【事件】
Aさんは、岐阜県山県市にあるスーパーのエスカレーターで女性のスカートの中を盗撮しました。
Aさんは、自分のスマートフォンを利用して盗撮しており、その様子を目撃した警備員に捕まったAさんは、110番通報で駆け付けた警察官によって岐阜県山県警察署に連行されて取調べを受けました。
Aさんは、逮捕を免れることができましたが、盗撮に利用したスマートフォンには、過去に盗撮した画像が何十件も保存されています。
厳しい刑事罰が科せられるのではないかと不安なAさんは、刑事事件に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです。)
【盗撮について】
一般的に、「盗撮」という言葉はカメラなどで密かに他人の姿を撮影する行為全般を指します。
盗撮について規制している代表的な法令は、各都道府県が定める迷惑防止条例です。
ですが、あらゆる盗撮が上記条例に抵触するわけではなく、基本的に通常他人に見られない部位や姿の「盗撮」のみが規制の対象となっています。
他の都道府県と同様に、岐阜県においても岐阜県迷惑行為防止条例が盗撮について規制を設けています。
盗撮に対する規制は都道府県により若干差異がありますが、岐阜県における規制は以下のとおりです。
①公共の場所または公共の乗物において、衣服等で覆われている身体または下着を撮影したり、撮影機能を持つ機器を向けたりすること
②公衆浴場、公衆便所、更衣室といった、人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいる場所において、その状態の他人を撮影したり、撮影機能を持つ機器を向けたりすること
などと規制されており、以上のような盗撮を行った場合、6月以下の懲役または50万円以下の罰金(常習犯は1年以下の懲役または100万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。
また、あらかじめ盗撮の目的を持って建造物に立ち入った場合、正当な理由に欠けるとして建造物侵入罪が成立する余地もあります。
盗撮事件で警察に捜査されると、ほぼ100パーセントの確率で使用携帯電話機(スマートフォン)を押収されます。
警察は、携帯電話機(スマートフォン)に保存された画像データから、盗撮事件を立証したり、余罪を捜査するのです。
時には自宅に設置しているパソコンやタブレットを押収される場合もあるので、盗撮画像を保存している方は注意しなければなりません。
【警察の取調べ】
事件を起こしてしまった場合、逮捕されれば当然のこと、Aさんのように逮捕されていなくても警察の取調べを受ける事となります。
警察の取調べは、取調室という密室で、警察官と1対1、若しく2対1で行われます。(補助官と呼ばれる警察官が同席する場合もある)
取調べする警察官は、事件の内容だけでなく、事件前の行動や、事件を起こした動機、時として家族や仕事の事まで聞いてきます。
当然、取調べを受ける者には、黙秘権(供述拒否権)という権利が法律で認められて、警察官の質問に答えなくても問題ありません。
しかし、警察官はあの手この手を使って供述を引き出そうとし、時には脅迫や暴行を用いた違法な取調べをする事もあります。
また黙秘することによって、容疑を否認していると判断される場合もあるので、警察の取調べを受ける前に、その対処法について刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
なお、違法な取り調べによって供述した内容が記載された供述調書に証拠能力は認められませんが、取調べは密室で行われているので、後から違法性を立証するのは非常に困難です。
【示談】
成人が被疑者・被告人となる通常の刑事事件では、示談による被害弁償の事実が処分の決定に際して重要視されることになります。
盗撮事件の場合は、よほど重いものでない限りは示談により不起訴となる可能性が高いと言えるでしょう。
一方、少年事件では、通常の刑事事件と異なり示談による被害弁償の事実はそれほど重要視されない傾向にあります。
少年事件において重要なのは少年の更生および健全な育成であり、それを実現するうえでは示談の結果より過程の方が重要視されるためです。
ですので、少年による盗撮事件では、被害者に対する謝罪、自身の性的嗜好の歪み、性犯罪の重み、といったことを、少年自身が示談を通して考えることが大切になります。
非行を犯した少年が真摯に自身と向き合えば、審判不開始あるいは不処分となる可能性は十分あるでしょう。
岐阜県で刑事事件を専門に扱い、警察官、検察官の取調べ手法を熟知している、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、違法な取調べをする捜査機関に対しては徹底して抗議し、真実を追及する弁護士事務所です。
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