(事例紹介)知人女性自宅周辺うろつく ストーカー規制法違反で岐阜県可児市内の男性逮捕
岐阜県内に住む知人女性宅付近をうろつくなどしたとして、岐阜県可児警察署に逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【事例】
岐阜県警可児署と県警人身安全対策課は21日、ストーカー規制法違反(ストーカー行為)と器物損壊の疑いで、可児市広見、無職の男(79)を逮捕した。
逮捕容疑は昨年7月1日~今月9日の間、県内に住む40代の知人女性方付近をうろつくなどのストーカー行為をするとともに、今年1月18日に女性の乗用車のタイヤ1本を鋭利な物でパンクさせた疑い。
署によると、女性が被害を相談し、署が捜査していた。容疑を否認している。
(Yahoo!ニュース:「女性宅付近うろつき、タイヤパンクさせる…ストーカー行為疑い79歳男逮捕 岐阜県警2/22(木)10:43配信を引用・参照。)
【解説】
■ストーカー規制法違反とは?
ストーカー規制法の正式名称は、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(以下、法令名省略)です。
この法律は、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的としています(1条)。
今回の事例では、知人女性の自宅付近をうろつくなどの行為を行っていたとされています。
このような行為は、ストーカー規制法の中の「つきまとい等」(2条1項1号)に該当します。
そして、「つきまとい等」に該当する行為を複数回繰り返す行為を「ストーカー行為」(2条4項)に該当するとして、禁止しています(3条)。
※前提として上記行為は「に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」(2条1項)で行われていることが要件となります。
上記ストーカー行為を行った場合には、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金に処されることとなります(18条)。
さらに、ストーカ被害の申し出があった場合には加害者に対して、警察本部長などによる警告が行われるところ(4条)、警告を受けてもつきまとい等を続けた場合は、被害者の申し出または公安委員会の職権で禁止命令を受ける場合があります(5条各号)。
禁止命令に違反した場合には、2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処されることとなります(19条1項・2項)。
今回の事件ではどの程度のつきまといが行われた(とされている)のかが不明ですが、逮捕に至るまでにある程度の裏付け捜査が行われていると考えられます。
捜査機関としては、被害者の方の家や通勤・通学などの経路にある防犯カメラの映像をしっかりと確認し、加害者とされてる方が映っていないか確認することになります。
加えて今回の事例では、女性の車のタイヤをパンクさせたとして、器物損壊罪も成立しています。
器物損壊罪は、「他人の物を損壊し、又は傷害した」場合に成立する犯罪です。
有罪となった場合、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処されることになります。
■ストーカー規制法違反になる前に弁護士に相談
ストーカー規制法違反で前科がついてしまうと社会的信用を失う恐れがあります。
しかし、単なるつきまといではなく交際中にあった金銭的なトラブルの為に相手方とコンタクトを取らなければならない等事情は様々です。
そのような場合には、弁護士が間に入って適切に対応してもらうことで、誤解を解消することが期待できます。
仮に上記のような事情があった上でも行き過ぎた行為等があった場合には、起訴前に被害者と示談が成立すれば検察官が不起訴処分を下す可能性が高まり、不起訴になれば前科がつくこともありません。
自己判断で行動せず、弁護士に相談することが有用です。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所がストーカー規制法違反について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ストーカー規制法違反などを含めた刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
ストーカー規制法違反など刑事事件に関するご相談は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
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