【窃盗】カードの不正使用事件に関する裁判例を紹介

【窃盗】カードの不正使用事件に関する裁判例を紹介

カードの不正使用事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案:NHK受信料の集金業務を委託されていた会社から契約者情報が漏れて悪用された事件で、契約者情報を共犯者に伝え、キャッシュカードを盗むなどしたとして窃盗罪に問われた被告人の判決があり、名古屋地裁は懲役3年執行猶予5年(求刑懲役3年)を言い渡した。
判決によると、被告人は別の被告人と共謀し、名古屋市や愛知県春日井市の70~80代の女性3人からキャッシュカード計4枚を窃取。うち3枚を使ってコンビニエンスストアのATMで計249万9千円を引き出した。
(朝日新聞「NHK集金で得た個人情報使って窃盗、元社長に有罪判決」(2020/2/14)を引用・参照)。

~カードの不正使用事件(窃盗事件)~

わが国の刑法犯の認知・検挙件数の7割は、窃盗犯で占められています。
それほど窃盗という犯罪は、加害者・被害者あるいは第三者としても、我々にとって身近なものであるということができるでしょう。
もっとも、本事例のようなATMからの引出し行為までもが窃盗罪に当たるというのは、一般感覚的に違和感を持たれる方もいるかもしれません

そこで、刑法をみてみると、刑法235条は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」との規定を置いています。
これに対し、刑法246条1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と、詐欺罪に関する規定を置いています。
例えば、銀行の窓口で他人になりすまし他人のキャッシュカード等を使い現金を引き出した場合には、上記246条1項に該当することになり、詐欺罪が成立することになります。
これに対し、ATMは「人」ではないため、他人の財物(なお、ここでは現金自体は銀行の財物ということになります)をその意思に反して盗んだわけですから、詐欺罪は成立せず、窃盗罪が成立することになるのです。

~カードの不正使用(窃盗)事件における弁護活動~

本事案の場合、被告人には懲役3年執行猶予5年(求刑懲役3年)の執行猶予判決が言い渡されています。
もっとも、カードの不正使用に関する他のケースをみると、自ら経営していた施設の利用者から預かっていたキャッシュカードを使い不正に現金(約計1500万円)を引き出した被告人に対し、懲役6年が求刑された事案が存在します。
この例ではまだ判決は下されておらず(本稿執筆時点)、不透明な部分は残りますが、求刑と量刑の相場のようなものは専門知に属する部類のものであることから、専門家たる刑事弁護士と相談・協議することが不可欠といえるでしょう。
また、公判(裁判)が開かれる前の段階での弁護活動や、事前にその後の見通しを持っておくことは被疑者・被告人となってしまった方にとって大きなメリットとなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
窃盗事件で逮捕・起訴等された方やそのご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

 

 

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