商標法違反事件で逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
某有名服飾ブランドのロゴをあしらった財布やカバンを自宅で所持していたとして、岐阜県土岐市に住むAさんは、岐阜県多治見警察署に商標法違反の疑いで逮捕されました。
逮捕後、Aさんは、家族からの依頼で接見に来た弁護士に今後の流れや取調べ対応、見込まれる処分について相談しています。
(フィクションです。)
商標法違反事件
商標法は、事業者が、自社の取り扱う商品やサービス(役務)を他社のものと区別するために使用するマーク(商標)を保護する法律です。
商標法は、商標権又は専用使用権を侵害した者は、10年以下の懲役若しくは1000万円の罰金に処し、又はこれを併科することと定めています。
「商標権」は、商標登録を受けている商標(登録商標)を指定商品又は指定役務について排他的独占的に使用できる権利です。
この権利は、特許庁に商標出願して、審査を受けて、商標登録原簿に登録されることにより発生します。
商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用する権利を専有します。
商標権者は、登録商標の類似範囲の商標を第三者が使用することを禁止することができます。
また、商標権者は、商標権について専用使用権を設定することができます。
「専用使用権」は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標を排他的独占的に使用できる権利です。
このような商標権又は専用使用権を「侵害」するとは、他人の登録商標をその指定商品又は指定役務について使用する行為、及び他人の登録商標の類似範囲において使用する行為をいいます。
また、商標法は、商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行った者については、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すると定めています。
商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為には、
①指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用。
②指定商品又は指定役務に類似する商品であって、その商品又はその商品の包装に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを譲渡、引渡し又は輸出のために所持する行為。
③指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供にあたり、その提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供するために所持し、又は輸入する行為。
④指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供にあたり、その提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供させるために譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持、若しくは輸入する行為。
⑤指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について、登録商標又はこれに類似する商標の使用をするために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を所持する行為。
⑥指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について、登録商標又はこれに類似する商標の使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持する行為。
⑦指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について、登録商標又はこれに類似する商標の使用をし、又は使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造し、又は輸入する行為。
⑧登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造するためにのみ用いる物を業として製造し、譲渡し、引き渡し、又は輸入する行為。
があげられます。
偽ブランド品販売については、登録商標と同一の商標を指定商品に付して販売する場合は、直接侵害行為に当たりますが、類似商標を付した場合には間接侵害行為となります。
商標法違反事件で逮捕される場合
商標法違反事件では、初犯であっても逮捕される可能性が高い犯罪です。
また、逮捕後に勾留に付され、長期間の身体拘束を余儀なくされるケースも少なくありません。
そのため、被疑者として捜査を受けた場合には、すぐに弁護士に相談し、逮捕を回避するために捜査機関に働きかける、逮捕された場合には早期釈放を目指した活動を依頼するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
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