傷害事件で不起訴を獲得するための活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
会社員のAさんは、会社の部下に対して、顔面を複数回殴る等し、加療約2週間を要する顔面打撲の傷害を負わせたとして、岐阜県山県警察署に傷害の容疑で逮捕されました。
Aさんは容疑を認めており、被害者に対して謝罪と被害弁償をしたいと考えています。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、すぐに対応してくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)
不起訴とは
捜査機関による捜査が開始され、一応の目途がつくと、捜査は終結します。
警察における処理と、検察官における処理とがあります。
警察は、犯罪の捜査をしたときは、書類および証拠物とともに事件を検察官に送致します。
原則として、すべての事件が検察官のもとに送られ、検察官が事件を処理することになります。
検察官による処理には、終結的な処理である終局処分と、終局処分にむけられて処理を保留したり、別の検察官に処理を委ねる中間処分とがあります。
終局処分には、起訴処分、不起訴処分、家庭裁判所送致とがあります。
起訴処分とは、公訴提起のことで、不起訴処分とは、公訴を提起しない処分のことです。
このように、検察官は、起訴・不起訴などの事件処理をする権限を有しています。
検察官が公訴を提起しなければ、裁判所は審理をすることはできません。
そのため、公訴が提起されなければ、有罪となることもありません。
つまり、不起訴となれば、前科が付くこともありません。
不起訴処分には、その理由によって、主に、次の種類があります。
①罪とならず
被疑者に責任能力がない、被疑事実が構成要件に該当しない、違法性阻却事由に該当するなど、罪とならない場合。
②嫌疑なし
犯罪を認定する証拠がない場合や、人違いであった場合。
③嫌疑不十分
嫌疑はあるものの、犯罪を立証するには証拠が不十分である場合。
④起訴猶予
犯罪を起こしたことが事実であり、それを立証するだけの十分な証拠もあるが、被疑者の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、情状、示談の有無によって、公訴を提起するまでもない場合。
不起訴処分となる事件の多くが、④の起訴猶予によるものです。
そのため、容疑を認めている場合には、起訴猶予による不起訴処分獲得を目指すことになります。
傷害事件で不起訴を獲得するためには
傷害事件では、傷害を負った被害者が存在します。
被害者がいる事件における重要な弁護活動のひとつに、被害者との示談交渉があります。
先述したように、被害者との示談が成立しているか否かといった点は、検察官が起訴・不起訴を決める際に考慮される要素のひとつです。
被害者との示談が成立している場合には、不起訴処分となる可能性は高いと言えるでしょう。
被害者との示談、つまり、今回の事件は当事者間で解決したとする合意を成立させることは、加害者・被害者の当事者間で行うことも不可能ではありません。
しかし、罪証隠滅の観点から、捜査機関が加害者側に被害者の連絡先を教えない場合や、損害を被った被害者が加害者との接触を嫌がる場合も珍しくなく、被害者と連絡をとることすらできない場合もあります。
例え、被害者と連絡がとれたとしても、やったやってないの水掛け論になり、交渉が難航することも多く、当事者間での交渉はあまりお勧めできません。
通常、被害者との示談交渉は、弁護士を介して行います。
弁護士であれば、捜査機関を通じて被害者の連絡先を教えてもよいと言われる被害者も多く、被害者とのコンタクトに成功する場合も多くあります。
また、弁護士は、被害者の気持ちに寄り添いつつ、法律の専門家として、示談のメリット・デメリットを丁寧に説明した上で、当事者両方が納得することの出来る内容での合意に向けて粘り強く交渉を行います。
傷害事件を起こし、被害者との示談交渉にお悩みであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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