住居侵入・窃盗事件(複数の犯罪事件)

住居侵入・窃盗事件(複数の犯罪事件)

住居侵入・窃盗事件(複数の犯罪事件)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

岐阜県可児市に住むAさんは、金策に困っていたことから、致し方ないと思い、友人のVさんから何とかしてお金を盗み取ることを考えました。
そこで、Aさんは、財布を盗む目的で、Vさん宅に赴き、「遊びに来た」と告げ、Vさん宅に上がりました。
そして、Vさんが目を離している隙に、置いてあったVさんの財物を無断で持ち去りました。
後日、Aさんは、Vさんの財布からキャッシュカードを抜き取り、銀行で現金を下ろしました。
数週間後、Aさんは岐阜県可児警察署の警察官により逮捕されてしまいました。
刑事事件例はフィクションです。)

【住居侵入罪は成立しますか?】

刑事事件例では、住居侵入罪が成立するかという疑問についてお答えします。

刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

住居侵入罪の成立要件は、「正当な理由がないのに、人の住居」「に侵入」することです。

この住居侵入罪の成立要件である「侵入」とは、住居権者の意思に反する態様の立入りのことをいいます。
これは、住居侵入罪によって保護される利益が、誰に住居に立ち入らせ、滞在を許すかを決める住居(住居権)にあると考えられているからです。

刑事事件例では、Aさんは、Vさんに対して「遊びに来た」と虚偽の事実を伝えています。
仮にVさんが真実、つまりAさんが窃盗をしに来たと知っていたら、VさんはAさんの立入りを許さなかったはずです。

とすれば、一見するとAさんはVさんの立入りをゆるしたかのように見えますが、このVさんの許可は無効となると考えられます。
よって、Aさんの立入りは、住居権者たるVさんの意思に反する態様の立入りとして、住居侵入罪の「侵入」に当たると考えられます。

その他、Aさんの侵入に「正当な理由」はなかったと考えられますので、Aさんには住居侵入罪が成立すると考えられます。

【窃盗罪は成立しますか?】

刑事事件例では、窃盗罪が成立するかという疑問についてお答えします。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪の成立要件は、「他人の財物を窃取」することです。
窃盗罪の「窃取」とは、他人の占有(事実上支配することをいいます。)する財物を、その占有者の意思に反して自己の占有に移転させる行為をいいます。

まず、AさんがVさん宅からVさんの財布を無断で持ち去った行為については、窃盗罪の「窃取」といえ、窃盗罪が成立するでしょう。

次に、AさんがVさんの財布に入っていたキャッシュカードを使ってATMから現金を引き出した行為については、銀行の現金に対する占有を侵害する行為であるとして窃盗罪の「窃取」に当たるといえます。
とすると、このAさんの行為にも窃盗罪が成立すると考えられます。

以上、Aさんの2つの行為は、社会的に見て、別個独立した行為・犯罪であると評価されます。
すなわち、Aさんには2つの窃盗罪が成立するのです。

【複数の犯罪が成立する場合、どうすればいいですか?】

刑事事件例の住居侵入罪窃盗罪窃盗罪というように、複数の犯罪が成立する場合、どうすればいいかという疑問についてお答えします。

複数の犯罪が成立した場合、複数の犯罪の被害の分だけ示談をするという方法が考えられます。

例えば、Vさんの自宅に立ち入った行為についての住居侵入事件、Vさんの財布を無断で持ち去った行為についての窃盗事件では、それぞれに被害が生じていると考えられます。
仮に示談交渉をすることになった場合、住居侵入事件窃盗事件の示談交渉は、まとめて行われる(交渉の窓口としては一つになる)と考えられますが、それぞれの被害を考慮して、示談条件や被害弁償金額が決定されると考えられます。

複数の犯罪が成立した場合、その示談交渉は比較的長引くことも予想されるので、示談をスピード解決することのできる刑事事件に強い刑事弁護士に任せることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
住居侵入窃盗事件(複数の犯罪事件)についてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

 

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