無賃乗車による事件

岐阜県養老町の無賃乗車事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

~事件~

都心で独り暮らしをしているAさんは、岐阜県養老町の実家に帰省する予定でしたが、事前にお金を使い過ぎたために、その電車賃がありませんでした。
Aさんは、混雑期であれば簡単にキセル乗車ができると考え、最寄りの駅で入場券を購入し、そのまま電車に乗って実家近くの駅で電車を降りました。
そして改札口付近で駅員の隙をうかがっていたところ、警戒中の鉄道警察隊の警察官に見つかったAさんは、不正乗車が発覚し、駅内の交番に連行されました。
警察官から取調べを受けたAさんは、両親が迎えに来て帰宅することができましたが、後日、再び警察官から呼び出すことを告げられたAさんは、今後の事が不安で刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。(フィクションです)

~電車の不正乗車事件~

電車の不正乗車をキセルと言います。
昔は乗務員が電車内で乗車券を確認していましたが、最近はICカードを利用する乗客が増えてきたことから、新幹線などの特急列車でなければ乗車券の確認はあまりありません。
そのため電車を利用する際に不正乗車が行われることが多々あります。
また、最近では高齢者に対しての福祉として、敬老パス等公共交通機関を利用する際に割引が受けられるものを、転売や不正利用するケースが報告されています。
大きな事件としては報道されていませんが、不正利用が増加すると行政や警察も対策を強化することになり、厳しい取り締まりが行われる可能性があります。

~詐欺罪~

公共交通機関での不正乗車は、犯行の態様によっ適用されるのは、鉄道営業法や軽犯罪法等様々な法律があり、一概に取り締まられる法律が定まっていないと言えます。
常習的に不正乗車を繰り返し正規の乗車料金を支払っていないことが立証された場合は、詐欺罪の適用を受ける可能性があります。
人を騙して財物を得ることによって成立する詐欺罪は、刑法第246条に規定された法律で、起訴され有罪判決を受けると「10年以下の懲役」が科せられることになります。
Aさんの程度の不正乗車(キセル)事件であれば、詐欺罪が適用されたとしても、比較的軽微な刑事事件として扱われることが大半で、余程のことが無ければ逮捕されることは無く、被害額を弁償し事件化しない又は不起訴処分で終了することになることが多いでしょう。
しかし、余罪が多数ある場合など、犯情が悪質な場合は、詐欺罪には罰金刑が規定されていないが故に、起訴されれば執行猶予付判決を得ない限り刑務所に服役しなければなりません。

~その他の法律~

絶対に不正乗車(キセル)に詐欺罪が適用されるとは限りません。
そもそも詐欺罪は人を騙して財物を得たり、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた場合に成立する犯罪です。
そのため、その成立には「欺罔行為(人を騙す行為)」が必要不可欠となります。
しかし自動改札機が普及している現代、不正乗車(キセル)の全てに、この行為が存在するとは限りません。。
それでは詐欺罪が成立しなかった場合、Aさんの行為を取り締まる法律はないのでしょうか。
その場合、鉄道営業法が適用される可能性があります。
鉄道営業法第29条には、有効な乗車券をなくして乗車することを禁止しています。
これに違反した者には50万円以下の罰金又は科料が科せられる可能性があります。

岐阜県養老町の刑事事件でお困りの方、不正乗車(キセル)で警察の取調べを受けておられる方は、刑事事件専門の法律事務所「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

 

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