうそをつき、被害者をだまして現金を自宅の庭に置かせた上で、これを持ち去った疑いがある。
(本事例はフィクションです。)。

【警察官を装う詐欺事件】

(詐欺)
第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2(略)

本事例では、加害者が警察官を名乗り被害者に対して虚偽の事実を伝え自宅の庭に置かせた上でこれを持ち去りました。
まず、注意すべき点として本事例には刑法235条に規定される窃盗罪は適用されないということです。
窃盗罪は、他人の占有する財物を窃取することを構成要件としますが、本件では被害者が自らの意思に基づいて財物を提供しており、被害者の意思に反して他人の財物を窃取したとは言えません。
他方で、刑法246条1項に該当する「欺もう」(上記条文にいう「人を欺」く行為)による財物の詐取があると考えられます。
本件では、加害者が被害者に対して「口座が凍結される」などと嘘を伝えることで、被害者に犯罪に加担する恐れや自らの財産が危機にさらされる恐れがあると信じ込ませています。
これにより被害者は現金を庭先に置くという行為(被害者による交付行為)をしましたが、被害者が嘘を信じ錯誤に陥っていなければこのような行動を取ることはなかったと言えるため、加害者が財物を取得した時点で刑法246条1項にいう詐欺(既遂)罪が成立するものと考えられます。
 

【詐欺事件における弁護活動】 

まず、何よりも重要なのが逮捕後の速やかな弁護士による接見(逮捕されてしまった被疑者との面会)です。
自白事件か否認事件か(被疑事実を認めているか否か)にかかわらず、逮捕されてしまった方は日常生活から物理的に隔絶されることに伴い精神的に不安的な状態に置かれることが少なくありません。
また、多くの方は身体拘束状態がいつまで続くのか、これから自らがどうなってしまうのかといった点に強い関心を抱くものの、必ずしも法律に明るいわけではないため、これらに対して明確な見通しを持つことは困難と言わざるを得ません。
こういった疑問や不安を解消したり軽減したりすることも弁護士の役割の一つであり、このような弁護活動が逮捕という事件の初期段階に行われるメリットは法的な面にとどまらないことがお分かり頂けるかと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、本件のような詐欺事件などを含む刑事事件を専門的に扱う法律事務所です。
詐欺事件での早期接見や弁護士との法律相談を希望される方は、通話料無料のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

(架空の事例で検討)岐阜県高山市にて公務員の男性が、非現住建造物等放火未遂で逮捕された事件について

2025-02-20

(事例で解説)非現住建造物等放火未遂の疑いで男性が逮捕

 

非現住建造物等放火未遂事件で男性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

岐阜県高山市で、公務員の男性が自宅の応接間にあった置物にライターで火をつけたとして、非現住建造物等放火未遂の疑いで逮捕されました。
男性は事件後、自ら岐阜県高山警察に「室内で火をつけました」と通報しており、この通報によって事件が発覚しました。
警察によると、男性は一人暮らしの木造住宅に住んでおり、火をつけたのは応接間に置かれていた装飾品だったとのことです。
火は置物の一部を焦がしただけで自然に消え、他の家具や建物に燃え広がることはありませんでした。
警察官が現場に駆け付けた際、室内には煙が漂っていましたが、けが人はおらず、建物への被害も軽微だった模様です。
(本事例はフィクションです)。

~現住建造物等放火とは〜

(非現住建造物等放火)
第109条 放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物⋯⋯を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。
2(略)
(未遂罪)
第112条 ⋯⋯第109条第1項の罪の未遂は、罰する。

刑法109条1項は、建造物や物に火をつけた行為が、結果的に公共の安全や他者の生命・財産等に危険を及ぼす可能性がある場合を想定しています。
本件では犯人である男性が一人暮らしであり、事件当時、建物に他者が居住・現在していない点から、刑法108条(現住建造物等放火罪)は適用されず、109条1項が適用されることになります。
放火罪における「焼損」とは、火が独立して燃焼を継続できる状態を意味します。
本件では、装飾品の一部が焦げたものの、火は自然に消え、建物やその他の家具に燃え広がることはありませんでしたから「焼損」に該当せず、既遂罪としては本罪は成立しません。
他方で、男性がライターを用いて装飾品に火をつけた行為自体は、「放火」の実行行為性が認められます。
したがって、火が自然に消えたことで建物や周囲が「焼損」の状態に至らず、未遂にとどまったと解されることから、上記刑法112条により、109条1項の未遂罪が成立することになります。

〜公務員が逮捕されてしまった場合の弁護活動〜

公務員が犯罪を犯した疑いがかかる場合、欠格事由に該当するかどうかの確認は非常に重要です。
特に地方公務員の場合、一定の刑事処分を受けると欠格事由に該当し、その結果、職を失うリスクが高まります。
地方公務員法第16条は、「次の各号の一に該当する者は……職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない」と規定しています。
各号においては、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」(1号)と記載されており、禁錮刑以上の刑を受けたり、執行猶予判決が下された場合もこれに該当します。
さらに、地方公務員法第28条第4項では、「職員は、第16条各号……のいずれかに該当するに至ったときは……その職を失う」と規定されており、上記の1号に該当する場合、職を失うことになります。
したがって、不起訴処分を得るための弁護活動が非常に重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、放火事件を含む刑事事件を専門としている法律事務所です。
非現住建造物等放火事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。

(架空の事例で検討)岐阜県郡上市にて役所の職員に対し暴行をし、公務執行妨害の疑いで逮捕された事件について

2025-02-14

(事例で解説)公務執行妨害の疑いで男性が逮捕

静岡県内の刑事・少年事件

公務執行妨害の疑いで男性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】

役所の窓口対応をした女性職員の腕を強く掴む暴行を加え、業務を妨害したとして男性が逮捕されました。
岐阜県郡上警察によると、男性は、転入出の手続き等を行うために役所を訪れ、窓口で応対した被害者の腕を強く掴む暴行を加え、業務を妨害した疑いをもたれています。
近くにいた第三者が警察に通報し、臨場した警察官に男性は逮捕されたということです。(本事例はフィクションです。)

~公務執行妨害(刑法95条1項)の適用〜

(公務執行妨害)
第95条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2(略)

上記の刑法95条1項が規定する公務執行妨害罪の典型例として、多くの方が想起されるのは警察官の職務を妨害したような場合だと思います。
では、本件のような役所における通常の業務対応を妨害した場合にも本罪が適用されるのでしょうか。
まず、妨害の対象者が「公務員」であることが、本罪の適用の前提となります。
この点、刑法は7条1項において「国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員」を刑法が保護の対象とする公務員であると規定しており、本件職員がこれに当たることに特に争いはないでしょう。
次に「職務」の範囲についてですが、判例において「職務」とは「ひろく公務員が取り扱う各種各様の事務のすべてが含まれる」とされていることが確認できます(最判昭和53年6月29日)。
したがって、警察官が行う権力性を伴う公務ではない本件のような職務行為もまた公務執行妨害罪による保護の対象となり、本件における男性による暴行は本罪の適用対象となると考えられます。

〜公務執行妨害事件の弁護活動〜

刑事事件において逮捕後に勾留されてしまった場合、被疑者は逮捕に引き続き身体の自由を奪われることになるため、その身体拘束処分を回避したり争ったりすることが重要な弁護活動となります。
逮捕後に被疑者は送検されることになりますが、検察官が裁判官に対し勾留を請求した場合、裁判官がその審査をします。
そこで弁護士として、まずは検察官が勾留請求をする段階で、検察官への面談や意見書によって勾留請求をしないように求める活動を行うことが考えられます。
仮に勾留請求がされてしまったとしても、裁判官は勾留請求を却下することができますから、弁護士としては意見書を提出するなどして勾留請求却下を目指した活動を行います。
もし勾留が決定された場合でも、これに不服があるとして準抗告を申し立てることができます(刑事訴訟法429条1項2号)。
このように被疑者の身体拘束を争う手段は複数ありますが、その手段の選択はタイミングや個別具体的な事実関係によるため、刑事事件に関する経験値と高度な専門性が求められることになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、公務執行妨害事件を含む刑事事件を専門としている法律事務所です。
公務執行妨害事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。

(架空の事例で検討)岐阜県美濃市にて未成年誘拐の疑いで女性が逮捕された事件について

2025-02-06

(架空の事例で検討)岐阜県美濃市にて未成年誘拐の疑いで女性が逮捕された事件について

静岡県内の刑事・少年事件

未成年誘拐の疑いで男性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】

未成年者誘拐の疑いで逮捕されたのは、岐阜県美濃市の自称フリーランス業の女性です。
警察によりますと、女性はインターネットを通じて知り合った男子中学生を未成年と知りながら誘い出し、車に乗せて連れ去った疑いが持たれています。
その後、市内のショッピングモールで女性と一緒にいた男子中学生を警察が発見し、無事保護しました。
男子中学生にケガはありませんでした。

(本事例はフィクションです。)

~未成年誘拐罪とは〜

(未成年者略取及び誘拐)
第224条 未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
(親告罪)
第229条 第224条の罪及び同条の罪を幇助する目的で犯した第227条第1項の罪並びにこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

未成年誘拐罪とは、被害者の自由とともにその親権者の監護権・保護監督権を保護することを趣旨とする犯罪です。
上記の条文を見ると、刑法224条は「略取」「誘拐」と二つの行為態様を規定しています。
「略取」とは、暴行・脅迫を手段として、人をその生活環境から離脱させ自己等の事実的支配下に置くことを言います。
これに対し、「誘拐」とは、暴行・脅迫ではなく欺もうや誘惑的な手段を用いて、上記行為を行うこと言います。
したがって、刑法224条の罪は、暴行・脅迫などの手段が採られていない場合にも成立しうることになります。
本件では、被疑者がインターネットを利用して被害者である未成年者と接触し、その後車に乗せて移動したことから、(暴行・脅迫を手段としない)「誘拐」に該当すると考えられたことから逮捕に至ったものと考えられます。
特に本件のようなインターネットを介した未成年者に対する誘拐は、現代においては刑法224条が想定する典型的な事例の一つといえるでしょう。

〜未成年誘拐事件における刑事弁護活動〜 

上記した刑法229条が規定していることから分かるとおり、未成年誘拐罪は親告罪です。
親告罪とは、被害者らによる告訴がなければ公訴を提起することができない(起訴できない)犯罪のことを言います。
つまり、仮に被害者らによる告訴がなされていたとしても、被害者らとの間で示談をし告訴を取り消してもらうことができれば、被疑者は不起訴処分となり刑事処分を回避することができるのです。
したがって特に親告罪(かつ罪を認めている事件)においては、示談を成立させることが極めて重要な弁護活動となることがお分かりかと思います。
当然、示談交渉する際には被害者やそのご家族の方とコンタクトをとる必要がありますが、これらの活動を被疑者やその関係者が行うことは現実的ではなくまた望ましくもありません。
そこで、弁護士が検察官や警察官といった捜査機関等を通じ、被害者やそのご家族に配慮した形で示談交渉を行なっていくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、未成年誘拐事件を含む刑事事件を専門として扱っている法律事務所です。
未成年誘拐事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、365日/24時間対応している弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

(架空の事例で検討)岐阜県多治見市にて詐欺の疑いで女性が逮捕された事件について

2025-01-24

(事例で解説)詐欺の疑いで女性が逮捕

詐欺の疑いで女性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】

岐阜県多治見警察は、詐欺の疑いで職業不詳の女性を逮捕した。
逮捕容疑は共謀して多治見市の70代の被害者宅に電話をかけて「特殊詐欺の犯人を捕まえました」「刑事が家に向かいますので、キャッシュカードを渡してください」などとうそを言い、警察官を装って女性からキャッシュカードをだまし取った疑い。
警察によると、女性宅を訪問した被疑者は警察手帳のような物を提示し、また女性からキャッシュカードを受け取る際には口止めをしていたという。

(本事例はフィクションです。)

~特殊詐欺における窃盗罪と詐欺罪〜

(詐欺)
第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

本件は、近年流行している「特殊詐欺」と呼ばれる犯罪形態の典型例の一つといえるでしょう。
もっとも、「特殊詐欺」という呼称が使われていても、罪名としては窃盗罪が成立するケースも少なくありません。
同じ様に見えるケースにおいて、詐欺罪が成立する場合と窃盗罪が成立する場合では何が異なるのでしょうか。
それは、詐欺罪が被害者の意思に基づいて財物等が交付された場合に適用される規定であり、窃盗罪はこれと異なり被害者の意思に反して財物が移転した場合に適用される規定であるという違いに対応します。
したがって、本件のように被疑者が被害者に対しキャッシュカードを渡すように申し向け、これに応対して被害者がキャッシュカードを交付している以上、(形式的には)意思に基づいて財物が交付されているといえることから、詐欺罪が適用されることになると考えられます。

〜特殊詐欺事件における刑事弁護活動〜 

詐欺事件を含むいわゆる財産犯においては、被害弁償や示談の成立が刑事処分に大きな影響を与えることになります。
したがって一般論として、弁護を担当する弁護士は被害者(あるいはその家族など)と交渉し、被害金等の弁済や被害者が寛大な処分を望む意思を示す示談書の作成などの迅速かつ確実な弁護活動が求められます。
もっとも、通常の詐欺事件などとは異なって、特殊詐欺事件はその被害規模が拡大するのに伴い厳しい刑事処分が下されているのが実情です。
したがって、仮に逮捕されてしまった被疑者が首謀者であったり犯罪計画等に主体的に関与した者でなくとも、甘い見通しを持つのは危険です。
仮に初犯であっても執行猶予が付かないことも十分にありえることから、逮捕後の早い段階から専門性の高い弁護士による弁護活動を受けることが極めて重要となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、特殊詐欺事件を含む刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
特殊詐欺事件でご家族等が逮捕されてしまった方は、24時間ご対応のフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐお問い合わせください。

(架空の事例で検討)岐阜県大垣市にて強盗未遂の疑いで未成年の少年が逮捕された事件について

2025-01-14

強盗未遂の疑いで未成年の少年が逮捕

強盗未遂の疑いで少年が逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】

岐阜県大垣市内のショッピングモールで発生した強盗未遂事件で、大垣警察署は近隣に住む未成年の少年を逮捕しました。
警察によると、少年はモール内の店舗で働く従業員に対し、刃物のようなものを見せながら現金を要求。
しかし、従業員が冷静に対応し応じなかったため、何も奪わずにその場から逃走したとされています。
防犯カメラの映像をもとに捜査を進めた警察は、市内で映像に特徴が一致する少年を発見したことから逮捕に至った模様です
(本事例はフィクションです。)。

〜強盗未遂事件と刑法236条・243条〜

刑法236条1項は、「暴行または脅迫を用いて他人の財物を強取した者」を強盗罪として処罰の対象とし、同条2項では「財産上の利益を得」る行為についても同様に強盗罪を適用すると定めています。
本件では、被疑者が刃物らしきものを提示しつつ金銭を要求した行為が、(財産を奪う意図を伴った)「暴行または脅迫」に該当します。
もっとも本件では、「財物」の「強取」には至らなかったことから、未遂犯に関する刑法243条が適用されることになります。
同条は「第236条⋯⋯の罪の未遂は、罰する。」と規定しているため、被疑者の行為は強盗未遂罪として処理されることになると考えられます。
強盗罪は非常に重大な犯罪と位置付けられており、既遂であれば上述の刑法236条に基づき、原則として「5年以上の有期懲役」となります。
一方、未遂罪の場合には、その刑罰が一定程度減軽される可能性がある(刑法43条参照)ものの、重大性に鑑みて厳重な処分が下されることが通例であるため、安易な見通しを持つことは危険であり、一刻も早い弁護士への相談が重要であると言えます。

〜強盗事件における弁護活動〜 

まず、刑事事件を起こしたとして逮捕されてしまった場合、最大72時間(3日間)の身体拘束がされることになります。
特に強盗事件では、勾留というより長期の身体拘束処分がなされることが通常であり、上記最大3日間の逮捕による身体拘束と勾留による最大20日間の身体拘束を合わせて(原則として)最長23日間もの期間にわたって身体拘束が続く可能性があります。
このような長期間を社会から隔絶されるリスクは、精神的な負担だけでなく、仕事等といった社会生活がままならなくなるという社会生活上のリスクが極めて大きいことは言うまでもありません。
したがって、身体拘束期間の短縮などを含め、逮捕後の早期段階から刑事事件に長けた弁護士による弁護活動を受けることがこれらのリスクを最小化するためにも重要となってくるのです。
また、本件のように被疑者が未成年であった場合、少年法の適用により少年の更生を重視した通常の刑事事件とは異なる手続きに服すことになることから、専門性の高い弁護士に依頼する重要性はより高まることになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強盗事件をはじめとする刑事事件や少年事件に特化した専門的な法律事務所です。
強盗事件でご家族等(未成年者含む)が逮捕されてしまった方は、24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)まで直ちにお問い合わせください。

(架空の事例で検討)岐阜県大垣市の飲食店にて発生した窃盗事案で示談交渉により事件化阻止したケースについて

2025-01-04

岐阜県大垣市の窃盗事案で事件化にならないケース

窃盗事案で事件にならなかったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】

Aさん(50代男性)は、勤務先の岐阜県大垣市にある飲食店から、数回店内の装飾品や備品などを盗んでネットオークションで転売していましたが、ある日店長に備品を盗んでいるところを発見され、その後店舗と「賠償金として500万円払う」という内容の示談を提案されました。
Aさんは「私が悪いので示談書にサインはしますが、私が盗んだ物の値段を考えると500万円はさすがに高すぎる。」と思いました。
500万円を払わなければ、岐阜県大垣警察署に被害届を出すと店長は言っています。
(※フィクションです。)

【事件化前(警察が介入する前)の示談について】

窃盗事件においては、示談締結はとても重要です。
いくつか理由はあるのですが、そのうちの一つが
警察が介入する前に、窃盗の被害者と示談を成立させることで、刑事事件化自体を防ぐことができる可能性が高まる
からです。

【窃盗事件の示談金相場について】

まず、窃盗事件の示談とは、被害額の弁償や慰謝料(示談金)を払うことで、窃盗事件を起こしてしまったことに対して許してもらう契約の事です。
では、適正な示談金の相場はいくらなのですか?と思われるかもしれません。
示談金は、窃盗による被害金の大きさ、加害者の被害者に対する処罰感情、加害者の経済事情、加害者の処分見通し等の事情を考慮して、当事者同士の交渉で決定しますので、具体的にいくら、というのは難しいところです。

交渉で示談金が変動するので、交渉経験が豊富な弁護士が介入することで示談金の額が有利に変動する可能性もあります。
逆に、弁護士を入れない、または交渉経験が少ない弁護士が介入すると、示談金の額が不当に高額になるなど、不利になる可能性もあるのです。

【弁護活動】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、窃盗事件の示談成立に向けた行動を迅速に行います。
弊所の弁護士が示談交渉をし、当初の請求金額より、低額で尚且つ被害届を出さずに終了できたケースがあります。
示談交渉をする際は、弁護士に依頼してから、示談交渉をすることをお勧めします。

静岡県内において窃盗をしたが、無茶な示談を締結されそうで困っている、示談について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回無料法律相談も行っておりますので、お困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。

(架空の事例で検討)岐阜県岐阜市にて緊急避難をしようとした際、人を轢いてしまった事件について

2024-12-16

過失運転致傷罪と緊急避難

過失運転致傷罪と緊急避難について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事案例】

Aさんは岐阜県岐阜市の国道で信号待ちをしていました。
その際車が割り込んできたためクラクションを鳴らしたところ、車からBさんが降りてきてAさんの車の窓ガラスを殴りつけてきました。
Aさんが恐怖を感じ逃げようとして急発進をしたところ、後方からバイクに乗ったVさんと衝突し、Vさんは足の骨を折る怪我をしました。
Aさんは岐阜県岐阜中警察署で過失運転致傷罪の疑いで話を聞かれることになったのですが、Aさんは「交通事故を起こしたのはBから逃げようとしたからだ。だから自分が交通事故を起こしたのはしょうがないことだ。」と考えているため、刑事事件や交通事件に強い弁護士を探しています。
(フィクションです)

【交通事故はどのような罪になるか】

交通事故を起こし人に怪我をさせた場合、どのような罪になるのか
条文には
「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」
(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)
とあります。

【Aさんが車を急発進させたことについて】

Aさんは自分が交通事故を起こしたのはしょうがないと考えています。
これは「緊急避難」という考え方に基づいたものと思われます。

【緊急避難とは】

緊急避難とは条文で
「自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。」(刑法第37条)
とあります。
つまり、緊急避難が完全に認められれば、罰せられないということです。

【緊急避難が成立する要件】

緊急避難が成立するためには

1現在の危険があること
 現在正に危険が迫っている必要があります。
 未来に起こるかもしれない危険、過去に起こった危険については認められません。
2避難の意思があること
 1の危険を避ける目的があることが必要です。
3危険から避難するための必要最低限の行為であること
 例えば人を押して道を空ければ逃げれる状態で、必要もないのに人を殴って道を空けようとする行為は認められません。
4発生した害が避けようとした害の程度を超えないこと
5その行為が唯一の手段であり、真にやむをえない行為であったこと

等が必要になります。

【事案例について】

Aさんは、自分が車を急発進させたのはBさんから逃げるためだったからしょうがないと思っています。
しかしAさんの場合は、110番通報をする、他の車に注意しながら避難できた可能性が有ることから、車を急発進させた行為は「その行為が唯一の手段であり、真にやむをえない行為」とは認められにくいと考えられます。
よってAさんには、過失運転致傷罪が成立すると思われます。

【弁護活動について】

先に述べたとおり、緊急避難が成立するためには厳しい要件が必要です。
ですので、自分の行為が緊急避難にあたるのではないか等と疑問に思うことがあれば、刑事事件・交通事件に強い弁護士に早急に相談するのが良いでしょう。
また、過失運転致傷罪に問われた時は、事故の相手方の方と早急に示談交渉を行い、示談が成立すれば起訴猶予による不起訴処分を目指すこともできます。
起訴猶予による不起訴処分となれば、前科にはなりません。
また、過失運転致傷罪で逮捕・勾留されることになっても、早期に釈放や保釈による身柄拘束を解くための弁護活動を行うことも可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の過失運転致傷罪への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が過失運転致傷罪で話を聞かれることになった方、ご家族が逮捕されてしまいお困りの方、緊急避難が成立するか相談したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(架空の事例で検討)岐阜県岐阜市にて保険外交員が会社を騙して報酬を得た事件について

2024-12-11

詐欺罪と出頭

刑事事件・少年事件に精通した弁護士が全力でサポート

詐欺罪と出頭について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

【刑事事件例】

Aさんは、岐阜県岐阜市にあるV保険会社に勤める保険外交員です。
Aさんは本来であれば特定の疾患のある者と保険契約を締結してはいけない規則となっているにも関わらず、保険契約のノルマを達成して会社からの報酬を得るため、特定の疾患のあるBさんを健康な者として保険契約を締結し、契約締結したことをV保険会社に報告しました。
Aさんはこの報告に基づいて、V保険会社から契約ノルマを達成した報酬として現金10万円を受け取りました。
しかし後日、Bさんには特定の疾患があることがV保険会社の知るところとなり、V保険会社は岐阜県岐阜中警察署に詐欺罪で相談に行こうとしています。
このことはV保険会社内でも噂になり、居心地が悪くなったAさんは岐阜県岐阜中警察署に出頭しようと考えています。
(フィクションです)

【保険外交員(会社員)が会社をだまして利益を得ることについて】

会社員が会社をだまして利益を得た場合、「詐欺罪」や「背任罪」が成立する可能性があります。詐欺罪と背任罪の条文は以下の通りです。

刑法第246条(詐欺罪)
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法第247条(背任罪)
他人のためにその事務を処置する者が、自己もしくは第三者の利益を図りまたは本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

詐欺罪は、
①欺く行為をして
②相手方が錯誤に陥り
③錯誤に基づく財産的処分行為を行ない
④財物を交付する、という流れで成立します。

また
背任罪は、
①他人のため事務を処理する者が
②自己の利益をはかるため
③本人を欺いて、任務に違反する行為を行ない、本人から財物の交付を受け
④本人に損害を負わせた場合に成立します。

一般的に、他人のため事務を処理する者が、本人に対して詐欺罪を犯した場合、詐欺は任務に背く行為なので、背任罪と重なる部分があります。
詐欺は背任の最も強いものとされているため、詐欺罪と背任罪の両方に当てはまる事案では、背任罪ではなく詐欺罪が成立するとされています。

Aさんが本来なら契約できない相手と、契約ができる者として契約を締結し、そのことをV保険会社に報告したことは、V保険会社を欺く行為です。
V保険会社がAさんの報告に基づき、Aさんに対しノルマ達成報酬を現金で支払ったことは、V保険会社が錯誤に陥り、財産的処分行為、交付をしたと判断される可能性が高く、Aさんは詐欺罪に問われる可能性があるでしょう。

【弁護活動について】

Aさんがしようとしている出頭とは、犯罪事実や容疑者がすでに発覚している状態で、犯人が自ら警察に出向くことをいいます。
自首とは異なり、裁判官の裁量により刑が減刑されることは法律上規定されていませんが、情状面で考慮され、刑が軽くなる可能性があります。
しかし、出頭した結果即日逮捕される可能性もありますので、出頭をお考えの方は出頭前に刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
詐欺罪で逮捕される場合でもそうではなくても、今後の対応等をアドバイスさせていただきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の詐欺罪への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が詐欺罪で話を聞かれることになった、出頭をしたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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