岐阜県可児市の中学校の男性教諭が口座譲渡の疑いで逮捕

岐阜県可児市の中学校の男性教諭が口座譲渡の疑いで逮捕

今回は、岐阜県可児市の中学校の男性教諭が口座譲渡の疑いで逮捕された報道につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

岐阜県可児市の中学校の男性教諭が、第三者に譲渡する目的で銀行口座を開設したとして懲戒処分となりました。

停職3か月の処分を受けたのは可児市立の中学校に勤務する30歳の男性教諭です。

岐阜県教育委員会などによりますと、男性教諭は2022年3月、第三者に譲渡する目的で3つの金融機関で口座を開設しました。

その後、この口座は特殊詐欺事件で使用され、男性教諭は口座譲渡の疑いで2023年2月に逮捕されています。

男性教諭には借金があったということで、その返済資金を工面しようとしていた際に、SNSで知り合った人物に「新しくキャッシュカードをつくって貸してくれれば現金を入金したうえで返却する」と持ち掛けられ、口座を開設したということです。

(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/551809?display=1 6月20日 「特殊詐欺に使われた銀行口座 譲渡目的で口座を作った男性教諭(30)を懲戒処分 きっかけはSNSでの勧誘・・・」より引用)

~口座譲渡罪とは?~

犯罪による収益の移転防止に関する法律第28条では、銀行口座の譲受や譲渡を禁止しています。
「キャッシュカードや通帳などを譲渡してもらえれば、〇〇円を融資する」などとうたうチラシやSNSのメッセージなどを読み、銀行口座を譲渡するケースがありますが、このような行為は立派な犯罪です。

融資の条件として口座の譲渡を受けようとする者は、特殊詐欺などの犯罪行為に用いるため、このような働きかけを行っている可能性が極めて高いです。
ケースの事件でも、男性教諭が開設した口座が特殊詐欺事件に利用されています。

また、口座を譲渡する行為が犯罪となることを知らずに譲渡しているケースも多く、「融資が実行されない」、「キャッシュカードや通帳が返ってこない。だまし取られた」として警察に相談した結果、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反の被疑者として検挙されるケースも珍しくありません。
口座の譲渡を条件として金銭を融資する、などとうたう者とは、決して関わってはなりません。

~詐欺罪が成立する可能性も~

判例(最高裁判所第三小法廷平成19年7月17日決定)によれば、第三者に譲渡する意図を秘して口座開設を申し込み、預金通帳やキャッシュカードの交付を受ける行為は詐欺罪を構成する可能性があります。

ケースの男性教諭は第三者に譲渡する目的で口座を開設したとのことですが、逮捕にかかる被疑事実が詐欺罪となっていない点については報道上、明らかではありません。
しかしながら、融資をもちかける者に譲渡するため、新しく口座を開設するなどした場合、詐欺罪に問われる可能性があります。

~特殊詐欺グループとの関与を疑われる~

前述の通り、譲渡した口座は特殊詐欺などの犯罪に用いられる可能性があります。
状況によっては、特殊詐欺グループを手助けしているなどの疑いをかけられ、厳しい取り調べを受ける可能性もあります。

口座譲渡の嫌疑をかけられた場合は、すぐに弁護士と相談し、今後の弁護活動についてアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
口座譲渡に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー