【事例】
岐阜県岐阜市に住むAさんは、大学時代の友人からの紹介がきっかけで、自宅でたびたび危険ドラッグを摂取するようになりました。
ある日、Aさんが危険ドラッグを摂取して外出したところ、近辺を警らしていた警察官に声を掛けられました。
警察官は、Aさんの受け答えから何らかの薬物犯罪の疑いをもち、Aさんを岐阜県岐阜南警察署まで連れて行きました。
検査の結果、Aさんに指定薬物を含む危険ドラッグを所持している疑いが持たれ、Aさんは家宅捜索を経て薬機法違反の疑いで逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、Aさんに今回の同様の前科があることを知り、裁判に向けて情状弁護の準備をすることにしました。
(フィクションです。)
【危険ドラッグ所持について】
危険ドラッグとは、麻薬や覚せい剤といった既存の薬物に手を加え、既存の薬物と同等かそれ以上の危険性を持つに至った薬物です。
もともと、危険ドラッグは既存の薬物に対する法規制を潜り抜けるために製造されたものです。
ですが、製造の過程で様々な物が混入した結果、本来目指していた薬物の作用より危険なものになってしまうことが出現してしまったようです。
危険ドラッグに関する規制は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」(通称:薬機法など)により行われています。
薬機法は、医療をはじめとする一定の用途以外で、「指定薬物」の所持、売買、製造などの行為を行うことを禁止しています。
そして、危険ドラッグの多くは、厚生労働省が定める省令によって「指定薬物」と認定された物質を含んでいます。
このようにして、危険ドラッグの規制が行われているのです。
危険ドラッグを所持した場合、薬機法違反として①3年以下の懲役、②300万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかが科されるおそれがあります。
もし大量に所持していたなど犯情が重ければ、科される刑は厳しいものになることが予想されるでしょう。
【危険ドラッグ所持事件での情状弁護】
危険ドラッグに関する罪は、覚せい剤や麻薬といった他の薬物と比べて法定刑が軽くなっています。
そのため、特に初犯の場合、略式起訴により罰金刑が科されて直ちに事件が終了することもよく見られます。
とはいえ、略式起訴となるかは具体的な事件の内容と検察官の裁量によりますし、何より前科があったり犯情が重かったりすれば正式裁判の可能性は飛躍的に高まります。
そうしたケースでは、情状弁護により少しでも刑を軽くすることが重要となります。
情状弁護は、裁判において被告人に有利な事情を主張し、執行猶予や検察官の求刑より軽い刑といった、より寛大な判決を求める弁護活動です。
情状弁護において主張する内容は、犯罪の動機や内容といった犯罪に関する事情だけでなく、反省の態度や被害弁償といった犯罪後の事情も含まれます。
刑事事件における刑罰には、制裁的な側面と犯罪予防的な側面があると考えられています。
そのため、情状弁護を効果的に行うには、この2つの側面に結びつく事情を的確に選択する必要があります。
具体的にいかなる事情を主張するのが良いかは、どうしてもひとりひとりの事件の内容により異なってくるものです。
情状弁護の内容次第で執行猶予の可能性や刑の減軽の程度も変わってくるので、情状弁護の実効性を高めるならぜひ法律の専門家である弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、危険ドラッグに詳しい刑事事件専門の弁護士が、個々の事件に応じて最適な情状弁護を行います。
ご家族などが危険ドラッグ所持の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。事務所での法律相談料は初回無料です。