器物損壊で不起訴

器物損壊不起訴獲得に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県可児市にある民家の敷地内に止めてあった車の車体を石を使って複数回傷を付けたとして、岐阜県可児警察署は、市内に住むAさんを器物損壊の疑いで逮捕しました。
Aさんが車体の側面と後方に石のような物で引っかいた後、立ち去り際に石を捨てる様子が被害者宅の防犯カメラに映っていました。
被害者は、以前から何度か車を傷付けられることがあったため、防犯カメラを設置し犯人の様子をとらえようとしていました。
被害者は、岐阜県可児警察署に被害届を提出しており、執拗な嫌がらせ行為に対して憤りを感じています。
Aさんは、自身の行為を猛省しており、被害者に対して謝罪と被害弁償をしたいと考えています。
(フィクションです)

器物損壊罪

器物損壊罪は、刑法の261条で次のように規定されています。

前3条〔258条・259条・260条〕に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

◇客体◇

器物損壊罪の客体は、「前3条に規定するもののほか、他人の物」です。
つまり、公用文書等毀棄罪、私用文書等毀棄罪、建造物等損壊罪の客体以外のすべての物です。
動産だけでなく、不動産も含まれます。
また、動物も本罪の客体です。

◇行為◇

器物損壊罪の行為は、他人の物を「損壊・傷害」することです。
「損壊」というのは、物質的に物の全部、一部を害し又は物の本来の効用を失わせる行為を意味し、物理的な破壊に限りません。
例えば、他人の飲食器に放尿する行為は、当該飲食器自体を破壊して使用できなくしているわけではありませんが、通常人は放尿された飲食器を使用したいとは思わないので、行為後に飲食器として使用することができないため、飲食器の物の効用を害したと言え、当該行為が「損壊」に当たると理解されます。
「傷害」とは、動物に対する損壊のことで、動物を殺傷したり、逃がしたりすることです。

◇故意◇

器物損壊罪は故意犯ですので、不注意で(過失により)傷付けてしまった場合には本罪は成立しません。
しかし、客体が他人の所有に属するものであること、そして当該行為により客体を物理的に毀損し又は客体の効用を害することを認識していた場合には、故意が認められ器物損壊罪は成立します。

器物損壊事件で不起訴獲得に向けた活動

器物損壊事件において、容疑を認めている場合、不起訴となるためには、何よりもまず被害者との間で示談を成立させることが重要です。
なぜならば、器物損壊罪は親告罪といって、被害者などの告訴権者による告訴がなければ検察官は公訴を提起することができない罪であるからです。
告訴というのは、被害者などの告訴権を持つ者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求めることをいいます。
つまり、器物損壊事件においては、示談成立に加えて告訴取消し(若しくは告訴しない約束)までしてもらえば、確実に不起訴で事件を終了することができます。
そのため、器物損壊事件で不起訴を目指す際には被害者との示談交渉が必要不可欠なのですが、示談交渉を当事者間で行うことはあまりお勧めできません。
当事者同士では、感情的になり交渉が難航する傾向があり、当事者間で示談をまとめることは容易ではないからです。
また、そもそも被害者の連絡先を被疑者本人やその関係者が入手することは簡単ではなく、被害者が直接被疑者に連絡先を教えたがらないケースは少なくありません。
その点、弁護士であれば、弁護士限りでの話し合いという形で捜査機関を通じて被害者に示談交渉を申し入れますので、交渉に応じてくれる被害者も多く、示談交渉も冷静に行うことができます。
弁護士は、示談が成立した場合には、成立の証拠となる示談書等を作成し、後に検察官に提出します。

執拗な嫌がらせを受けた被害者は、加害者に嫌悪感や恐怖感を抱いていることが多く、加害者と直接連絡をとりたがらないことや、連絡をとっても当事者間で感情的になり交渉がなかなかうまくすすまないことが少なくありません。
また、加害者本人も自ら被害者と話合うことに躊躇い、弁護士を介して交渉を行うことにメリットを感じられる方も多くいらっしゃいます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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