公務執行妨害罪で観護措置回避

公務執行妨害罪で観護措置回避

Aさんは、岐阜県下呂市内の中学校に通う中学3年生です。
Aさんには悪友のBさんとCさんがおり、放課後に2人で遊ぶのが日課となっていました。
ある日、Aさんは学校近くの空き地でBさんらと集まり、着火剤とライターを用いて火遊びを始めました。
その様子を目撃した岐阜県下呂警察署の警察官は、「君たち、何してるの」とAさんらに声を掛けました。
気が強くなっていたAさんは、近づく警察官に対して「おいポリ公。それ以上近づくと制服燃やすぞ」などと笑いながら言ってライターの火をかざしました。
この行為により、Aさんは公務執行妨害罪の疑いで逮捕されました。
事件が家庭裁判所へ送致された後、Aさんの付添人となった弁護士は、Aさんの観護措置回避を目指すことにしました。
(フィクションです。)

【公務執行妨害罪について】

公務員が職務を執行するに当たり、その公務員に対して暴行または脅迫を加えた場合、公務執行妨害罪が成立する可能性があります。
刑法が公務執行妨害罪を通して保護しているのは、公務員の職務の円滑な遂行です。
そのため、公務執行妨害罪の手段となる暴行・脅迫は、暴行罪・脅迫罪に当たる一般的な暴行・脅迫よりももう少し広い範囲の行為を指すことがあります。

上記事例では、Aさんらの行為を見つけて近づいてきた警察官に対し、Aさんが制服を燃やす旨告知してライターの火をかざしています。
このような行為は、普段数々の犯罪者と対峙する警察官にとって取るに足らない行為と思われるかもしれません。
ですが、こうした行為も職務の執行を妨害するおそれがある以上、公務執行妨害罪が成立する可能性はあります。

ちなみに、公務執行妨害罪を犯すに際して公務員に怪我などの傷害を負わせた場合、公務執行妨害罪と併せて傷害罪が成立する可能性もあります。
そうなれば事件の重大性は高まるので、少年の要保護性は高いと評価されることがあるでしょう。

【観護措置回避を目指す】

被疑者を20歳未満の者とする少年事件では、通常の刑事事件とは異なり、保護処分という少年の更生および健全な育成を目指した措置が目指されます。
その関係で、そこに至るまでの手続も通常の刑事事件と比べて様々な違いが見受けられます。

少年事件に特有の手続の一つとして、家庭裁判所における諸々の手続があります。
その中に、少年に対する処分を決めるための調査および審判に向けて、少年の行動観察や精神鑑別などを行う観護措置というものがあります。
観護措置には在宅で行うものと少年鑑別所で行うものがありますが、実務上殆どの場合は少年鑑別所が選ばれます(収容観護)。

収容観護による観護措置の決定が下されると、少年は2週間から8週間(多くの場合4週間)少年鑑別所に収容されます。
これは通常の刑事事件の手続である逮捕・勾留が行われた後になされることもあり、そうなると身体拘束は長期に及んでしまいます。
この観護措置による不利益を回避するには、観護措置の必要性が薄く、なおかつ観護措置が行われた場合に生ずる不利益が大きいことを積極的に主張する必要があります。
こうした主張は少年事件に詳しい弁護士の得意分野なので、もし観護措置を回避して早期釈放を目指すなら、ぜひ弁護士に事件を依頼してください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件を専門とする弁護士が、観護措置回避をはじめとしてお子さんの不利益を回避する様々な弁護活動を行います。
お子さんが公務執行妨害罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

 

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