刑事事件と刑罰

刑事事件と刑罰

刑事事件と刑罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

岐阜県各務原警察署は、Aさんを強制わいせつの疑いで逮捕しました。
Aさんは容疑を認めています。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、Aさんにどんな刑罰が科されることになるのか心配でなりません。
Aさんの家族は、Aさんにはきちんと反省して更生してほしいと思っていますが、できる限り受ける処分が軽くならないかと思い、刑事事件専門弁護士に相談しています。
(フィクションです。)

刑事事件とは、法律で予め犯罪であることが定めらている行為をしたと疑われる者(被疑者、被告人)について、警察や検察などの国の捜査機関が、その者が犯罪を行ったのかどうか捜査を行い、裁判官(裁判員裁判の場合は、裁判員も)がその者が犯罪を行ったかどうか、行ったのであればどのような刑罰を科すべきかについて判断する手続のことをいいます。

刑事事件では、民事事件とは異なり、訴えることができるのは「検察官」だけです。
犯罪の直接の被害を被った被害者であっても、加害者を刑事事件において訴えることはできません。
検察官が訴える、つまり公訴を提起すること(起訴)により、被疑者は「被告人」となり、刑事裁判の当事者となります。
刑事裁判では、検察官が主張するストーリー(犯罪事実)が合理的な疑いを入れない程度に証明されたか否かを、裁判官(裁判員裁判の場合には、裁判員も)が判断します。
法廷で提出された証拠から、検察官の主張が合理的な疑いを差し込む余地のない程度に立証されたと判断された場合、被告人に対して有罪判決が言い渡されます。
そして、刑罰も言い渡されます。

刑罰とは、有罪判決を受けた者に対して、その者の生命や自由、財産を強制的に奪うことです。
この刑罰の意義については、様々な立場から主張されますが、応報、一般予防、特別予防を目的とするものと捉えられます。
ハンムラビ法典の「目には目を、歯には歯を」という有名な言葉をご存じと思いますが、応報はまさにこの言葉に表されるものです。
罪を犯した者は、その責任としてそれ相応の苦痛を与えられるべきだというものです。
加えて、罪を犯せば刑罰が科されることを社会に広く周知させることで、社会の一般人を威嚇し、犯罪を予防するという意味や、犯罪を犯した者に対して刑罰を科すことで、犯罪を犯した者自身を改善・更生し、再び罪を犯すことを予防するという意味もあります。

刑罰の種類

刑罰には、その剥奪する法益の種類によって、生命刑、身体刑、自由刑、財産刑に分けられます。

①生命刑
生命刑は、人の命を奪う刑罰です。
日本では「死刑」と呼ばれ、刑事施設内で絞首の方法により執行されます。

②自由刑
自由刑は、人の自由を奪う刑罰です。
自由刑を言い渡された者は、刑務所などの刑事施設に収容され、移動や生活を大幅に制限されることになります。
自由刑には、「懲役」、「禁固」、「拘留」の3つがあります。

「懲役」は、無期若しくは1か月以上20年以下の期間刑務所などの刑事施設に収容されます。
受刑者は、そこで所定の作業が科されます。

一方、「禁固」は、無期若しくは1か月以上20年以下の期間刑務所などの刑事施設に収容される点では懲役を同じですが、作業については選択することができます。

「拘留」は、刑事施設に収容される点では懲役や禁固と同じですが、その期間は1日以上30日未満と短いものです。
しかし、懲役や禁固とは異なり、執行猶予を付けることができないので、拘留の判決は必ず実刑となります。

③財産刑
財産刑は、人の財産を奪う刑罰です。
財産刑には、「罰金」と「科料」、「没収」があります。

「罰金」は、1万円以上の金銭を納付する財産刑です。
納付することができない場合は、労役留置場に留置され、働いて支払うことになります。

「科料」は、1000円以上1万円未満の金銭を納付する財産刑です。
科料も罰金と同様、納めることができない場合には、労役留置施設に留置され、働いて支払うことになります。

「没収」とは、犯罪に関係のある物の所有権を国に移し、国庫に帰属させる財産刑です。
没収は、他の刑罰とは異なり付加刑であるので、主刑から独立して科すことはできません。

以上のように、裁判で有罪となった場合には、数ある刑罰の種類から選択して刑罰が科されることになります。

しかしながら、すべての事件が起訴されるわけではありませんので、できる限り起訴される前に、被害者との示談を成立させる等、不起訴で事件が終了するよう働きかけることは重要です。
また、起訴された場合であっても、執行猶予や刑の減軽などできる限り寛大な処分となるよう動く必要があるでしょう。

そのためには、刑事事件に精通する弁護士に早期に相談し、対応していくことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件の被疑者・被告人となり対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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