岐阜県岐阜市にて喧嘩をしてしまったという事例を想定して、成立する罪と微罪処分の手続きについて解説
今回は、岐阜県岐阜市にて喧嘩をしてしまったという事例を想定して、微罪処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【事例】
Aさん(男性56歳)は、岐阜県岐阜市内の居酒屋で友人Vさん(男性55歳)とお酒を飲んでいたところ、些細なことから口論になりました。
お店を出た後も腹の虫が収まらなかったAさんは、罵声を浴びせながらVさんの胸ぐらを掴んで後ろへ転ばせる暴力を振るってしまいました。
Vさんが地面に転んだままの状態で揉み合いになっていましたが、VさんはAさんのこの行為で特に怪我などは負いませんでした。
二人の様子を見かねた通行人が通報し、岐阜中警察署の警察官が臨場しました。
頭を冷やす意味も込めて、Aさんは岐阜中警察署の警察官によって同警察署に連れて行かれました。
後日、Aさんは弁護士に弁護を依頼した結果、適当な弁護活動により、事件は微罪処分として検察官に送致されることなく処理されました。
※事例はフィクションです
【微罪処分についての解説】
今回の事例では、Aさんは、暴行罪が成立していますが、警察は結果として微罪処分として処理されています。
では、微罪処分とはなんでしょうか?
刑事訴訟法246条 司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。
犯罪捜査規範198条 捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる。
まず原則として、警察官が暴行罪などで捜査を開始した場合、身体拘束を伴う捜査が行われている場合には逮捕から48時間以内に、在宅での捜査の場合には取調べなどの捜査が終了した時点で、検察官に事件を(逮捕事案では身柄も)速やかに送致しなければなりません。(刑事訴訟法246条)
しかし、犯罪捜査規範にあるとおり、①きわめて軽微な罪で、②検察官から送致の手続きをとる必要がないと予め指定されている場合、検察官に事件を送致する必要がありません。
これが微罪処分です。(犯罪捜査規範198条)
微罪処分になれば、検察官に起訴されることはまずなくなるため、いわゆる前科がつかないというメリットがあります。
微罪処分となる事件の基準は画一的ではありません。
まず、②の「検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたもの」というのは公開されていませんが、法制審議会-少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会の第4回会議資料によると、暴行罪・窃盗罪(主に非侵入盗と乗り物盗)・詐欺罪での微罪処分が多く見受けられます。
その他、①について一般的に言えることとしては
・前科の有無
・事件の規模(被害金額や被害者の怪我の程度など)
・被害回復の有無
・罪を認めているか否か
といった点を総合的に判断したうえで、微罪処分に付されていると考えられます。
今回の事例では、酒の席での友人同士の喧嘩で、かつ、怪我等の無い暴行罪で処理されていたということもあり、微罪処分となったと考えられます。
微罪処分は「送致しないことができる」と定められていることから警察官らの裁量があるため、確実に微罪処分となる方法はありません。
しかし、罪を認め、被害の回復、取調べなど積極的な捜査協力を行ったり、再犯をしないことを誓うなどの行動により、微罪処分となる可能性は高くなると考えられます。
とはいえ、繰り返しになりますが微罪処分には絶対的なルールがないことから、自身の行為が微罪処分の対象になるのか不安な方は、刑事事件の弁護活動の経験が豊富な弁護士に相談することをお勧めします。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が微罪処分について解説しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
たかだか仲間うちの喧嘩と考えて事件を軽視していると、知らぬ間に事態が悪化し、取り返しのつかないことになる可能性もあります。
岐阜県岐阜市にて、暴行・傷害など、刑事事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
無料相談にて事件の内容を確認した上で、今後の見通しや弁護活動(謝罪と弁済を行うことで被害届取り下げや告訴取消などを求める示談交渉、起訴された場合の情状弁護)についてご説明致します。