強盗事件の幇助犯

強盗事件の幇助犯

強盗罪の幇助犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは、先輩のBさんに呼び出され、Bさんに岐阜県高山市内にあるVさん宅に車で運転するように指示されました。
Aさんは、当初何のために呼び出されたのかさっぱり理解できていませんでしたが、車内でのBさんとの会話でBさんがVさん宅で強盗を行おうとしていることを知りました。
Aさんは、Bさんは気性が荒く、「加担したくない」と伝えると何をされるか分からないと考え、渋々車を運転しました。
その後、BさんはVさん宅で強盗事件を起こし、その帰りの運転をAさんがしました。
後日、Bさんは岐阜県警察高山警察署の警察官により強盗罪の容疑で逮捕され、Aさんもそれを手伝ったとして逮捕されてしまいました。
刑事事件例はフィクションです。)

【強盗罪の幇助犯とは】

刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

刑法60条1項
2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

刑法60条1項では、「2人以上共同して犯罪を実行した」場合、すべて「正犯」として扱われます。
すなわち、他の共犯者が行った行為についても、連帯責任を負わされます。
なお、刑法60条1項の「正犯」とは、自ら犯罪の実行行為を行う者をいいます。

刑法60条1項では、共犯(厳密には、共同正犯です。以下、同じです。)者間においていわば連帯責任を負わせることを定めていることから、共犯(共同正犯)であるというための成立要件は具体的には、①共犯(共同正犯)者間で意思の連絡があること、②犯罪行為(刑事事例でいえば強盗行為)を共同していることが必要であるとされています。

刑法63条
従犯の刑は正犯の刑を減軽する。

刑法63条の「従犯」とは、幇助犯ともいい、犯罪の実行行為以外の行為で正犯(自ら犯罪の実行行為を行う者)の実行行為を容易にさせることをいいます。

すでに述べた共犯(共同正犯)が認められない場合であったとしても、幇助犯の成立が認められる可能性があります。
平たくいえば、幇助犯は、共犯(共同正犯)の下位互換といえます。

【刑事事件例では】

刑事事件例のように、強盗事件の主犯者(正犯)の方との意思の連絡がなく、また、犯罪行為の重要部分を担当したという事情もありません。
とすれば、Aさんは自らのために強盗罪を犯したとはいえないと考えられます。

とすれば、強盗罪のいわば主犯格(共同正犯)としてではなく、強盗事件の主犯者(正犯)の強盗行為を容易にしたものとして、強盗罪の幇助犯が成立すると考えられます。
共犯(共同正犯)の下位互換である幇助犯が成立しそうであるといえるのです。

【強盗罪の幇助事件を解決するためには】

強盗罪の幇助事件を解決するために行われる示談では、強盗事件の主犯者(正犯)と協力して被害弁償金を決定することも考えられます。
そもそも強盗事件の主犯者(正犯)と一緒に示談交渉をするのが良いのか、強盗事件の主犯者(正犯)と一緒に示談交渉をするとして、実際にどの割合で責任を分担するのかといったことは、実際の刑事事件強盗事件)の経緯や態様、支払能力、被害者の方の意向などを考慮して決定されると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
強盗罪のような重大犯罪に詳しい弁護士が、初回無料法律相談初回接見サービスを行っています。
強盗罪の幇助犯についてご心配の方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

 

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