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(架空の事例で検討)岐阜県美濃加茂市にて拾ったキャッシュカードから現金を引き出そうとした事件

2024-11-16

占有離脱物横領罪と窃盗未遂罪の自首

静岡で刑事事件・加害者弁護

占有離脱物横領罪と窃盗未遂罪の自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

【刑事事件例】

岐阜県美濃加茂市に住むAさんは近所でキャッシュカードを拾い、このカードを使って現金自動預払機から現金を引き出すことを思いつきました。
Aさんはまず現金を引き出す前提として、どれくらいの残高があるか確かめるため、残高照会をすることとし、キャッシュカードをV銀行の現金自動預払機に差し込みました。
しかしV銀行には紛失届が出されていたので、キャッシュカードはそのまま回収され残高照会をすることはできませんでした。
キャッシュカードが回収されたのを見てAさんは怖くなり岐阜県加茂警察署への自首を考えています。
(フィクションです)

【占有離脱物横領罪と窃盗未遂罪について】

Aさんの行動のうち、キャッシュカードを拾って自分のものとしたことが、占有離脱物横領罪にあたります。
また、残高照会をしようとしたことが窃盗未遂罪にあたります。

占有離脱物横領罪(刑法第254条)
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処する。

窃盗罪(刑法第235条)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

窃盗未遂罪(刑法第243条)
第235条から(略)第241条第3項の罪の未遂は、罰する。

※現金自動預払機において、残高照会行為と現金引出行為(=窃取行為)は一体の行為とされています。
(名古屋高等裁判所判決平成13年9月17日)
残高照会行為に着手していれば、窃盗の実行の着手に該当するとされます。

【自首とはどのようなことですか】

自首とは、犯人が捜査機関(警察など)に対し、自発的に自分の犯罪事実を申告し、処分を求めることをいいます。
自首についても刑法上に規定があります。

刑法第42条
1 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

と規定されています。
※おおよその人相、年齢、身長、着衣等がわかっているだけでは「発覚」しているとはいえないとされています。

【刑事事件例について】

先に述べましたとおり、Aさんには占有離脱物横領罪と窃盗未遂罪が成立します。
捜査機関が、キャッシュカードを拾ったり、そのキャッシュカードで残高照会をしたのがAさんだと把握していない場合は、自首が成立する可能性が有ります。

【弁護活動について】

Aさんは自首をしようかと悩んでいます。
自首をするメリットとしては、
①逮捕されない可能性が上がる
②報道されない可能性が上がる
③不起訴の可能性が上がる④執行猶予の可能性が上がる
⑤示談の成功率が上がるなどがあります。

さらに自首に弁護士が同行するメリットとしては、
①逮捕されない可能性が更に上がる(逃走や証拠隠滅の恐れが低いとみられます)
②自首前に取調べへのアドバイスをもらえるなどがあります。
ご自身で警察署など捜査機関に連絡をする前に、ぜひ刑事事件に強い弁護士に一度ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
占有離脱物横領罪や窃盗未遂罪に詳しい弁護士、自首に同行をした経験がある弁護士も在籍しております。
ご家族やご自身が占有離脱物横領罪や窃盗未遂罪で話を聞かれることになった、逮捕されてお困りの方、自首をしようか悩んでいる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(架空の事例で検討)岐阜県岐阜市にて電車内で痴漢行為が見つかった場合の対応について

2024-11-09

岐阜市市橋の痴漢事件  

岐阜市市橋の痴漢事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が架空の事例をもとに解説します。

【事例】

AさんはJR東海道本線で毎朝JR大垣駅からJR岐阜駅まで通勤しています。
ある朝、AさんはJR穂積駅を発車したあたりで満員電車の中で前に立つVさんのお尻を触りたくなり、Vさんが満員電車内で抵抗できないことをいいことに、スカートの上からお尻をなでました。
するとAさんは、Vさんの隣にいたBさんに手をつかまれ次のJR西岐阜駅で降ろされ、その後Aさんはかけつけた岐阜県岐阜南警察署の警察官に引き渡されました。
(フィクションです)

【痴漢は何罪になりますか?】

岐阜県迷惑行為防止条例違反、もしくは不同意わいせつ罪となります。

【痴漢における岐阜県迷惑行為防止条例違反と不同意わいせつ罪の境目】

岐阜県迷惑行為防止条例違反になるのか、不同意わいせつ罪になるのかの区別は、触った場所や触り方の執拗さや程度によって判断されることになります。
つまり、被害者の陰部に触れる行為は、一般的に不同意わいせつ罪に当てはまることになりますが、(ただし、厚手の着衣の上から触るにとどまる場合は岐阜県迷惑行為防止条例違反を適用することが多いです。)被害者の臀部(お尻)に触れる行為は、その触り方や執拗さや程度によることとなります。
着衣の上や下着の上から臀部をなでる行為は、一般的に、その接触の程度からわいせつ行為には至っておらず、岐阜県迷惑行為防止条例違反となる傾向がありますが、下着の中に手を入れ直接臀部をなでる行為は一般的に、その接触の程度などからわいせつ行為となる傾向があります。
ただし、服の上から触る行為であっても、無理矢理抱きついたり胸部(胸)や臀部を無理矢理揉む行為は不同意わいせつ罪に問われることが多くなります。
 

【事例について】 

AさんはVさんのスカートの上からそのお尻をなでており、わいせつの程度には至っていません。
よってAさんは岐阜県迷惑行為防止条例違反の罪責を問われる可能性が高いと思われます。

【Aさんの弁護活動について】

痴漢行為をしていない時は、すぐ弁護士を呼んでください
痴漢行為をしていないにもかかわらず、痴漢事件の容疑をかけられて逮捕されたり、警察署に呼ばれて捜査されてしまった場合は、すぐに弁護士を呼んで下さい。
冤罪を防ぐために、あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕後すぐに逮捕された本人のもとへ接見に向かい、嘘の自白をしないよう取調べについての対応をアドバイスします。
また目撃者や客観的な証拠を探し出すことで、被害者や目撃者の供述が信用できないことを主張していきます。

起訴前でも起訴後でも被害者と示談をします
実際に痴漢行為をしていた場合でも、起訴前に示談をすることにより、不起訴処分になり前科がつかなくなる場合があります。
さらに、示談をすることで釈放の可能性も高まりますので、示談によって早期の職場や学校への復帰・社会復帰を図ることもできます。
起訴前でも起訴後でも、被害者の処罰感情や被害弁償と示談の有無などが処分に大きく影響することになるので、弁護士を介して納得のいく示談をすることが重要となります。

逮捕された時は、できるだけ早急に弁護士と面会しましょう
痴漢事件で逮捕されたとしても、適切な取調べ対応と弁護活動によって早く留置場から出る可能性が高まります。
痴漢事件で逮捕された方が早く留置場から出るためには、逮捕された後に勾留されないことが大切です。
勾留されないようにするためには、逮捕後の早い段階で弁護士と面会して取り調べへの対応を話し合い、身元引受人(ご家族など)の協力を得ることが大切です。
さらに弁護士から検察官や裁判官に対して、本人の反省と二度と痴漢をしない旨を主張し、釈放してもらうよう働きかけます。

 

まずは弁護士に相談を

このように、刑事事件に強い弁護士、示談交渉に強い弁護士に早期に相談をすることがとても大切です。 
ご自身やご家族が痴漢事件で話を聞かれることになったり逮捕されてしまった方は、ぜひ刑事事件や示談交渉に強い弁護士に早急にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
示談交渉や適切な主張や立証を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
痴漢事件でご自身やご家族が話を聞かれることになった、逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

(架空の事例で検討)岐阜県多治見市にて酒気帯び運転で検挙された、その後の行動について

2024-10-26

酒気帯び運転で贖罪寄付


酒気帯び運転で贖罪寄付をする場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事案例】

Aさんは岐阜県多治見市で飲酒後運転をしていましたが、運転する前にAさんは「少しお酒を飲んだけど、自分はお酒に強いから運転しても大丈夫だ。普通に歩けるし、話せるから何も問題はないだろう。」と思っていました。
しかしコンビニ前で岐阜県多治見警察署の警察官が飲酒運転の検問を行っており、酒の匂いがしたAさんを不審に思った警察官がAさんに飲酒検知を行ったところ、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.20mg検出されました。
Aさんは酒気帯び運転、道路交通法違反の疑いで警察署で話をきかれることになりました。
(フィクションです)

【飲酒運転はどのような犯罪になりますか】

「飲んだら乗らない」という言葉の通り、飲酒後に車両を運転することは犯罪となります。
道路交通法では、飲酒運転を大きく分けて「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」としています。
それぞれについて見ていきましょう。

【酒気帯び運転】

何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。(道路交通法第65条第1項)

次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第65条第1項(酒気帯び運転等の禁止)の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあったもの(道路交通法第117条の2の2)

とあります。
酒気帯び運転は、一定濃度のアルコールを帯びた状態で自動車等を運転する犯罪です。
一定濃度とは、体内のアルコール濃度が
①血中1ml中0.3mg以上
②呼気1L中0.15mg以上
の状態で運転することをいいます(道路交通法第117条の2の2第3号)。

これはアルコールに強い体質、弱い体質ということは関係なく、この濃度のアルコールを体内に保有している状態で運転すれば酒気帯び運転が成立します。

【酒酔い運転】

何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。(道路交通法第65条第1項)

次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第65条第1項(酒気帯び運転等の禁止)の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあったもの(道路交通法第117条の2)

とあります。
酒酔い運転は、酒に酔った状態、すなわち、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で運転する犯罪です。
酒酔い運転は体内アルコール濃度の数値は関係ありません。
酒気帯び運転の基準の体内アルコール濃度に達していなくても、正常な運転ができないおそれがある状態で運転すれば酒酔い運転が成立します。

【事案例について】

Aさんは酒に強いことを自負しており、実際に歩行や話すことには問題がありませんでした。
しかし酒気帯び運転は、正常に運転できないか否かにかかわらず、体内に一定濃度以上のアルコールを保有していれば成立します。
よって、Aさんは道路交通法違反(酒気帯び運転)で検挙されることになりました。

【弁護活動について】

酒気帯び運転、酒酔い運転にかかわらず、身柄を拘束された場合(逮捕された・勾留されたなど)は、身柄の早期解放に向けた弁護活動を行っていきます。
人身事故を伴う場合は、被害者との示談を行っていきますが、今回のように人身事故を伴わない場合は被害者がいないため示談ができません。
その場合は、改悛の真情を表すための「贖罪寄付」を行うこともあります。
贖罪寄付とは、事件を起こした方が反省の思いを形にするために、弁護士会や慈善団体などに寄付をして公益活動に役立ててもらうことです。
事件への反省を込めてなされる贖罪寄付は、裁判所により情状の資料として評価されています。
贖罪寄付の手続きにつきましては、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の道路交通法違反や酒気帯び運転、酒酔い運転、道路交通法違反への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が道路交通法違反や酒気帯び運転、酒酔い運転、道路交通法違反で話を聞かれることになった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

(架空の事例で検討)岐阜市橋本町にて窃盗未遂で逮捕されてしまった。 その後どうなる?

2024-10-03

岐阜市橋本町にてひったくり事件

静岡県内の刑事・少年事件

岐阜市橋本町の窃盗未遂罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは生活費に窮したことからひったくりを決意し、岐阜市橋本町にある銀行から出てきたVさんが手に持っている封筒に現金が入っていると思い、これをひったくって逃走しました。
しかしこの封筒にはチラシしか入っておらず、銀行で大量に無料配布されているもので、Vさんもすぐに捨てるつもりでした。
Aさんは駆けつけた岐阜県岐阜中警察署の警察官に窃盗未遂罪で逮捕されました。
(フィクションです)

【窃盗罪とは?】

Aさんが行った窃盗罪と、盗んだものの価値について見ていきましょう。
①窃盗罪とは
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。(刑法第235条)
他人が占有する財物を窃取する行為は、窃盗罪を構成します。
②窃盗罪の保護法益
事実上の占有権が窃盗罪の保護法益にあたります。
③「財物」とは
所有者にとって、客観的に価値がないものであっても、主観的価値(使用価値・利用価値)があれば財物となります。
・「財物」となるもの
財物に対する主観的な価値は、「それを保存しておきたい。」という積極的な意思だけではなく、「他人に渡さないため」あるいは「悪用を防ぐために廃棄する」といった消極的な意思でも成り立ちます。
・「財物」とならないもの
経済的価値が極めて少なく、客観的にも主観的にも全く価値のないものは財物ではありません。 
※ですから、「財物」にならないものを窃取しても、未遂罪にとどまります。 

【刑事事件例について】

上記の通り、Aさんが窃取したチラシは刑法上保護すべき「財物」とは認められないことから、Aさんには窃盗未遂罪が成立すると思われます。

【関係判例】

Aさんのような財物ではないものを盗んだことについての裁判は、昭和54年に判決がでています。
無料配布の広告パンフレットは客観的にも主観的にも財産的価値がないから、これを窃取しても未遂にとどまる(東京高等裁判所判決昭和54年3月29日)。

【逮捕されたAさんの今後について】

逮捕されたAさんは48時間以内に検察庁の検察官のもとに送られます。
検察官は、24時間以内にAさんを勾留するか釈放するかを決め、勾留する場合は裁判所に勾留請求をします。
勾留請求を受けた裁判所の裁判官は、Aさんを勾留するかどうかを決定します。
裁判所の裁判官による勾留決定が出た場合、Aさんは10日~20日間警察署の留置場などに留置されることになります。
その後は起訴され裁判になるか、または起訴猶予による不起訴となり裁判にならないこともあります。

しかし、早期に弁護士に依頼をすることにより釈放や不起訴を勝ち取り逮捕や勾留、裁判や前科を回避できる可能性があります。
窃盗事件は被害者の方が存在するため、被害者の方への被害弁償や示談の成立が大切です。
窃盗罪の被害届が提出される前に、被害者の方に対して被害を弁償して示談を成立させることができれば、警察が捜査をする前に前科をつけずに事件を解決できる可能性があります。
すでに警察が捜査をしている場合であっても、被害者の方との間で、被害弁償及び示談を成立させることで、逮捕や勾留による身柄拘束をされることがなく早期に職場復帰や通学が出来る可能性を高めることができます。
また被害金額が少なく、同じような前科がなければ、示談の成立により起訴猶予による不起訴処分を目指すことも可能です。
起訴猶予による不起訴処分になれば前科はつきません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族が窃盗未遂罪で逮捕されてしまいお困りの方、釈放・不起訴にしてほしい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

(架空の事例で検討)岐阜県各務原市にてインターネット上での誹謗中傷をして侮辱事件に発展

2024-09-25

インターネットで誹謗中傷をして侮辱事件に  

インターネットで誹謗中傷をして侮辱事件に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
Aさんは、誰でも見ることができるインターネットの掲示板に「Vはクズな男だ、あんな奴なんで生きてるんだろう。」などとVさんの実名を挙げて書き込みをしました。
数週間後、Vさんが居住する岐阜県各務原市を管轄する各務原警察署の警察官がAさんの自宅を訪ね、Aさんは侮辱罪で各務原警察署で話を聞かれることになりました。
(フィクションです)

【インターネットで他人を誹謗中傷することについて】
インターネット社会が発展するに伴い、他人を誹謗中傷する内容がインターネットの掲示板やSNSに書き込まれることが増加しています。
インターネットで不特定または多数人が閲覧できる場合、名誉棄損罪か侮辱罪が成立する可能性があります。
名誉棄損罪と侮辱罪では次に述べますとおり、法定刑に大きな違いがあります。
 
【名誉棄損罪】
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金に処する。(刑法第230条第1項)
死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。(刑法第230条第2項)

【侮辱罪】
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。(刑法第231条)

【名誉棄損罪と侮辱罪の共通事項】
1 人の名誉
 「人」とは、行為者以外の自然人、法人、その他の団体をいい、「名誉」とは、外部的名誉、すなわち、人の価値に対する社会的評価をいいます。
 人の倫理的価値(品性)、政治的・学問的・芸術的能力、容貌、健康、身分、家柄など社会において価値があるとされるものが含まれますが、人の経済的な支払い能力に対する評価(信用)は、信用棄損罪の対象となります。
2 公然
 不特定または多数人の認識しうる状態をいい、「不特定」とは相手方が特殊な関係によって限定されたものでないことをいい、摘示の相手方は特定かつ少数であっても、伝播して間接的に不特定多数人が認識できるようになる場合も含まれます。
3 名誉棄損罪、侮辱罪とも親告罪です。

【名誉棄損罪と侮辱罪の違い】
1 事実の摘示について
 名誉棄損罪は、「事実を摘示して、人の名誉を毀損する」ことで、人の社会的評価を低下させる恐れのある具体的事実を指摘、表示することをいい、単なる価値判断や評価は含まれません。
 また、摘示される事実は、その真否を問わないし、公知の事実でもよく、また事実を摘示する方法に制限はなく、口頭、文書、写真(わいせつな写真と顔写真の合成)などがあります。
 「名誉を毀損する」とは、人の社会的評価を低下させる恐れのある状態を作ることをいい、現実に社会的地位が傷つけられたことは必要ではありません。
 侮辱罪は、「事実を摘示しなくても、人を侮辱する」ことで、具体的事実を摘示することなく、人の社会的評価を低下させるような抽象的判断、批判を表現することをいいます。
 表現補法に制限はなく、口頭、文書、動作などによってもかまいません。
2 故意
 名誉棄損罪は、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損することの認識・認容が必要です。
 侮辱罪は、事実を摘示することなく、公然と人を侮辱することの認識・認容が必要です。
3 違法性の阻却
 名誉棄損罪にのみ規定があり、

 ①摘示事実が公共の利害に関する事実であること(事実の公共性)

 ②その目的がもっぱら公益を図るためであること(目的の公益性)

 ③摘示事実が真実であることの証明があったこと(事実の真実性)の場合に違法性は阻却されます。

【刑事事件例について】
Aさんは誰でも見ることができるインターネットの掲示板に(=公然)、「Vはクズな男だ」と具体的な事実ではなく、抽象的な評価を示して、Vさんの社会的評価を低下させ得る内容の書き込みをしています(=事実を摘示することなく侮辱)。
よって、Aさんには侮辱罪が成立すると思われます。

【Aさんに対する弁護活動】
インターネットにおける誹謗中傷に関する犯罪は、名誉棄損罪であれ侮辱罪であれ、被害者が存在します。
よって、被害者との示談交渉が大変重要になってきます。
示談交渉とは、当事者同士で話し合って解決を模索することですが、加害者本人が示談交渉をすることはほぼ不可能ですし、ほぼ弁護士にしかできません。
被害者が刑事告訴を考えていた時、示談交渉をして刑事告訴をしないように働きかけることもできます。
名誉毀損罪や侮辱罪は上記のとおり親告罪ですので、示談交渉の前に被害者が刑事告訴をしていた場合でも告訴を取り下げてもらうことができれば不起訴になります。
 
ご自身やご家族がインターネットで誹謗中傷の書き込みをしてしまい心配だという方は、ぜひ刑事事件に強い弁護士にお早めにご相談ください。
 
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
示談交渉を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
インターネットで誹謗中傷の書き込みをしてしまい不安だという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

(架空の事例で検討)岐阜県郡上市にて事後強盗で逮捕されてしまったらその罰則は?

2024-09-18

(架空の事例で検討)岐阜県郡上市にて事後強盗で逮捕されてしまったらその罰則は?

岐阜県郡上市の事後強盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】
岐阜県郡上市に住むAさんは、アパートで独り暮らしをしています。
Aさんは生活が困窮しており、毎日の食事にも困っています。
ある日の深夜、Aさんは近所のコンビニエンスストアに入りおにぎり2個を持って来た手提げかばんの中に入れ、盗むつもりでそのままコンビニエンスストアを出ました。
Aさんの様子を見ていたコンビニエンスストア店員のVさんは、慌ててAさんを追いかけてAさんの肩に手をかけて「おにぎりをかばんの中にいれて、お金は払っていませんよね?事務所に一緒に来てお話しを聞かせてください。」と言いました。
Aさんは「事務所に一緒に行けば逮捕されてしまう。」と考え、Vさんに対し護身用で普段から携帯していた果物ナイフを突きつけ、Vさんが震えて座り込んだ隙をついて走って逃げました。
Aさんがコンビニエンスストアから逃走して数十秒後、パトロール中の郡上警察署の警察官が息をきらせて走るAさんを発見し不審に思ったためAさんに職務質問をしました。
Aさんは「ごめんなさい、つい先ほどすぐそこのコンビニエンスストアでおにぎりを万引きしました。」と警察官に話しました。
そこにVさんも走ってきて、「お巡りさん、私はその人が万引きをしたコンビニエンスストアの店員です。その人が万引きをした後逃げるときに私はナイフを突きつけられました。怪我はしていませんが、とても怖かったです。」と警察官に話しました。
Aさんは郡上警察署の警察官により事後強盗の容疑で逮捕されました。
(フィクションです。)

【事後強盗罪とは】
事後強盗といった犯罪は、どのような犯罪でしょうか。

事後強盗罪については、刑法238条が以下のように規定しています。

刑法238条

窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

事後強盗罪の「窃盗」とは
窃盗行為(ものを盗む行為)を行った者

を指します。

事後強盗罪は窃盗犯人しか犯すことができません。

つまり窃盗の犯人が盗んだ物を取り返されないようにするためや、逮捕されないため、犯罪の証拠となる痕跡を隠すために、暴行や脅迫をすることで成立します。

事後強盗罪も強盗として処罰される以上、要求される暴行・脅迫の程度は、強盗罪と同様で、相手の反抗を抑圧する程度のものである必要があります。

ここで刑事事件例をみてみましょう。
Aさんはおにぎり2個を盗みました(万引きをしました)。窃盗行為を行った者ですので「窃盗」にあたります。
Aさんは逮捕されたくないと思い、Vさんに対しナイフを突きつけ恐怖で追いかけられないようにしたので「逮捕を免れ」るために「暴行をした」ことにあたります。

以上により、Aさんには事後強盗罪が成立すると思われますが、窃盗行為と暴行・脅迫の関係や程度により別の罪に抵触することもあります。
事件の詳細な事情を専門的に細かく検討することも必要になることがありますので、まずは刑事事件専門の弁護士に相談することをお勧めいたします。

刑事事件に特化した弁護士

ご家族が事後強盗罪で逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談や、初回接見サービスのご予約は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

(架空の事例で検討)岐阜県各務原市で大麻を所持していたら?保釈の手続について記述するブログ

2024-06-12

(架空の事例で検討)岐阜県各務原市で大麻を所持していたら?保釈の手続について記述するブログ

岐阜で名誉毀損で逮捕されたら

岐阜県各務原市で発生したとする架空の大麻所持事件について、その罪と保釈の手続について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が検討します。

【ケース】

岐阜県各務原市在住のAさんは、各務原市の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、各務原市の路上を歩いていたところ、警察官による職務質問と所持品検査を受け、その際に乾燥大麻を所持していたことが発覚し逮捕されました。
Aさんの家族は、Aさんの早期保釈を求めて弁護士に弁護を依頼しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【大麻所持について】

大麻所持について、条文は以下のとおりです。

大麻取締法24条の2第1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。

大麻所持の場合、罰金刑が用意されていないことから、検察官が証拠が十分にそろっていて起訴するべき事案であると判断した場合、略式手続による罰金刑には付されず、公判請求(起訴)され正式裁判になります。

【保釈について】

起訴された被告人が起訴後勾留を受けている場合に被告人の身柄を解放するためには、被告人側が保釈を請求することが一般的です。
保釈の請求を受けた裁判官は、まず事件の担当検察官に対して意見を求める「求意見」を行います。
担当検察官は裁判官に対し、被告人の保釈に対しての意見(裁判官の判断に委ねる場合もあれば、例えば証人への口裏合わせの恐れにより正常な刑事裁判が出来なくなる恐れを指摘する等して保釈に反対の意見を示す)を書面で提出します。
検察官から意見が戻ってきた後、裁判官は被告人の保釈をするかどうか、保釈を認める場合には保釈金をいくらにするか、判断します。
裁判官が保釈を許可した場合には、被告人の親族などが保釈金を納めれば、身柄は解放されます。

刑事訴訟法89条では、「保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。」と定められています。
保釈を請求できるのは、被告人自身や弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直径の親族若しくは兄弟姉妹ですので(同法88条)、被告人自身やその家族が請求すれば簡単に通るだろうとも思う方がおられるかもしれません。
しかし、前科がある場合はそれに触れる必要があるほか、前科がない方でも「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」(4号)と評価されないよう、身元引受人がしっかり監督して出廷を確保することを誓約していることなどをしっかりと主張していかなければなりません。
これらの事情を的確に指摘することは、法律の知識が多くない一般の方には難しいと思われます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、これまでに数多くの大麻所持事件を扱ってきました。
保釈請求についての成功例も豊富で、ケースのような事例でも然るべき主張を行うことで早期の保釈を目指します。
岐阜県各務原市にて、家族が大麻所持事件で逮捕・勾留されている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

岐阜県大垣市で発生した不同意わいせつ事件を想定し、成立する罪と自首について検討するブログ

2024-06-05

岐阜県大垣市で発生した不同意わいせつ事件を想定し、成立する罪と自首について検討するブログ

岐阜で性犯罪で逮捕されたら

岐阜県大垣市で発生したとする架空の事例を想定して、不同意わいせつ罪と自首の要件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が検討します。

【ケース】

岐阜県大垣市在住のAさんは、大垣市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、大垣市内の自宅近くを歩いていたところ、帰宅途中のVさんを目撃し、劣情を催してしまいVさんの背後に回り込んで後ろから胸を揉みしだいたのち、走って現場を立ち去り自宅に帰りました。
しかし不安になって現場に戻ったところ、大垣市を管轄する大垣警察署の警察官が現場検証を行っていて、不安になったAさんは、自首しようと考え、その前に弁護士に自首のポイントについて質問しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【不同意わいせつ罪について】

不同意わいせつ罪は、刑法にて以下のとおり規定されています。

刑法176条1項 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
2項 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
3項 16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。

今回のAさんのケースでは、「Vさんの背後に回り込んで後ろから胸を揉みしだいた」という事件を想定しています。
道端で突然見知らぬ人から身体を触られるような行為は「同意しない意思を…表明…するいとまがない」(刑法176条1項5号)と言えるため、その状態で胸を揉みしだくというわいせつ行為をした場合には不同意わいせつ罪が適用されると考えられます。

【自首の手続と要件】

今回のAさんは、捜査機関から連絡が来る前に弁護士事務所に相談のうえ、警察署に行きました。
捜査機関が捜査を行う前に捜査機関に自ら出頭した場合、自首が成立します。
自首については、刑法で以下のとおり規定されています。

刑法42条1項 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

捜査機関から連絡が来ていない場合でも、既に捜査機関が犯人を「被疑者」と特定して捜査が行われていた場合には、自首が成立しません。
自首が成立することにより、
・「刑を減軽」されるかもしれない
・いつ逮捕されるか分からないという不安におびえなくて良い
・自首することで逃亡や証拠隠滅のおそれがないとして、逮捕・勾留されるリスクが下がる
というメリットがあります。

しかし、自首した場合には前科調書が作成され、捜査機関のデータベースに犯歴として残るいわゆる前歴が生じるというリスクがあります。
自首する前に、捜査機関から捜査を受ける可能性、自首のメリットを知りたいという場合、刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士に無料相談を受けることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、自首や出頭に同行する弁護活動を行っています。
自首した場合、その場で逮捕される可能性もあることから、事前に準備の上、必要に応じて弁護士が同行することでスムーズに手続が進むことが考えられます。
岐阜県大垣市にて、不同意わいせつ事件を起こしてしまい自首を検討されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)リフォーム中の民家に侵入して工具等を盗んだ疑いで男性が逮捕【岐阜県岐阜市】

2024-05-29

(事例紹介)リフォーム中の民家に侵入して工具等を盗んだ疑いで男性が逮捕【岐阜県岐阜市】

リフォーム中の民家に侵入して工具等を盗んだ疑いで男性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

岐阜中署は、建造物侵入と窃盗の疑いで、岐阜市の建築業の男を逮捕した。
逮捕容疑は愛知県内のリフォーム中の民家に侵入し、インパクトドライバ一1台など26点(計44万3000円相当)を盗んだ疑い。
署によると、容疑者は民家のリフォームに携わっていた。
古物店から「工具を頻繁に持ち込む客がいる」との通報を受け、捜査を進めていたところ、防犯カメラの解析から容疑者が浮上した。
逮捕された男は容疑を否認している。
(岐阜新聞「古物店「頻繁に工具持ち込む男が…」通報で発覚改修中民家侵入して工具盗んだ疑い、岐阜中署逮捕」(2024/1/30)を引用・参照の上、適宜修正。)

~建造物侵入と窃盗〜

(住居侵入等)
第130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し……た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

本件では、リフォーム業に携わっていた被疑者が、当該リフォーム中の民家から工具などを盗んだとして逮捕されています。
このようなケースでは、(業務上)横領が成立するか窃盗が成立するかが問題となり得ます。
どちらの罪が成立するかは、当該財物(本件であれば工具など)の占有が被疑者に認められるか否かがポイントとなります。
そうすると、本件の報道からは必ずしも明らかではないものの、少なくとも警察は本件財物の委託信任関係に基づく占有が被疑者にはないと判断したことから、窃盗罪によって逮捕したものと考えられます。
さらに、被疑者がリフォーム業に携わっている者であるとしても、窃盗目的で民家に出入りすることは看守者の意思に反する立入りであることは明らかであり、このような目的がある限り建造物侵入罪が成立することは否定できないでしょう。
なお、リフォーム中の民家は「人の住居」ではなく、「人の看守する……建造物」と考えられることから、住居侵入罪ではなく建造物侵入罪が成立することになるでしょう。

〜建造物侵入・窃盗事件における弁護活動~

被疑者が犯行を認めているいわゆる自白事件である場合、被害者との示談を成立させることが刑事処分を軽くするための弁護活動として重要性を帯びることになります。
もっとも、本件では被疑者は犯行を否認しています。
このようないわゆる否認事件においては、上記の自白事件とは別の考慮が必要となることが多いと考えられます。
特に否認事件では自白事件以上に苛烈な取調べが行われる可能性があるため、捜査官による被疑者に対する取調べに対する対応については弁護士によるアドバイス・助力が不可欠です。
そのためにも、まずは逮捕された早期段階から弁護士が接見(面会)することが極めて重要といえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、建造物侵入・窃盗事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
弊所には刑事事件を専門とする弁護士が多数所属しており、逮捕された方への迅速な接見対応が可能です。
建造物侵入・窃盗事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、接見対応等ご希望の場合、まずは24時間対応の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。

(事例紹介)幼児のズボン無理やり下げ履いていたパンツを奪った疑いで男性が逮捕【強盗事件】

2024-05-22

(事例紹介)幼児のズボン無理やり下げ履いていたパンツを奪った疑いで男性が逮捕【強盗事件】

岐阜で勾留されてしまった

幼児のズボン無理やり下げ履いていたパンツを奪った疑いで男性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

事例

岐阜県警関署と県警捜査1課は、強盗の疑いで、関市の会社員の男を逮捕した。
男は、関市内の商業施設のトイレで、県内在住の幼児(3)のズボンを無理やり下げ、幼児が抵抗できない状態でパンツ1枚を奪い取って逃げた疑い。
署によると、幼児は両親と商業施設を訪れていた。
パンツを着用していないことに気づいた両親が110番通報、幼児にけがはなかった。
(岐阜新聞「38歳男逮捕 商業施設トイレで被害、岐阜・関市」(2024/4/1)を引用・参照。)

~強盗における暴行・脅迫〜

(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(強盗)
第236条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2(略)

本件では、逮捕された男性は被害者の下着を奪い取っていますが、窃盗罪(刑法235条)ではなくなぜ強盗罪(236条1項)として逮捕されてしまったのでしょうか。
窃盗と(1項)強盗は、被害者の意思に反して「財物」を奪い取る点で共通します。
もっとも、強盗罪はこの財物奪取の手段として、「暴行又は脅迫」が用いられる点で区別されます。
ここでいう「暴行又は脅迫」とは、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものをいうと解されています。
そして、反抗抑圧状態に至っているか否かは、暴行・脅迫の態様や被害者の年齢・性別等の事情を考慮し客観的に判断されることになります。
本件では、報道からは被疑者男性による暴行(脅迫)の程度は詳らかではありませんが、何よりも、被害者の年齢がわずか3歳の幼児であったということが大きなファクターとなると考えられます。
この場合、幼児は殴り付けたりするまでもなく、成人男性から多少の有形力の行使等をされれば、簡単に抵抗不能な状態に陥ってしまうことは容易に想像できます。
したがって、被害者が極めて幼い場合には、比較的軽微な暴行・脅迫であっても反抗を抑圧するに足る程度に至っていると判断される可能性は十分にあるでしょう。
なお、仮に被害者に怪我まで負わせてしまった場合、罪名が強盗致傷罪(240条前段)となり、裁判員裁判対象事件となってしまうことに注意が必要です。

〜強盗事件における刑事弁護活動~

強盗で逮捕されてしまった場合、逮捕に引き継いで勾留(原則10日の身体拘束を伴う強制処分)される可能性が極めて高いのが現状です。
勾留を決定するかどうかはの判断は裁判官が行いますが(刑訴法207条1項、60条以下)、強盗事件においてこれを却下する決定を下すことはほとんどありません。
もっとも、被疑者・弁護士側にはまだ準抗告(429条1項2号)によって、勾留を認める決定を争う余地があります。
また、弁護士としては、このような身体拘束を争うほかに、強盗は成立せずあくまで窃盗にとどまるとの主張をすることも考えられるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強盗事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
弊所には検察官・裁判官の職務経験を持つ弁護士も複数所属しており、法曹三者の多角的視点により充実した弁護活動を行うことが可能です。
強盗事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

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