動物虐待で不処分

動物虐待で不処分

岐阜県各務原市に住むAさん(16歳)は、同市内にある幼稚園で飼っていたウサギ2羽を盗みだしました。
Aさんは盗み出したそのウサギを燃やしたり、刃物のようなもので切って虐殺し、死骸を路上に遺棄しました。
Aさんは、被害届を受けた岐阜県各務原警察署に、窃盗罪動物愛護法違反の容疑で事情を聞かれています。
Aは、今後どうなるのか、刑事事件専門の弁護士に相談しました。
(フィクションです)

【動物愛護法違反】

上記Aさんのように動物愛護法違反に反した場合にはいかなる刑事罰が科されるのでしょうか。
動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護法とします)は、「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない」旨を基本原則として定められています。
動物愛護法に反し、愛護動物をみだりに殺し又は傷つけた場合には、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」に処される可能性があります。

また、Aさんのように動物を殺傷するために、幼稚園に侵入したような場合には、刑法上の窃盗罪建造物侵入罪等も成立する可能性があります。

【取調べ対応】

動物愛護法違反等で警察から捜査を受ける場合、警察官からの取調べを受けることになります。
その取調べの際、警察官が被疑者の言い分を「調書」としてまとめます。
取調べで作成された調書は、その後、検察官に送られ、刑事処分の有無(内容)などを考慮する際の材料となります。
そのため取調べで、どのような内容を供述するかは、今後の刑事処分が決定する上で、非常に重要なものとなります。

【不処分を目指して】

罪を犯した者が20歳未満である場合、その事件は刑事事件ではなく少年事件として扱われるのが原則です。
少年事件においては、刑罰が科されない代わりに、少年の更生と健全な育成を目指して保護処分というものが行われることになります。
保護処分が行われるまでの流れは、①警察の取調べ→②検察官送致→③家庭裁判所送致→④調査→⑤少年審判となるのが一般的です。
場合によっては、逮捕・勾留や観護措置による少年鑑別所留置などが行われ、身柄が拘束された状態で手続が進められることもあります。

保護処分の目的は少年の更生であり、そこに至るまでに非行事実や少年の素行に関する調査と、具体的な保護処分の内容を決める少年審判が行われます。
保護処分の内容は様々ですが、重いものだと少年院送致があり、そうなれば過度に少年の自由を制約してしまうリスクが出てきます。

こうした制約を阻止するために、特に少年の自主的な更生が期待できる事件では、不処分を目指すことが考えられます。
不処分は保護処分を行わないという裁判官の決定であるため、少年はその後の生活において何らの制約も課されません。
それだけに、不処分を実現するには、少年本人とその周囲の力だけで少年の更生が可能であることを積極的にアピールする必要があります。
そうしたアピールの可否は少年の育成環境の整備に懸かっているので、もし不処分を目指すなら少年事件に精通した弁護士の力を借りるとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に強い弁護士不処分を目指して的確なアドバイスを致します。
もしお子さんが動物虐待をして警察が介入したら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

 

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