羽島市で強盗事件で男性が逮捕
羽島市で強盗事件で男性が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事案
岐阜県羽島市のコンビニに男が押し入り、現金が奪われた強盗事件で、警察は、63歳の男を逮捕しました。
警察によりますと、被疑者は、岐阜県羽島市江吉良町のコンビニで女性店員に刃物を突き付け、現金およそ36万円を奪った疑いがもたれています。
防犯カメラの映像などを解析し、被疑者の特定に至りましたが、警察の調べに対し、容疑を否認しているということです。
(名古屋テレビ 「岐阜・羽島市のコンビニ強盗事件で63歳の男を逮捕 防犯カメラの映像解析などで特定も容疑を否認」(2023/5/28)を引用・参照)。
~財産犯の中でも特に重い強盗罪~
(強盗)
第236条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(強盗予備)
第237条 強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、2年以下の懲役に処する。
強盗罪は、窃盗罪(刑法235条)を中心とした財産罪の中でも「5年以上の有期懲役」と最も重く処罰されており、殺人罪などの法定刑の重い犯罪と同じく予備行為まで処罰されていることにその重罪性が表れているといえます。
そして、刑法の謙抑性の観点からすれば、このような重い処罰が正当化されるには、行為自体が違法性が高いものである必要があります。
強盗罪は「他人の財物」を一方的に奪う点では、窃盗罪と変わるところはありません。
強盗罪の重い処罰を基礎付けるのは、その手段として「暴行又は強迫」が用いられることにあります。
本事案に即して言えば、現金を奪う手段として「脅迫」が用いられていますが、これは脅迫罪(刑法222条)にいう「脅迫」が行われるのでは足りません。
その手段としての「脅迫」行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度まで強度のものであって、はじめて強盗罪の重罪性が基礎付けられるほどの違法性が認められるのです。
~否認事件における類型~
本件では逮捕された被疑者は容疑を否認していますが、これはいわゆる犯人性否認に当たるものです。
犯人性否認とは、真犯人は別に存在し犯人と誤認された旨を主張するものです。
当然、冤罪(無実)であることが前提となる主張ですから、弁護士としても最も深刻に捉えるべき事件の一つであることは間違いありません。
このような事件における弁護活動としては、まずアリバイの主張が考えられます。
かかる主張は積極的な証拠が残っているとも限らず、綿密なシミュレーションなどを重ねたケースストーリーの構築が求められることになります。
今回の事件のような場合、防犯カメラの映像が犯人特定の決め手になったと考えられることから、当該映像の科学的鑑定など他の専門家の力を借りることも場合によっては必要になってくるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、否認事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
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