準強制わいせつ事件で逮捕

準強制わいせつ事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県海津市の整体院で、施術と偽り客の女性にわいせつな行為をしたとして、岐阜県海津警察署は整体師のAさんを準強制わいせつの容疑で逮捕しました。
客の女性が、警察に「施術中にわいせつな行為をされた」と相談したことで事件が発覚しました。
この女性以外にもAさんによるわいせつ被害を警察に相談している客がおり、警察はさらに捜査を進める方針です。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、刑事事件に強い弁護士に事件について相談の電話を入れました。
(フィクションです)

準強制わいせつ罪

準強制わいせつ罪は、
①(a)人の心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、または、
 (b)心身を喪失させ、もしくは抗拒不能にさせて
②わいせつな行為をする
ことを内容とする犯罪です。

暴行または脅迫を手段として用い、わいせつな行為をする場合には、「強制わいせつ罪」が成立しますが、「準強制わいせつ罪」は、暴行・脅迫の手段を用いずに、被害者の抵抗困難な状態を利用して、わいせつな行為を行う場合を処罰するものです。

①(a)人の心身喪失・抗拒不能に乗じ
「心神喪失」とは、精神的または生理的な障害により、正常な判断ができない状態にあることをいいます。
例えば、睡眠や酩酊状態や、高度の精神病または精神遅滞により被害者が行為の意味を理解できない場合が「心神喪失」に当たります。
「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由で、物理的・心理的に抵抗することが不可能または著しく困難な状態にあることを意味します。
物理的に抵抗することができない場合というのは、例えば、手足を縛られている場合であり、心理的に抵抗不可能な場合とは、錯誤や畏怖状態に陥っている場合などです。
強制わいせつ罪における心神喪失・抗拒不能は、どの程度のものである必要があるのかという点については、完全に不可能であることまでは必要とされず、犯行が著しく困難であれば足りるとされています。
心神喪失・抗拒不能に「乗じて」とは、犯人の行為と関係なく存在する抵抗不能な状態を利用する場合のことです。

②(b)心身を喪失させ、抗拒不能にさせて
犯人が、暴行・脅迫以外の手段を用いて、被害者の抵抗不能な状態を惹起する場合を指します。
例えば、被害者に睡眠薬を飲ませて、眠り込ませたところをわいせつな行為に及ぶ場合です。

準強制わいせつ罪の成立には、故意がなければなりません。
準強制わいせつ罪における故意として、犯人において、被害者が心神喪失・抗拒不能の状態であることを認識する必要があります。

準強制わいせつで逮捕されたら

準強制わいせつ事件で逮捕された場合、その後勾留となる可能性があります。
「勾留」というのは、被疑者・被告人を拘禁する裁判およびその執行のことをいいます。
検察官からの請求を受けて、裁判官が勾留について判断します。
起訴前の勾留を「被疑者勾留」、起訴後の勾留を「被告人勾留」と呼びます。
今回は、被疑者勾留について説明します。

裁判官は、勾留の要件を満たしているかどうかを検討し、勾留の有無を決定します。
勾留の要件には、①勾留の理由、そして、②勾留の必要性の2つがあります。

①勾留の理由
勾留の理由とは、被疑者・被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、かつ、(1)定まった住居を有しない、(2)罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある、または、(3)逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき、いずれかに該当することです。
被害者との関係如何では、釈放すれば被害者と接触し供述を変えるよう迫る可能背があると、(2)に該当すると判断されることがあります。

②勾留の必要性
勾留の必要性とは、勾留の相当性とも言われるもので、勾留の理由がある場合であっても、被疑者を勾留することによって得られる利益と、勾留により被る被疑者の不利益とを比較衡量し、それでも被疑者を勾留する必要があることです。

これらの要件を満たすと判断されれば、勾留の決定がなされ、検察官が勾留請求した日から原則10日間、延長となれば最大で20日間の身体拘束を余儀なくされるのです。
身体拘束が長期化すればするほど、その期間職場や学校に行くことができなくなりますので、事件が周囲に発覚し、最悪の場合には懲戒解雇や退学となる可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、早期に弁護士に相談し、身柄解放活動に取り掛かるのがよいでしょう。

そして、準強制わいせつ事件では、被害者に対する対応も、最終的な処分や身柄解放にも大きく影響することになります。
被害者との間で示談が成立している場合には、不起訴で事件が終了したり、起訴された場合であっても被告人に有利な事情として考慮され執行猶予となる可能性を高めることができるでしょう。
そのため、示談交渉を含めた被害者への対応についても、早い段階から行うことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が準強制わいせつ事件で逮捕されて対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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